犬の(リアル)骨格標本制作第2弾、足根骨の巻

パンチ伊藤が主宰する手力整体塾『犬の整体師養成講座』では、本物の犬の骨を使って犬の骨格標本を作成中です。
現状でも犬の筋骨格系解剖に関して我らが講師小林の右に出る者は居ないと思いますが(左は知らんけどw)、骨格標本作成を経てテキストも教材もまた一段と強化、まさに鬼に金棒になるのであります。
ただ覚悟はしていたものの思っていた以上に作業は難しく、どこまで固定するのか、どこをどうやって動くようにするのかも手探りなので、焦らず長い目で見ていこうと思っています。

犬の足関節(足首)は前後にしか動かない

椎骨をきちんと順番通り並べるだけでも想像以上に手間取り、環椎後頭関節や環軸関節はじめ、椎骨ひとつひとつを繋ぐ関節面にいたく感動した1回目の骨格標本作業。いわば『サビ』からはじめたようなものでとても楽しめましたが、ここからしばらくは細かい骨を繋ぐちょっと地味な作業が続きます。
1日で足ひとつ。それくらいの覚悟で(笑)。

股関節から先は脚、足首から先が足。これは犬も同じ。
犬は踵(かかと)を接地させずに指で歩く趾行(しこう)動物。ここ↓が踵です。

人と犬の踵の位置

犬のカカトの方が後ろに出っ張ってふくらはぎの力の無さをテコで補っている様子が良くわかります。ついでに言うと、踵をしっかり接地させないと、膝が曲がってしまう(曲がりやすくなる)のもわかると思います。

一般的には関節のことも含めて『足首』と言われますが、足首は本来1番くびれているところを指す言葉で関節名ではありません。動いている関節を正しくいうと、脛骨・腓骨からなる下腿と距骨とで構成される距腿関節。距骨と踵骨で構成される距踵関節。この2箇所の動きを合わせて総称【足関節】の動きとされます。

人間の場合、飛んだり跳ねたり坂道や凸凹を歩いたりしても、足裏全体で地面を捉えて滑らかに動けるのは、上記2つの関節にはじまり7つの足根骨と5趾それぞれの中足骨、3種類もの趾骨からなる関節がそれぞれ滑らかに動いてくれるからです。
足関節の動きとそれに関係する筋肉はこちら>>>

対して犬の場合は、指しか接地していないので足根骨はあまり動きません(動く必要がありません)。中足骨すら5本に分かれている事が不思議なくらいです。肉食動物よりもっと走る必要がある草食動物の中足骨は3本まで減ってしかもほとんど退化、接地しているのは中指1本ですしね。

踵が接地し足裏全体が動いてバランスを取れる人間の足関節は、距腿関節による前後の動き(底屈・背屈)と、距踵関節での内外の動き(内反・外板)をはじめ、他の関節も手伝って死角なしの滑らかな動きが可能ですが、犬の足根骨を組み合わせていたら、横の動きには非常に弱いということが構造から見て取れました。距骨の見事な関節面には脛骨が深くはまり込んで距腿関節はピッタピタに収まり動くスキがありませんでした。

犬の足根骨

あまり動かないはずの舟状骨・立方骨・各楔状骨の関節面が意外とアバウトなのがちょっと気がかりですけれど、それにしても距骨滑車の見事さに惚れ惚れ。つくづく芸術ですな。

この先に各種指骨が付くわけですけれど、各指骨の各関節ごとに、人間だと母指にしかない種子骨(膝のお皿に代表される腱に仕込まれた骨)が2つずつあったりするものだから似たような小さい骨がまだまだ沢山。けどきっと来年には教材として本物の犬の骨格標本が授業にお目見えすると思います。

そんな犬の整体養成講座、お陰様で22期はじまりました

開校以来毎回しっかり受講生が集まってくれている犬の整体師養成講座。22期はキャンセルやらなにやらではじめてマンツーマンでの講座スタートになりました。Tさん講師独り占め、ラッキーですね!遠慮しないで濃く学んでいってください。

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書いている人

パンチ伊藤
あっとう言う間に整体師歴17年。現役で施術する傍ら小さな整体塾を主宰しています。当たり前な解剖生理と簡単な物理を繋いだわかりやすい身体の話が得意。釣り/山/島/音楽/映画/生きもの全般/が好きです。

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