擬人化される犬の気持ちを犬になりきって考えてみた

服を着たいとは思ってない
博報堂生活総合研究所の調査では(2009年とちょっと古いけど)首都圏&阪神圏の1226匹中42%の犬たちが服を着ていたんだって。調査が2月ということもあるだろうけど、首都圏の女性が連れていた小型犬に関しては半数以上の56%も!(http://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2011/10/20090511_1.pdf)
服を着せている理由がまた傑作で・・・・
- 寒さから守るため(これはまぁ場合によってはありがたい)
- 汚れ・ゴミから守るため
- 乱れた毛並みを隠すため
- 個性を表現するため
- 注目を集まるため
寒さ以外はボク等のためじゃないんだね。
寒さにしたって、寒いところに連れてきてしまったのはアナタ達。本当にボクのことを愛しているならボクの生まれ故郷に引っ越してから一緒に暮らして欲しいもんだね。けどこれは、とっても寒いところから連れてこられちゃった子たちの方が深刻かな。身体に汗をかけないボク達は暑さにめっぽう弱いからね。
骨格が違うからね!
垂直に重なるアナタ達の背骨と違ってボク等の背骨は水平に並んでるの。運動するため、走るための形なんだけど、垂直に重なるようにはなってないからこの方向の力には凄く弱い。ジャンプしたり高いところから飛び降りたりした時に、後ろ足から着地しちゃうととても危ないんだよね。
アナタ達と違って鎖骨はないから、前足からの着地なら大抵大丈夫なんだけど後ろ足からだと背骨が持たない。嬉しくてついつい後ろ足で立ったり飛びついたりしちゃうけど、そんな時はボクより理性的なアナタに止めて欲しい。
ついでに言うと、抱っこの時も背骨を立てられちゃうとキツイんだよね。

持久力が持ち味だけど健康のための運動はしたくないよ!
ボク等の祖先と言われているオオカミは、相手が弱って根を上げるまで群れで追いかける狩りの仕方をする。瞬発的なスピードで狩りをするライオンとかチータとかのネコ科と違って持久力が持ち味なの。つまりボクらの骨格筋は白筋じゃなく持久力のある赤筋が沢山ある。持久的な運動をしないとこの筋肉がやせ細ちゃう。正直、2、30分の散歩じゃ全然足りないんだよね。
ウチの子は歩きたがらないって?
それは多分、アスファルトやコンクリートの上だからだよ。草や土の匂いを嗅いだらボクの仲間は誰だって歩きたくなるはずだよ。

固いものを噛みたい!
ボク達は肉食です。動物を捕らえて食べるようなことがなくなってから随分と経つけれど、基本的な構造はその頃と殆ど変わってない。歯は肉を食いちぎったり骨を噛み砕いたりするための形をしているし、顎を動かす筋肉はそれなりの力を持ってる。だから固いものをしっかり噛んでないと色々不都合が出てくるんだよね。
歯垢や歯石も、生の肉や骨を噛んでいればあんまり付かないんだ。
カリカリのドッグフードも固いけど小さいからほとんど噛まずに飲み込めちゃう。しっとりしたフードや手作りのご飯は美味しいけど、噛むための機能は十分に使えない。
カッチカチのものを噛みすぎて歯が割れたりすることもあるんだけどね(笑)。

五感の違いを忘れないで!
犬笛は30kHz。人には聞こえなくてもボク等に聞こえる高周波の音。その代わり65Hz以下の低い音はボクには聞こえない(人は20Hzくらいまで聞こえる)。だからどうしたって話だけど、アナタ達の世界とボク達の感じている世界は確実に違うって事を忘れないでほしいんだ。
もっと違うのが嗅覚。臭いの種類によって違うけど全般的にボク等のほうが鋭くて人間の2000倍から1億倍!とも言われてる。(日本警察犬協会)
考えてみてね。アナタにとって程よく良い匂いだとしてもそれが2000倍だとしたらどうかな。良い匂いだからってボクに香水とか吹きかけないでね!
本能がちょっと強いよ!
ボク達はアナタ達よりも少し色濃く本能が残ってる。
生きるため、子孫を残すため以外の行動を極力減らすのも本能だから、狩りもせずいつでもご飯にありつけるとなったら限りなく怠けちゃう。
アナタ達との暮らしが長いおかげで我慢することも随分覚えたけど、尻尾を振ってニコニコしてればご飯がもらえることも覚えちゃった。
今や愛嬌を振りまくのがボク等の役割だってことも知ってるけど、少しだけ理性的なアナタ達だからボク等のことも考えて遊びに連れ出して欲しいな。

人間が大好きです!
だからアナタが喜んでいればボクも嬉しくなっちゃうけれど、それがボクのためになるかどうかは別問題だということも分かって欲しい。
色々愚痴っちゃったけど、ボク達はアナタ達が大好きです。こんなにも無条件に人間が大好きな動物はほかにいないんじゃないかな。そんな無償の愛を履き違えないでね。
これからもお互い別の生き物だとしっかり認識して尊重しあって仲良くやっていこうね!

・・・・と、先日のエントリに続けて書いてみましたが、ワタクシ伊藤は専門的に犬の勉強をしたことはありません。犬になりきって考えてみただけですのであしからず。

犬の整体師養成講座
動きを診る手力整体だから可能になった物言わぬ犬への整体。
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書いている人
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あっとう言う間に整体師歴19年。現役で施術する傍ら小さな整体塾を主宰しています。当たり前な解剖生理と簡単な物理を繋いだわかりやすい身体の話が得意。釣り/山/島/音楽/映画/生きもの全般/が好き。2020年から自然農の畑をはじめました。
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