今週もまた遠く宇都宮から体験見学の方が来てくださいました。
「病院で働いている」と言うと「安泰だね」と言われる事が多いそうですが、実は現状への疑問と将来への不安を感じているようでした。
理学療法士の国家資格合格者累計は平成28年現在13万9214人。ここ数年は毎年1万人規模で増え続けているのが現状。いやはやバブルですね。
バブルはいつか弾けます。
増えすぎた理学療法士・作業療法士さんを今後どのようにしていくのか、厚生労働省で『理学療法士・作業療法士需給分科会』なる話し合いが今年から始まったようです。
人員のダブつきはもちろん、既に破綻していると言っていい健康保険の事や、病院という組織の事など色々と考えて、独立・開業を視野に入れる理学・作業療法士さんが増えてきているように思います。ただ、ここにはちょっとしたハードルがあるのが事実です。
そもそも開業を視野に入れた資格ではない
理学・作業どちらの療法士もいわゆる“リハビリの先生”ですが、『医師の指示の下』に療法をおこなう場合に限られた資格なのでそもそも開業は想定外。独立したリハビリ施設などは残念ながら開業できません。医師のもとを離れたら肩書は意味が無くなって、整体師と同様“只の人”になってしまいます。
知識と経験を活かす
独立して使える肩書が無くなっても知識と経験は無くなりません。そこを活かして、資格不要なデイケアサービスなどを事業としてはじめる方もいるようです。
ただ、定員10名以上だと看護師資格者が必要とされますので、家族に看護師さんがいるとかじゃない限りのっけから人を雇う必要があって、ちょっとハードルが高いかもしれません。10名以下じゃ食えないでしょうし。
今は情報そのものが売れる“情報化社会”ですから、理学療法士・作業療法士それぞれの知識と経験をそのまま商品にする事もできると思います。いわゆるセミナーの開催です。
臨床を重ねてデータを収集・比較・分類しておけば、疾患・傷病別の療法セミナーが開催できると思います。独立するならきっとこれが一番手っ取り早い。けれど手っ取り早いのは廃れるのも早いのが玉にキズ。
で、結局現実的なのは方向性が似ている独立系の資格を取り直すか(鍼灸マッサージ・柔整師)、整体師・セラピスト・カウンセラーなど好きな肩書でもって独自路線を切り開くかの二通りだと思います。
思えばワタクシが整体のスクールに通っていた16年ほど前は整体がバブルでした。大手スクールの教室には毎日20人くらいの生徒さんがいましたからね。このバブルはもうとっくに弾けて安定気に入ってると思います。
遠く宇都宮から手力体験にお越しくださったIさん。開業する際の個性探しに興味深々なようすでした。ひとりひとりのユニークさを引き出すキャラクター最優先の開業講座をおこなう整体の学校は、他にあんまりないかもしれません。将来への不安は消せないかもしれませんが(笑)今を愉しむには一役変えると思います。