スタビライザー。自動車のサスペションと共に車体を安定させる部品。安定化装置のこと。近頃では、カメラに装着してブレのない追跡シーン撮影などに使われるのもスタイライザーで通ってますね。独特のヌルっとした浮遊感のある映像が癖になります。
身体に備わっているスタビライザーを活性化するのがスタビライゼーション。スタビライザーのおかげで2本足という不安定な状態でも姿勢を維持できたり、歩いたり走ったりしても脳みそが揺れずに済んでいるのです。
脳を揺らさないためのスタビライザー
骨格の維持・安定を司るスタビライザーは骨の近く、いわゆるインナーマッスルと呼ばれるところにあります。腸腰筋はその代表。劣化して固くなった腸腰筋を不意に動かして痙攣(攣る)するのが良くあるぎっくり腰です。
動かさずに置いてある車やバイクのゴム製部品が劣化して固くパサパサになるように、身体のスタビライザーも動かさないと劣化してくるのです。
筋肉を動かすと言っても、腕立て・腹筋・スクワットなどのいわゆる筋トレとは大きく違います。インナーマッスル、スタビライザーの役目は骨格の維持・安定なのですから、トレーニングも維持・安定が効果的。普段とらない形の姿勢を維持したり、あえてグラグラするボードやボールと戯れたりして劣化を防ぎましょう。
スタビライゼーションと命名されていますけれど、車に置き換えたらタイヤやブッシュなどのゴム製品を柔軟に保つべく行う行為のように思えます。対して筋トレは足回り強化などのチューニングですね。
最初はちょっとキツイですが、『重力って凄い』とか感じながら3日~1週間。インナーが目覚めさえすれば案外すんなりできるようになります。
身体が硬い人、つまり固定するのが得意な人の方が、(普段からインナーを使っているのか)出来る様になるのは早いです。体が柔らかい人、ジッとするのが苦手な人は少し大変なようですが、出来るようになったら無敵ってことですね。
体幹トレーニングとか色んな名前でこの手のポーズは紹介されていますが、とっても重要なところが抜けていることが多くて辟易します。大切なのは上中下の丹田を通すこと。各アライメントを合わせることです。
最初は必ずキモをわかっている人に姿勢を見てもらったほうが良いです。意味が変わっちゃいますからね。
塾生の皆さんには大体入塾早々にバランスボールと戯れることをお勧めしているのですが、『ボールの上で膝立ちできるようになりました』とか言ってくる人が一向に現れないのが不思議でしょうがない。余計な力を抜いて丹田から良い圧を効かせるためにも良い練習なんですがね。当然日常の身体も変わってきますし、そういう実感が自信にもなるはずです。
いつまでも教わる姿勢じゃなく、自ら勉強できるようになって欲しいと思います。考えるより実行!
サッカーの世界では逸早く定番となっているスタビライゼーション。その効果はロナウドやロッベン、本田、長友あたりの走りを見れば一目瞭然。彼らの頭~体幹にはブレがありません。オデコにGopro付けて撮影したら、スタビライザーカメラと同じような画が撮れるかもしれません。