私達は『覚える』という教育しか受けていませんし、覚える事が勉強だと思わされてきましたから、『この動作は時はこの筋とこの筋』などと理屈を抜きにして覚えてしまいたい気持ちはお察しします。
んが、手力整体塾としてはNG。考察ももちろん手技(施術)も理由の無いものは例え正解だとしても認めるわけにはいきません。
1度わかってしまえばこれほど簡単な理論の整体は他に無いと思います。自分で診て自分で考えて意味のある施術を出来るよう、もうひと踏ん張りして欲しいと思います。
関節の動きに伴って短縮する筋は、皆さん容易に判断できるようになりました。それだけでも凄い事です。次は収縮している筋の判断。これを導き出す時にもやっぱり言葉が障害になっているように思いました。わかりやすく『曲げる・伸ばす』『開く・閉じる』などと言う場合もありますが、先日の記事同様、『屈曲・伸展』『底屈・背屈』『外転・内転』など正確な言葉にしっかり置き換えていかないと、いざ筋をピックアップする時に困るからです。
ちなみに、静止している時は見たままで良いのですが、動きを伴う時はどっち方向に動いて(動かして)いるかが鍵になります。
単なるポーズ、ストップモーションだとすれば肘関節は屈曲で肘の屈筋が収縮且つ短縮していますが、チョップを振り下ろしている最中だとしたら、肘関節は伸展方向へ動いていて伸筋が収縮かつ短縮していきます。切り取った絵は同じでも、ポーズと動作では意味が違います。
動作せずに只立っている・座っている時も、実は動きの方向があります。重力に対抗しているからです。これが中々イメージ出来ないのですが、ジッとしている時も真上方向に動いていると思いましょう。あ、その場でスクワットなどする時も同じですね。真上から押してくる力(1G)に対抗している筋が短縮・伸張にかかわらず収縮します。
歩行など移動を伴う場合は、移動したい方から押してくる力があると思えば良いかも知れません。右股関節伸展は見た目で直ぐにわかると思いますが、軽く屈曲している左股関節も、左脚に体重が掛かった瞬間から伸展の筋にスイッチが入ります(収縮)。進行方向から押してくる力に対抗するためです。
ストップモーション(ポーズ)で、関節の動作とそれに関連する筋肉が見えたら、次は動作。動作は方向がカギです。
・・・・・って、理解して欲しいが為に角度や切り口を変えて説明をしますが、ちょっと変わるとまた悩んでしまう場合も往々にしてあります。基本的に全部同じ事を言っているんですけれどね。
関節の動作を見る。短縮している筋、伸張している筋に分ける。収縮している(使っている)のはどちらか考える。緩めるのはどちらか、締めなおすのはどちらか考える。常に筋肉の役割と生理を根底に据えておく事が何より重要だと思います。