手力整体塾@からだ応援団のパンチ伊藤です。
コンピューターとAIの台頭で、既に無くなった職業や無くなりかけている職業がどんどん増えています。我ら整体師・セラピストという職業は今後生き残ることは出来るのか、実例を元に考察してみました。

40年で一気に進化したIT

事実上のパーソナルコンピューター1号と言えるApple Ⅱ発売からたったの40年。Googleの検索サービスがアメリカではじまってからたったの20年。当時のインターネットはいちいち電話回線に繋いでFAXみたいな音を聞きながら、写真1枚開くのに数十秒待たされたものでした。

今や当時のスーパーコンピューターより何倍も処理能力の高いミニミニコンピューターをポケットに入れて持ち歩く時代。自動車にはまだタイヤが付いてますが、コンピューターに関しては鉄腕アトムの世界が現実になりました。

めまぐるしい発展を遂げたITにはまだまだ伸びしろもある。処理能力が上がって小型化して自ら考えるAIが様々なものに搭載されてきています。
プログラムに沿って淡々とこなすだけの仕事はドンドン無くなる。作業の正確さとスピードではマシンに敵いませんからね。

雨の休日は映画三昧

「あの時もし別の選択をしていれば・・・」
誰しも1度や2度思ったことがあるでしょうか。
男という生きものなら尚の事。映画『ラ・ラ・ランド(原題:La La Land)』のセバスチャンも未練たらしく、現実から遊離した精神状態を味わう。La La Landってそういう意味らしい。

女優を夢見るミアと古き良きジャズを守りたいセバスチャンの物語。
ミュージカル職が強い前半は噂通りの退屈さで半分寝てました。しかもこの映画、プリウスに乗ってるしiPhone使ってるしで時代設定は古くないのに、音楽も色使いもストーリーもどこか古臭い。
んが、後半はしっかり目を見開いて鑑賞。ミアの最後のオーディションとなった場面ではちょっと胸が熱くなりました。叔母さん凄い。何度でも飛び込め。愚か者に乾杯!

実際、アッチを選択できなかったからコッチを選択して現在につながっているわけで、もし・たら・れば、は考えるだけ無駄。今を全力で楽しむしかないのです。

「ジャズは瀕死だ」
先のセバスチャンの言葉が見事に繋がる『セッション(原題:Whiplash)』。偉大なドラマーになりたい音大生とマエストロの壮絶なドラマ。

“仲良しこよし”のコミュニティーでは決して起こらない物凄い化学反応が命がけ故に起きる。どこまでが狙いなのか、全て本気なのか、互いにボロカス言い合って互いに「ナニクソ」精神で這い上がる様が鳥肌立つほど凄い。少し前にヒノテルさんのビンタ騒動が物議をかもしていたけれど、あんなのカワイイもの。

「たったふた言、『Good job』という言葉がジャズをダメにした 」この名言は思わずメモ。遠慮して言いたい事言わなけりゃそこでおしまい。どう転ぶかは言ってみなきゃわからないのだ。

ただひとつ、この手の映画やドラマは演奏シーンでちょっと冷めてしまうのが残念。その点すごかったのはコレですね。

媒体が無くなればそれに関わる人達の仕事も無くなる

余程気になるものや大型スクリーンで鑑賞したいものは映画館で見ますけれど、ココに挙げた作品はもとより自宅での映画鑑賞はすっかりAmazonプライムビデオ一辺倒です。アジトから徒歩2分のTSUTAYAにすらもう数年行ってません。

コンピューター&インターネットの普及と進化は、圧倒的なスピードをもって距離をゼロにした。間に居た人達と媒体に関わっていた人達の仕事はITに飲み込まれてしまったわけです。

あと7年で消える職業、なくなる仕事。整体は?

オックスフォード大学でAIなどの研究を行っているマイケル・A・オズボーン准教授が2014年に発表した論文『雇用の未来 The Future of Employment』で、702種類の職業を解析、生き残る職業順に評価したものが話題になりました。下位になればなるほど、無くなる可能性が高い職業・仕事というわけです。わかりやすく翻訳してくれているサイトがあったので拝借してリンクしておきます

無くなる職業ワースト15(ランキング下位順)
保険の審査担当、アナリスト、不動産ブローカー、レストランの料理人、金属や趣旨の加工作業員、パラリーガル、簿記・会計事務職、小売店の販売員、工場作業員、臨床検査技師、運転手、ライター、農業従事者、原子力技術者、電子機器技術者。

無くならない職業15(ランクング上位順)
レクリエーションセラピスト(機能回復訓練士)、整備・修理工の監督者、医療ソーシャルワーカー、振付師、セールスエンジニア、小学校教師、生地や洋服のパンタナー(型紙起こし)、人事マネージャー、スポーツトレーナー、経営者、写真家、調達責任者、弁護士、コンピューター情報システム責任者、数学者。

なんだかちょっと突っ込みどころもありそうですが、ネット上で解消できてしまう事、媒体が変わったもの、単純作業などは勿論のこと、一見難しそうなデータの集計・解析などもコンピューターの得意分野なので、ウォール街で高級スーツに身を包んでいたトレーダーやファンドマネージャーも戦々恐々。AIという名のチャージングブルに突き飛ばされはじめています。
無くならない職業の方に、整体師ならできそうな職が2つも入っているのがありがたいですな。

NY ウォール街のチャージングブル
これがウォール街のチャージングブル

整体師という職業がなくならない理由

要するに、各々に合わせて個別の対応をしなければならない職業は無くならないということだと思います。無くなる職業に入っている料理人、ライター、農業従事者などでも『職人』の領域まで高めている人は生き残るでしょうね。

対象の状態に合わせて敢えてファジーな対応を出来るのが人間の強み。逆に、攻略法が存在するようなものはAIに敵わない。覚えただけの手技をただ繰り返す作業しかしない整体師では当然仕事を失います。生き残るすべは、Creativity と Social skill。創作とコミュニケーション能力だそうです。

お医者さんといえど、薬を処方するだけならインターネット上で済むようになる。的確な質問を投げかけて必要な情報を汲み取れり、膨大な情報の中から的確な答えを導き出すなんてきっとAIのオハコ。

整体も同様。施術の大部分は情報を得るため(確かめるため)に触っている場合が多いわけで、経験とデータを元に適切な質問が出来る整体師さんなら、わざわざ身体に触らなくても必要なストレッチや運動の処方をできるので、オンライン上で大勢を相手にできます。

整体師という職業は無くなりませんけれど、「コンビニよりも多い」施術だけ提供するような整体院はもう無くなります。施術以外のもっと大切な本質に気付いている真の整体師は、逆にどんどん必要とされることでしょう。

もう随分長いこと思っているのですが、今後は益々『整体師』という肩書がシックリこなくなりそうです。何か別の呼び名はないんでしょうか。セラピストとかトレーナーっていうのもなんだかなぁ・・・。

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書いている人

パンチ伊藤
あっとう言う間に整体師歴19年。現役で施術する傍ら小さな整体塾を主宰しています。当たり前な解剖生理と簡単な物理を繋いだわかりやすい身体の話が得意。釣り/山/島/音楽/映画/生きもの/が好き。2020年から自然農の畑やってます。

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