手力整体塾@からだ応援団のパンチ伊藤です。
先日『あはき・柔整広告ガイドライン』の改定が発表されたので気になる点などまとめておきます。

2025年2月18日『あはき・柔整広告ガイドライン』

令和7年2月18日、あはき(按摩鍼灸)・柔整広告ガイドラインが改正されてThreadsのタイムラインが随分とザワついておりました。主に「アレもダメ、コレもダメ。コレじゃ何も広告できないじゃないか」という意見が大半だったように思いますが、その点についてはずっと前から変わっていません。今回の改定で嘆いている方は以前からのガイドラインを知らなかっただけ。

整体院におけるお客様の声やビフォー・アフター写真の取扱について

先日、こんなニュースを目にししました。 厚生労働省は25日、医療機関の広告規制を見直し、「ビフォー・アフター」として効果をうたった術前術後の写真掲載を原則禁止す…

整体師・セラピストも厳守しよう!医療法改正による広告規制についての話

2018年6月におこなわれた医療法改正による広告規制について、民間療法の整体師・セラピストが心しておきたいことをまとめました。

2018年に医療法が改正された際に当ブログでも書いているように、医療・医業類似行為の広告に表記して良いのはずーっと前から、

  • 施術者の氏名
  • 施術所の名称・住所・電話番号
  • 施術日・時間
  • 予約の有無
  • 休日・夜間施術の有無
  • 駐車場の有無

これくらい。
「施術所の名称変えなくちゃ・・・」なんて人も見受けましたが、『◯◯施術所(院)、◯◯鍼灸治療院(所)、◯◯接骨院、〇〇鍼灸院』のみ可能であって、対象を限定する『〇〇専門』や施術法や技能を含む名称『無痛◯◯、電気◯◯』、効能を匂わせる『◯◯矯正』などを、施術所の名称につけてはならないとずーっと前から言われています。『整骨院』も正しくないので止めるよう何度も議題に上がっているのです。

法律を全て把握することは出来ませんが、名称つける時くらいは調べたら良いのにと思います。

広告とはなにか

今回の改定はあくまで『広告ガイドライン』なので、まずは広告の定義がいちばん重要なところ。実は法律によってその定義は異なります。

  • 特定商取引法では、販売業者等が通信手段により契約の申込みを受ける意思が明らかであることが広告の定義です。
  • 景品表示法では、事業者が自社の商品やサービスの取引に関する事項について行うことが広告の定義です。
  • 薬機法では、顧客を誘引する意図が明確であること、特定の医薬品や医療機器の商品名が明示されていること、一般の人々がその情報を認識できる状態であることが広告の要件です。

あはき・柔整広告ガイドラインでは

  • あはき・柔整に関する広告の該当性については、①誘引性 ②特定性 ③認知性 のいずれも満たす場合に該当するものと判断する。
  • SNSでの書き込み等については、広告の要件①~③のいずれの要件も満たす場合には広告として扱う。
  • インターネット上の施術所等のウェブサイト等は、当該施術所等の情報を得ようとの目的を有する者が、自らURLを入力したり、検索サイトで検索した上で閲覧するものであるため、「認知性」を満たさないものとして、従来情報提供や広報として扱ってきた。これらについては、引き続き原則として広告とは見なさないこととする。

ウェブサイトは従来通り広告とみなされません。広告費用を掛けて検索結果に表示させるのは広告ですが、ホワイトなSEO対策で地道に検索上位を獲得したら広告じゃないわけです。当然、サイト上の文言は薬機法や景品表示法に関わってきますが・・・『あはき・柔整広告ガイドライン』における広告の定義はちょっと温いような気がします。

SNSの取り扱いが今回新たに加わりました。
ウェブサイトの場合は広告とみなされませんが、SNSの場合は課金をしなくても『誘引性・特定性・認知性』を満たした段階で広告扱い。わかりやすく言うと↓

誘引性
顧客や患者を誘引する意図があること
顧客や患者の購入意欲や受診意欲を昂進させること

特定性
施術者の氏名や名称が特定できること
施術所の名称が特定できること

認知性
鍵アカなどでなく、検索しなくても不特定多数が見られる状態であること

特定性と認知性を避けたら意味がないので、誘引性を避けた純粋な情報発信しかSNSに投稿できないということです。

無資格者の広告に言及

今回のガイドライン改正で特に注目なのは『無資格者の行為に関する広告について』言及した点。

  • 国家資格を必要とする業を行っていると利用者に誤認を与えるような表示は不適切である。
  • 「腰痛」、「膝の痛み」等の痛み症状に対する施術、慢性の「肩こり・疲労」等の常態的な症状に対する施術の表現は、特定の疾患に対する施術或いは疾患の原因となる可能性を含んでいる症状に対する施術に当たる可能性が高いことから、広告及びウェブサイト等に表現すべきでない。

我ら整体師はもちろん、病院を飛び出した理学療法士などがボディワーカーとして開業する場合必要な資格はありません。届出も税務署のみ。確定申告をすれば開業届すら要りません。
なので、あはき・柔整広告ガイドラインにおいて『無資格者の行為に関する広告について』触れたのはちょっと驚きでした。

整体師として開業する場合に関係する他の法律

骨格矯正やら腰痛・肩こりの緩和やらをイメージされる整体師として開業するなら、あはき法、柔道整復師法以外にも確認しておきたい法律が沢山。
医師法、医療法、薬機法、健康増進法、景品表示法、不正競争防止法。
法令検索サイトのリンクを張っておきますので、是非ご自分で検索してそれぞれ目を通しておくことをおすすめします。

法令検索
https://laws.e-gov.go.jp

ぶっちゃけ、逮捕起訴されたりするのはほとんど詐欺かセクハラなので、整体師だからとか国家資格があるからとかいう問題ではありません。自動車運転免許持ってても自転車で無謀運転する人とか無免許でもマナーを守れる人やサーキットで早い人とか居ますからね。資格より人!

本来の【整体】へ戻る良いチャンス

腰痛・肩こり・膝痛などなど、症状を緩和する手技ばかりが取り沙汰され、そんな時に行くところと認知されている整体院ですが、本来の整体は読んで字のごとく『ととのったからだ』へ近づけるのが目的。だから整体師・セラピストに必要なのは症状別の対処法などではなく、ベーシックな身体を知る機能解剖なのです。

機能解剖をしかり深堀りして「人間とは・・・」を把握しておくことが何より大切。
整体師は整体師らしく、胸張って整体やっていきましょう。

気まぐれ更新を見逃さないようフォローする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です