永年格闘技を嗜んできた塾生が自分にしか出来ない整体院のスタイルを模索している様子で嬉しくなります。本当に好きなこと、やりたい事ならきっと楽しみながら継続して出来るはず。皆それぞれの特技や嗜好を活かしたスタイルを確立していって欲しいと思います。
現状の手力整体塾では痛みを取ることが講義の中心にあるので、格闘家の『もっと○○したい』とか各種スポーツ選手の『パフォーマンスを上げたい』などのリクエストにどう応えたら良いかちょっと悩むかもしれませんけれど、実はどちらも本質的には同じなのです。
身体は100人100様。なので100人100様のケアが必要なのですが、本質的な部分まで100人分の違いがあるわけじゃありません。
遺伝子はそれぞれ違えど基本構造は同じ。
頭ひとつに胴体ひとつ、腕が2本、脚が2本。構造が同じなら地上にある時の理想的な形(姿勢)は自ずと決まります。故に4、5歳くらいまでは皆ほとんど同じ姿勢で立つ。だけれど以降の習慣や学習などの入力によって100人100様の身体になっていくわけです。
先ずはとにかく物理的に
地球上において万物共通普遍の真理が物理です。最新の治療法より難しい理論よりなにより、身体を診るならまず物理で診る必要があります。どんなに凄そうな理論でも物理を無視していたらちゃんちゃら可笑しいのです。
重心の位置や足裏への体重の掛かり方も、物理的な理想は明確なのですが、後天的に良くも悪くも個性が養われて今の身体に成っています。何処かでシステムを変えない限り、自然体だったあの頃からどんどん掛け離れていくのです。
今の身体を見極め、その状態を強調することでパフォーマンスを上げるナントカ理論というのがあります。確かに瞬間的にパフォーマンスは上がるでしょう。んが、自然体から遠ざかるスピードは加速していくように思います。
簡単なことを難しく説明して複雑なことを単純化する・・・・。ダイエットやらエステやら携帯の料金やらと同じ。なんだか凄そうなことを単純化して蓋を開けたらややこしいのは、美味しい商売にありがちな手段です。
整体ほかボディーワークは、簡単なことが複雑に関連しあっているってのが本質。小学生でもわかる簡単な物理が体中いたるところで関連しているしている事を肝に据えましょう。
主訴の改善とパフォーマンスの向上の共通点
痛みの要因を肉体的観点に絞れば、偏った重心で発生した負のテコを偏った筋肉で扱うことだったり、動かせない筋肉の負担を動かせる筋肉が背負っていることだったりします。
素早く重心を動かす事が『早く動く』ということ。重心を活かしてテコを有効活用したり、体中の筋肉を総動員出来たりすることが『パワフル』ということ。つまりパフォーマンスが上がらない要因も、重心コントールが出来ずテコを活かせなかったり、筋肉の連動が上手くなかったりなわけです。
向かうところは一緒。とにかく一旦自然体・整体を目指します。物理的に優れた状態で体中を使えるように成ってからシステムを修復していくのが理想です。その過程で痛みは自然に取れていきますし、体中が自在になれば当然パフォーマンスもあがります。
時間は掛かります。個性的な身体になるのに相当な時間がかかっていますから当たり前です。
(主訴改善にしろパフォーマンス向上にしろ肉体的な要因だけとは限らないのでそこのところよろしく!)
身体のレストア
そんなわけで4日集中なか2日は身体を物理的に診てシステムを再生していくレストアストレッチでした。『○○は××する』『■■は□□する』などといった単純化はしなくとも、100人100様の現状を知るための検査ができれば良いのです。
小さな整体の学校手力整体塾で手にれて欲しいのは答えじゃなくシステム。
簡単な物理や自然の摂理、当たり前の生理、痛みとは何か、健康とは何か、悩んだら悩んだだけ基礎的なところまで掘り下げる。何度も何度も繰り返すことが大切です。簡単だけれど複雑なのが真理ですからね。