丹田とチャクラを物理で繋ぐと身体はもっと面白くなる

丹田とチャクラを物理で繋ぐと身体はもっと面白くなる

手力整体塾@からだ応援団のパンチ伊藤です。
カラダの重要な点として古来より語り継がれている丹田とチャクラ。立ち方・座り方などの姿勢はもちろん、身体を語る上で外せない丹田とチャクラを、解剖学と物理という事実で繋いで正体に迫るお話です。

理想立ち方・座り方

背筋を伸ばすとか胸を張るとか、頭を背骨に載せるとか坐骨で座るとか・・・・
『正しい立ち方・座り方ってどんなだろう』と折角疑問を持って調べてみても、統一性のない色んな情報が散らばっていて、結局何だかわからないままモヤモヤしている人が多いことと思います。

ちょっと身体に詳しい人も全然詳しくない人も、好き勝手に書き散らしているので正にカオスなのが立ち方・座り方など姿勢の問題。なんでこんなにも混沌としてしまうのかといえば、やっぱり『そもそも』が抜けているからだと思います。

立つ・座るは【静止】である

立つ・座るというのはつまり静止するということです。
重力が有る地上の万物は、重心と支点が垂線上に重なってはじめて静止できます。これはもう万物共通普遍の真理です。

支点と重心が重なってはじめて静止できる

重力垂線から重心がズレたら、止まっていられないのは小学生でもわかるはず。この動きを生む力を曲げモーメントと言います。

支点と重心の関係

重心が重力に押されて、支点と重なるまで動き続けます。この時の力は
W(重心の重さ)×L(支点からの距離)=M(モーメント)
とういう式で計算されます。重心が支点からズレた分(L)、掛け算でモーメントが大きくなって、大きな力で“動かされる”わけです。

意思を持たないモノなら動かされた果にいつしか止まりますが、『支点と重心が重ならない限り止まれない』というのが静止するってことの当たり前過ぎる本質です。

形も動きも複雑な人間の場合、部分々に重心がありますが、特に重要なところは丹田やチャクラと称され伝承されているところに当たります。

どちらも正体は明確に示されていませんが、昔の人が大切なところを感覚で捉えて伝えてくれいるのです。

丹田詳細

丹田
丹田

こちら丹田。正確な位置情報にも諸説ありますが、概ね上から・・・

  • 上丹田=眉間とか眉間のちょっと上とか色々いわれています。
  • 中丹田=檀中穴。と言い切れればいいけど、檀中はどこかというと両乳首の真ん中・・・って年取ったら下がるのかっ!
  • 下丹田=へそ下三寸とか、こぶし一つ下とか、指三本とかやっぱり色々言われてます。

それぞれ頭部・胸部・腰部、の重心を指し示している事は容易に合点がいきます。つまり力を入れたり鍛えたりしなくても丹田はそこに有る。感じられるか、扱えるかが課題です。

チャクラ詳細

チャクラ

こちらチャクラ。丹田同様、正確な位置は教えている先生や団体などによって様々。一応の目安は以下の通り。チャクラ下から・・・

  • 第一チャクラ=会陰
  • 第二チャクラ=へそ下
  • 第三チャクラ=みぞおちとオヘソの中間
  • 第四チャクラ=両乳首の間
  • 第五チャクラ=喉仏の下
  • 第六チャクラ=眉間の少し上
  • 第七チャクラ=頭頂

丹田にしろチャクラにしろ言い伝えらしくどちらも良い加減で素敵です(笑)。丹田は体の中にあるので元々“重心”という観点もあると思いますが、チャクラは表面にあって開いたり閉じたりと表現され、別々のモノとして伝えられています。

どちらにせよ、エネルギーだナンダカンダと尾ひれはひれ付けているのは、それで稼ごうとする現代人であって、昔の人はただ『大事なところ』として認識していたものと思います。

丹田とチャクラを並べて横から見たら気づくこと

簡単なものを複雑にするのは金儲けの常套手段。逆に、難しいことをわかりやすくお伝えすることを使命と感じているワタクシが思うに、上丹田=第六チャクラ、中丹田=第四チャクラ、下丹田=第二チャクラと、良い加減ながらも位置が重なるわけで、これはひとつチャクラも横から見てみたら良いのじゃないかしらと作ってみたのがこちら。

正面からの図でチャクラを見て『氣の通り道』とか言われるとそんな気がしてしまう人も、横から見るとちょっと違って見えるはず。脊椎がイメージできる整体師・セラピストさんなら何かに気付くと思います。

東洋医学的な良い加減さを取り除いて、明確な事実として存在する物理で身体みれば、丹田やチャクラは重心や支点だということが見えてきます。

身体には目に見える明確な重心・支点がないので、架空のイメージが生まれたものだと思われます。

この観点・解釈でまとめると以下のようになります。チャクラの順番とは逆にわかりやすく上から・・・・

  • 第七チャクラ=頭頂=はじっこ
    はじっこというのは支点になる場所でもあるわけですね。ココがズレて顎が上がったら頭の重心は後ろへ下がります。
  • 第六チャクラ=眉間の少し上(上丹田)=頭部の重心
    眉間の少し上は頭蓋のど真ん中です。頭は5~6kgもあるので重心を取ることはとても大切。しかも眉間にシワを寄せると頸のチカラは抜けません。
  • 第五チャクラ=喉仏の下=C7(下部頚椎)
    首の前後の動きは頚椎の下部が大半をになっています。ここが首の支点。頚椎ヘルニアのほとんどはここで起ります。
  • 第四チャクラ=両乳首の間(中丹田)=T7(胸椎7番。背中の丸みの頂点)
    胸椎後彎の頂点。つまりやっぱり支点。確かに加齢とともに頂点が下がってくる場合もあります。が、乳首とイコールとは思えません。
  • 第三チャクラ=みぞおちとオヘソの中間=T10~12(下部胸椎)
    胸腰移行部と呼ばれるあたり。回旋の動きと前後屈の動きの境目(つまり支点)になっていて椎骨の圧迫骨折は大半がこのあたりで起こります。ここから上へ僧帽筋が、下へ大腰筋(腸腰筋)がはじまります。つまり、本当の意味での上半身と下半身の境目はココです。
  • 第二チャクラ=へそ下(下丹田)=L4-5(下部腰椎)
    脊柱と骨盤(仙骨)の境目。重要な支点(動きの境目)。腰椎椎間板ヘルニアの大半はここで起ります。人体最大の重心臍下丹田をコントロールするのがココと股関節。
  • 第一チャクラ=会陰=坐骨・股関節
    座る時の支点=坐骨。立った時は動きの支点=股関節。

解剖学と物理という事実を基に考察するとこんな感じです。いかがでしょうか。

ヨガでも武道も、重心や支点を感じて丁寧に扱いなさいと教えてくれているんだと合点がいきますね。

ただひとつ疑問なのは、何故脚にチャクラや丹田が存在しないのか?ということ。
ヨガは胡座、武道は正座を基本としているからでしょうか?赤ちゃんがまず座るように、坐骨を支点としてまずはちゃんと座りなさいということでしょうか?

座るとはなにか

丹田とチャクラを物理的観点で繋げてみる

バランスをとるのがちょっと難しいけれど、支点と重心をきちんと重ねれば、重力に動かされず静止できます。骨格を重ねるとこうなります。

丹田とチャクラを物理で繋げると見えてくるもの

限りなく脱力しつつも不安定さを補正するために体中の筋肉をアッチコッチと少しずつ動員して、重力に“動かされる”こと無く静止できるのがこの状態。俗に言う良い姿勢、理想的な座り姿勢です。

逆に良く見る悪い姿勢の座り方だとどうなるかというと・・・

悪い姿勢だとモーメントが発生

それぞれの重心(丹田)が重力に押されて曲げモーメントで動きまくります。ツルツル滑るところでこんな風に座ってみれば、矢印の方向に動いていきますから誰でも納得するはずです。

滑らないところでも動かされていることに違いはありません。動こうとしているものを筋肉で頑張って押さえていれば当然痛みが出てきます。

一箇所だけズレるということは基本的にありません。一箇所ズレたら他のところも反射的にカウンターでズレる(だから全身施術が大事!)。上中下の丹田を支点と重ねる為に、チャクラと呼ばれるところをしっかり扱う。すると、モーメントを極力発生させないのが理想的な座位が可能になるわけです。

脚にもチャクラがある

まずはちゃんと座る。それが出来たら立ってみましょう。
丹田もチャクラも何故か脚には存在しませんが、同じ理屈で考えたら丹田(チャクラ?どっちでも良いけど)は、膝、足首、足裏の3つを足した以下の10箇所になります。

チャクラは脚にもある?!

実際はこんな綺麗に重なっているわけではなく、あっちこっちと揺らいで負担を分散しています。どこかが大きく動いたら別の何処かがカウンターで大きく動いてバランスを取る。そうやって揺らぎなら二本足で立っていられるわけです。

臨機応変なコントロールが肝心

チャクラをコントロールし丹田を上手く重ねて、理想的な静止が出来たとしてもそれだけでは不完全。
無機物と違い、私達の身体は臨機応変に形を変えます。
体重が50kgなら頭は5kg、腕1本は3kg、脚1本は10kg程もあります。それらがあちこち動く際に、丹田もいちいち動くのです。

動作と丹田の関係

重心をカウンターとして使わなければ動かされてしまいます。いつも腕を体の前の方で使っている人が猫背になったりするのは正常な変化です。

荷物を持ったりおんぶしたりでも同様のことが起こります。
抱っこすれば自分の重心は後ろに下がる。おんぶすると前に出る。なるべく高い位置でのおんぶが推奨されるのは、自分の重心をあまり動かさないで済む(姿勢を変えずに済む)からです。上の図の出っ張りを頂点に近づけ、丹田・支点と限りなく重ねられるのが、おんぶやバックパックの優れているところです。

逆に、移動したい時は丹田を積極的にずらしてモーメント利用すると、無駄な筋力を使わずに移動できます。

静止している時に丹田がズレてて、動きたい時に丹田がズレない。
そんな風になってる人がとても多いのが現実で、だから整体師の仕事は減らないのであります。

まとめ

昔の人が【身体の重要な点】として捉え言い伝えてくれた丹田やチャクラを、現代の解剖学と物理的観点で紐解いてみたら、丹田は重心、チャクラは重心と支点、身体を扱う際まさに重要な点という結果になりました。

エネルギーだ宇宙だと尾ひれはひれ付けるは勝手ですが、不確かなことよりも確かなことを大切にした方が、迷いも不安も消えるはずです。

数十分の立ちっぱなし、座りっぱなしで、腰や背中が痛くなるのは丹田のズレが大きい証拠。姿勢が崩れたらチャクラは閉じ、丹田を操れないと身体は重いのです。

◯◯が良い!とかいう単純な話ではありません。簡単なことが沢山複雑に影響し合って、正解は時と場合による。色んな『時と場合』に対応できるように、日頃から色なん身体の使い方をして、丹田もチャクラも扱えるようにしておきましょう。

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書いている人

パンチ伊藤
あっとう言う間に整体師歴18年。現役で施術する傍ら小さな整体塾を主宰しています。当たり前な解剖生理と簡単な物理を繋いだわかりやすい身体の話が得意。釣り/山/島/音楽/映画/生きもの全般/が好き。2020年から自然農の畑をはじめました。

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