手力整体塾が整体の学校としてお伝えする事の中で、卒業までにこれだけは絶対マスターして欲しいと心から思っているのは、手技でも筋肉の暗記でもなく『考え方』です。(犬の整体も同様)
極端な話し手技は数さえこなせば誰も上手くなります。筋肉など解剖の知識を覚えるだけならテキストとやる気だけでOK、教わる必要はありません。遠回りしないように学習法はあれこれ提案していますがね。
100人100様の症状に適応する施術を網羅する事は当然不可能です。しかもどれだけそっくりに伊藤の施術を真似てもきっと同じにはなりません。
だから答え(適正解)に近づくための『考え方』を身に付けて欲しい。これが伝えたいたったひとつの事です。
考える事は案外少ない
考えるためには気付く必要があります。
姿勢でも動きでも言葉でも匂いでも雰囲気でも、とにかく『何かおかしい』という気付く事から全てがはじまる。最初から『何』がわかるはずありませんから“違和感”で充分ですが、“違和感”を自分の尺で計ってはいけませんから、いつも元気な人・心身ともに健康な人・人生楽しんでいる人を日頃から観察しておかなくてはいけません。
そういう人達と比べて違和感に気付き、身体の何処で何が起きているのかを見極める。質問や注文も必要になるでしょう。いわゆる問診や検査がそれにあたります。
ここまでは単なる作業であってまだ思考は要りません。この手順を踏まずにいきなり考え出すといつまで経ってもスッキリせず、ドンドンややこしくなるだけです。思い当たる人、いるんじゃないでしょうか。
考え方のマスターには先ずとにかく気付く事。気付く練習として行なう姿勢分析の極端なものがポージングです。
バレーボールで県の選抜にもなった塾生が、スパイクの姿勢をとってくれました。
まずはこの姿勢で何処の関節がどうなっているか正確な言葉に置き換えます。『考え方』が染み付いたなら自分で何とかしなければならないのはココだけ。あとはテキストを見ても良いわけですからね。
もしこの動作で肩周りに痛みが生じたとしたら、マクロに肩周り(鎖骨・肩甲骨含む)だけ考えても2つの原因が考えられます(2箇所という意味ではないです)。そこから連動を踏まえると、芋づる式にいくらでも確認すべき事が出てきます。
予想しない施術は面白くありませんし、予想が全部当たったらこれまた面白くありません。予想と確認を繰り返す。それが手力整体の施術です。
『嵐の後でワカサギが浮いたのでは』と予想して芦ノ湖へ車を飛ばしましたが、さっぱりなーんにもいませんでした。自然は“たまに当たる”から面白いのです。