小さな整体スクール手力整体塾を主宰しているパンチ伊藤です。
優しい出禁が続いてジワジワとストレスが積もってきているアナタに向けて、今回は呼吸のお話です。
【春は呼吸が浅くなる】意識と無意識を繋ぐ呼吸の利用法
春は好きですか?ワタクシは4月生まれということもあってかこの季節が大好きです。釣りもシーズンインだし山も新緑美しくワクワクムクムクしてくるのがこの季節。
ワタクシのように自営業をしていると3月の確定申告くらいしか節目がありませんが、学校や会社に行ってる人は、不可抗力で色々変わったりする季節でもありますね。進学、進級、転勤、引っ越し・・・・新しい環境に慣れるまで色々大変だとお思います。
そんな事もあってか春は呼吸が浅くなる人がとても増えます。
環境の変化があったならまぁ想像付きますが、別にコレと言って変化の無い人も4、5月は呼吸が浅くなるから正直意味がわかりません。
もう18年も自由業やってるワタクシですら、息が吐きにくくなるのは決まってこの時期。何がどう影響しているのか未だにさっぱりわかりませんけれど、そんな季節に【567】の野郎が暴れているので、2020春はいまだかつて無い息苦しさを感じている人が多いんじゃないでしょうか。
例年ならピークは5月。今年はどうなるどうなるかわかりませんけれど、どちらにしても今暫くの辛抱です。
性別による呼吸の違い
地球のサイクルなのか環境の所為なのかわかりませんけれど、とかくこの時期呼吸が浅くなる症状は男女別け隔てなく生じますが、性別により日常的な呼吸の仕方がちょっと違うので、身体に現れる不都合も解消の仕方も少し違います。
男女の大きな違い
生物学的発生の過程において男女を分けるのはホルモンの作用だけですが、結果的には多様な違いが見られます。
呼吸に影響する1番の違いは子宮のあるなし。
私の拙い経験から感じていることですが、子宮がある女性陣は腹式呼吸があまり得意じゃなくて丹田がちょっと上ずっています。
これは私の妄想ですけど、赤ちゃんにプレッシャーを掛けるわけにいかないからそうなっているんだと思われます。
そんなわけで女性の呼吸は割と胸式。
対して男性陣は日常的に腹式呼吸をしている人が多く、丹田も『臍下三寸』と称される場所にある人が多いです。(扱えるかどうかは別)
性別による違い、ひいてはホルモンによる違いは、見た目の違いだけじゃなく動作の端々にも現れます。動作のひとつである呼吸にも垣間見れるわけです。
随意・不随意どちらでも可能な【不思議な動作】呼吸
食べなくても飲まなくてもましてや運動しなくてもそう簡単に死にはしませんが、呼吸しなかったら割と直ぐに死んでしまいます。
人体最多の酸素消費量を誇る脳においては、ほんの3~5分供給がストップしただけで脳死状態になります。
生命維持に欠かせない呼吸は、意識ではもちろん無意識でも出来るようになっています。運動神経と自律神経、どちらでも動かせる骨格筋でおこなっている【不思議な動作】が呼吸なのです。
不思議な運動は他にもありますね、寝返りとか目の下がピクピクするような痙攣とかウトウトしたときにビクっとなるジャーキングも不随意な随意筋の運動です。
ボールが飛んできたら避けるとか躓いたら手が出るとか、危険を回避するために生まれつき備わっている【無条件反射】で生じる動作が色々ありますが、無意識な呼吸も痙攣もジャーキングも、危険回避・生命維持のための無条件反射なんでしょうね、きっと。
呼吸筋
生命維持のために意識でも無意識でもできるちょっと不思議な「呼吸」という動作は、呼吸筋に分類される骨格筋の作用で行われます。
全力ダッシュして肩で息するような時は体幹にあるほとんど全ての筋肉が呼吸に導入されますが、安静時・無意識下の呼吸で使われる筋肉はとても少なく、斜角筋と横隔膜くらいしかありません。(呼吸筋一覧はこちら)
この2つはどちらも吸気の筋肉です。
筋繊維を持たない肺はひとりで勝手に膨らむことは出来ませんけれど萎む事はできてしまうので、呼気の筋肉を使わなくてもある程度息が吐けます。
しかし肺はあくまで萎むだけ。潰れはしないので、予備呼気量が1リットルほども残ります。
使われない呼気の筋肉はいつしか使えなくなり、いつも偏って使っている斜角筋や横隔膜は段々力を増し張力を増してきます。そうやって、いざ呼気を吐こうとしても吐けなくなって、結果吸えないという状態になります。
男性では横隔膜、女性では斜角筋が縮こまりやすいので、部分的に見たらケアの方法は変わりますが、
- たまには思い切り肩でするような全力の呼吸をする
- たまには呼気の筋肉を力いっぱい収縮させて全部吐く
本質的には、どちらの場合もこの2つの呼吸でリストアできます。無意識な呼吸で表面化するストレスは意識的な呼吸で減らせる。呼吸を上手に活用していきましょう。
意識と無意識のバランス
つまり重要なのは「意識と無意識のバランス」ということです。
脳が無い生きものはいっぱいいるけど身体がない生き物はいないことからも分かるように、無意識でも生きてはゆけます。
んが、無意識ばかりに頼っていると色々と退化してくる。人間が人間でなくなってきたらそりゃ具合悪くなるはずです。
色々と外側に気を配ることが多くて、自分の呼吸に意識が向かわなくなるのが【春】なのかもしれません。
こんなご時世です、たまには自分の呼吸に意識を向けましょう。
意識・無意識、随意・不随意、どちらでも出来る唯一無二の動作を丁寧にして、心と身体を繋いでおくことが大切です。
時間に押し流されてきた人にとって、今は丁寧に生きるチャンス。・・・かもしれませんよ。
斜角筋、横隔膜。それぞれのお手軽なケアを動画にしてあります。参考にしてください。