肉体的にも精神的にも緊張が続くと筋肉は緊張し酸欠を生じます。熱を生むために酸素を必要としている筋肉で酸欠が生じると、不完全燃焼で発生する一酸化炭素にも似た疲労物質・発痛物質が出てきます。痛みは筋肉の酸欠を知らせる警告なのです。
継続的な筋肉の緊張状態はつまりコリです。力を入れて筋肉が固くなる理屈と全く同じ状態がコリ。しっかり脱力できれば勝手にほぐれて酸素も行き渡るはずなのであります。

コリは筋肉に力が入っている状態

整体やマッサージでコリが取れるのは何故か

手しか使わない我々の施術は誰が何と言おうが反射を起こすための入力です。どんなに凄い先生がどんなに凄そうなテクニックを語っていても蓋を開ければ反射への入力。切ったり貼ったりという外科的な処置無く対象の身体を直接変えられるモノ(施術)なんてありません。もし変えているとしたら壊している事に他なりません。

生まれながらに備わっている危険回避の為の無条件反射なら、程度の差こそあれほとんど全ての人の身体が同じ様に反応する。だから施術として成り立つ。●●療法とか△△テクニックとか、施術のバリエーションに目が行きがちな業界ですが施術そのものに大した違いは無く意味さえもあまり無いのです。
(特に整体など民間療法においてはココ大事。施術自体に大きな意味があったら医療になってしまいますからね。)

上手い入力で狙いの反射が起こせてコリや痛みが解消したら、動きや感覚が変わったりする。治るかどうかは其処からの話なので我々の範疇にはありません。動きや感覚が変わった結果どちらへ舵を切るかは本人次第なのです。

施術は反射への入力なのでそのものに大した意味はありませんが、ぶり返さないための方向転換をいかにアドバイスできるかが腕の見せ所なのであります。

緊張はさらなる緊張で解く

カルシウムとマグネシウム、ナトリウムとカリウム、活動と休息、交感神経と副交感神経・・・・・などと同じように、緊張と弛緩も常にセットで存在してアッチ⇔コッチと揺れ動きながらバランスしているのが自然な状態なのですが、中途半端な緊張が持続しているところで弛緩させようとしても、薄明かりの中で一生懸命影を見ようとするようなもので中々上手くいきません。そもそも『緊張している・力が入っている』という認識が本人に無いくらいなので力の抜き用がありません。

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作用反作用の法則というものがありますから、揺れるためには、ある程度『アッチ側』への力が必要です。この力が中途半端で揺れが起こせず偏っているのです。何事も中途半端というのはよろしくありません。

ハッキリした影が見たければ光を強く当てれば良いのです。すなわち、中途半端な緊張を解きたければもう少し強い力で『アッチ側』へ揺らしてやれば反射を生じて『コッチ側』揺れてきます。

緊張を解くならもう少し強い緊張。力を抜きたければもう少し強い力を瞬間的に入れる。これがバランスをとるコツです。

手力整体はもちろん、良くあるマッサージも小難しい理論のナントカ療法もそんな簡単な生理を応用しているというのが真理。理屈がわかれば施術に頼らずとも対処できます。

「何だか身体のアチコチが強張っているな」と肉体的な緊張を感じたら、スクワットやダッシュや懸垂が○。「心底リラックスできてないな」と心的緊張を感じたら小さくてもはじめての事などに手を出して心的緊張を味わうと良いです。

中途半端な緊張はルーチンに対するスタンバイ

中途半端な緊張は、『いつも』の繰り返しを学習したカラダがスタンバイ状態を維持してくれているとも言えます。いつも力を入れる筋肉なら力を入れっぱなしにていた方が都合良いのです。カラダはいつも順応してくれる。決して裏切らないのであります。

レギュラーとイレギュラー、日常と非日常。ここもやっぱりアッチ・コッチと揺れながらバランスを取りたいわけですが、日常が中途半端だと振れ幅が小さくなるので非日常が活きてきません。無い物ねだりして半端な非日常を導入するよりも、『今』力いっぱい日常を活きる方が先決です。

『遊びがすべてを救う』と遊びの重要性を説いて居るワタクシですが、しっかり働いてないとロクに遊べない事も体験し実感しています。
15年ほど前(うわっ、もうそんな前か!)前職を辞めた時、少々のお金とたっぷりの時間があって何をしても良いはずが何も出来ずに具合悪かったですからね。

ハッキリとスイッチを入れてハッキリと切る。そのために『今』力いっぱい活きる。
切磋琢磨して達人クラスになると遊びを先行させることも出来ます。アッチとコッチしか無いんだからどっちが先でも良いのです。しっかり働いてないとロクに遊べないのも真理なら、思い切り遊ぶとしっかり働けるというのも真理。実際今年の手力体験希望は稀に見る大入りです。ありがとうございます。

継続的な緊張を解く。オススメは個人手配の海外旅行

航空券はともかく個人でホテル予約するのは英語ができないと大変でしたが、今は日本語化された Booking.com で誰でも現地のホテルを予約できます。Grab などの配車アプリを使えばボッタクられる心配もなく安全にタクシーにも乗れます。Googleマップがあれば迷わずに行きたいところへ行けるし翻訳アプリもある。現地のsimカードを挿したスマホさえあれば、余程の途上国でない限りどうにかなります。

どうにかなるとはいえ英語ができないワタクシなぞは一生懸命です。一生懸命遊べば反作用の振り幅も勝手に大きくなる。はじめての国ではじめての体験は緊張からの弛緩に繋がり筋肉の酸欠も解消していきます。(あ、はじめてのニューヨークで緊張が強過ぎて寝違えたのは内緒です)

肉体的にも精神的にも半端な緊張が続いていつも決まったところが痛いとか常になんとなく具合が悪いなら、ツアーじゃない海外旅行に挑戦してみてはいかがでしょうか。半端に国内で遊ぶより案外安いですしね。

Koh lan

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書いている人

パンチ伊藤
あっとう言う間に整体師歴19年。現役で施術する傍ら小さな整体塾を主宰しています。当たり前な解剖生理と簡単な物理を繋いだわかりやすい身体の話が得意。釣り/山/島/音楽/映画/生きもの/が好き。2020年から自然農の畑やってます。

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