機能解剖関連や各種療法の手引など、整体師・セラピストにまつわる情報の数々も、今や書籍やネット上で誰でもいくらでも手に入ります。
情報が有り余って正直食傷気味なほどですが、いくらでも手に入るのを良い事に、止めどなく入手してしまうコレクターの様な方を度々見掛けます。目的が“コレクション”でない限り時間とお金の無駄です。

教わる姿勢ではなく自ら学ぶ姿勢なら、こんなことは起こらないはず。

そんなワタクシもご多分に漏れず、整体師になって最初の1年ほどはセミナーや書籍にお金と時間を掛けてきました。はい、1年ほどで共通点に気付いてしまって、それ以降新たなセミナー等は参加していませんし、直接整体に関係する書籍もほとんど買いません。不真面目ですみません。

総員玉砕せよ

一番最近読んだのはこんな本。あ、20年ぶりくらいの漫画でしたコレ。

知らないのは言葉だった

自分に無い(と思っていた)テクニックや理論など、穴が空くほど観察して『何故か』を紐解いていったら、自分にあるもので核心が見えてきた。
つまり知らなかったのは何だか凄そうな言葉だったわけです。

関節にしろ血流にしろ呼吸にしろ脊髄液にしろ、“動き”の全ては筋肉由来であるという当たり前のことを根底に据えたら、アレもコレも繋がってきてしまったのでした。

そもそも、整体師をはじめとする療法家がおこなうのは、健康への知恵、元の氣へ戻る手段の提供。痛みや症状を取る手段より、健康じゃないところを見つける手段の方が本質に近づける。そのために必要なのはテクニックではなく、極基本的な解剖生理。健康な心身はどんな状態か知っておくことだと思います。

この先ワタクシがもしセミナーに出るとしたら、水とか塩とか、自然の循環に関するものかもしれませんな。

手に入れた情報の読み解き方・使い方

手力整体塾のテキスト

手作りのテキスト2冊とDVD。身体運動の機能解剖。手力のテキストはこれだけ。

手力整体塾で共通言語として採用している身体運動の機能解剖
(1冊では偏りが生じるので、筋肉系解剖テキストはあと2冊購入をおすすめしています)

この手のテキストが綺麗なままなら、勉強していない証拠。使い方がわからないのか、必殺技を夢見ているのか、どちらにしても教わる姿勢が抜けていない証です。
入塾早々に出される宿題は、初対面同士のあなたとテキストを和ませるためにあります(笑)。(愛着を持つために可愛いカバーを掛けた塾生も居ましたね)

ボディーワーカーに欠かせないこれらのテキストは、筋肉ごとに詳細な情報が掲載されているものが大半。実はこのスタイルだととっても利用しにくいので、自分専用にまとめなおす作業を推奨しています。『勉強の大半は分類と比較』ってどこかの誰かも言ってましたからね。分類すると比較が用意になってするってーと何かに気付く。気付きがあれば勉強だって楽しくなるもんです。

暗記で対応できるような卒業筆記試験の無い手力整体塾では、筋肉の起始停止を言葉で覚える必要はありません。が、触れなきゃいけませんからビジュアルを頭に入れましょう。下手でも良いからイラストを書くのが良いです。

中殿筋

手力整体塾の筋肉図鑑より

新たに筋肉系解剖テキストを買うなら、違う角度からの筋肉図が載っているのが良いですね。

知識や情報のコレクションが目的でないのなら、今持っているモノをトコトン使いこなしましょう。ボロボロになるまで機能解剖テキストと仲良くなって欲しいと思います。
あ、コレクション目的の人に手力整体塾は向いていません。テキスト少ないですから。

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