国や会社が当てにならないので【生業】と呼べるものでフリーランスを目指す人が増えています。
とても良い事だと思いますが、フリーランスにはフリーランスなりに避けては通れない茨の道がある。そこをどのようにくぐり抜けていくのかというお話です。
整体師のためのマーケティング講座=整体やりながら愉快に生きる方法
そんなわけで今月の4日集中講座のうち2日間はマーケティング講座でした。
キャッチフレーズの付け方だとかリピートの集め方だかと口コミ誘発だとかはテキストにしてお渡ししているので省略。そもそもそういった事やWEBとかSNSの活用法だけを取り上げて『マーケティング』と称しているセミナーや講座がありますけど、これらは広告とか販売とかであってマーケティングの一部でしかありません。
コンサルとかマーケッターと名乗っているのに勘違いしている方はかなり居る。整体師と並んで怪しい職業ですからね、コンサル(笑)。
Google先生が言うように、マーケティングとは『商品が大量かつ効率的に売れるように、市場調査・製造・輸送・保管・販売・宣伝などの全過程にわたって行う企業活動の総称。市場活動。販売戦略』。商品やサービスの開発段階から既に始まります。
『一流のセールスマンは南極で氷を売る』という説もありますけど、セールスのプロじゃない人が起業セミナーなんか受けたところで起業出来るわけない。同様に、整体の手技だけ抜群に上手くなってスクールを出て開業しても上手くいくわけがありません。
整体しながら愉快に生きる為には全過程一貫性のあるマーケティングが必要で、そのためには、手技を習う段階、学校を選ぶ段階からのマーケティングが必要です。
誰がやるのか(WHO)施術はサービスの一部でしかない
どんなに凄い施術を身に付けたとしてもクライエントが居なければ宝の持ち腐れです。
一昔前から整体を生業にしている諸先輩方は『ブロガーじゃなくて整体師でしょ?』『もっと稽古に励みなさい』と諭してくださいますが、今や整体院(リラクゼーション含む)はコンビニよりも多いので、単純な「腰痛・肩こりお任せください!○○整体院」じゃ箸にも棒にもかからず到底やっていけない。
クライエントが次々と来てくれれば嫌でも施術は上手くなります。リハーサルやスパーリングは必要だけれど、本番や試合以上に有意義なことは無いのであります。
シャモジやオタマほどじゃなくて良いから箸か棒には引っかかるように、個人事業・フリーランスでアピールしたい個性はズバリ『人』です。
携帯電話で例えれば、似たり寄ったりの通信業者が施術、端末が人。通信業者から選ぶ人はまぁそんなに居ないでしょう。
だからまず『どんな人か』を明確にして軸として据える事。自分はナニモノか。自分の軸はナニカ。
『自分』は旅先に転がっているものじゃありませんし自己啓発セミナーで見つかるものでもありません。今の自分を形作っている過去を知ること。既に持っているものを明確にすること。コレが何よりも重要なフリーランスのマーケティング第1章です。生き残るために持っているものを明確にするのだ!
何故やるのか(WHY)
WHOの次に明確にしなきゃならないのがそのサービスをおこなう理由(WHY)です。WHOから自然に繋がるWHYがハッキリしてしまえばおのずと市場が決まり、販売、広告といった戦略も勝手に決まってきます。
ここを疎かにすると全てがちぐはぐになります。
中卒から銀座の寿司屋で修行して、30代前半で“藤沢のチベット”と称される実家のそばに店を構えた先輩がいました。流石に銀座で修行しただけあって旨い寿司を握ってくれましたが、数年後、先輩は店の二階で腹を切って死にました。
当時のワタクシにはワケがわかりませんでしたが、気づいたら体の良い居酒屋のようになってしまったことが耐えられなかったのかもしれないなぁと、あとになって思うようになりました。
ワタクシ自身も、勝手に創り上げた整体師像と元来の自分とのギャップに苦しんだ時期があります。『自分らしく』が大切なことに気づかせてもらってたお蔭で腹は切らずに済み良い塩梅に人生愉しませていただいておりますが、あの時点で振り返りを怠っていたらと思うとゾッとします。
何故わざわざ独立という道を選ぶのか。何故整体なのか。お客さんや流行に引っ張れ自分から寄っていかないようにしっかりと軸を固めておく。軸がブレて自分から寄ってっちゃうと、たとえ稼げていたとしても嫌になっちゃうのですよ。
3年以上続いてたのに閉店した整体院は『嫌になっちゃった』パターンが多いと思います。強烈なカリスマを持つ人のコンテンツでフランチャイズのようにはじめてしまった場合は特に陥りやすいかもしれませんね。
そもそもみんな個性的です
先日のMM(マーケティング&マインド講座)でも改めて思いましたが、我が手力整体塾にやってくる方々は非常に個性豊かで見事なまでにみんなバラッバラです。だから後付で奇をてらった個性を打ち出す必要がありません。
なんだけれど、WHOとWHYを自分自身が蔑ろにしていると、卒業せずに途中で来なくなる(来れなくなる?)人がいる。なんとももったいないことであります。(今月は長期休学からの復帰が2名ありました!)
せっかく個性豊かな人達が来てくれるのだからフランチャイズのような明確なコンテンツの提供だけで終わりたくないのが我が手力整体塾です。クローンみたいな整体師は育成しない。それがかえって塾生の負担になっていることは間違いありません。すみません。んが、ソレもコレも『整体で開業して人生愉しむ』ための手段なのであります。今産みの苦しみを味わうか後で味わうか。どっちにしても同じですしね。(味合わずに逃げるという手もありますが、地味にずっと苦しむことになりますw)
自分が思う整体とはなにか。自分が思う健康とはなにか。
それぞれの思いを発信して、同じ方向を向いている人・向きたい人を集めて愉しく働く。そのために必要なこと全てがフリーランスのマーケティングです。
広告宣伝でのアドバイスをひとつ。
整体や身体のことを学んだ人が未来の顧客たる読者(素人)に対して「〇〇しませんか?」みたいな問いかけをするのはおかしいです。「どうしたら良いですか?」って人がブログを読んでるわけだから「●●すると良いよ!」って言い切ってあげましょうね。