『口で言えないフレーズを叩けるわけないじゃん』
いつだったか希代の名ドラマー村上“ポンタ”秀一さんが仰った言葉だと記憶しています。
口で言えなきゃ出来ないのは楽器演奏だけでなく、ほとんどすべての事に共通していると思います。映画『ガチ★ボーイ』のように肉体に記憶を刻む事も大切ですが、口で言えてからの方が身体への染み込みも早いのは間違いありません。(ちなみにガチ★ボーイ。不意をつかれて号泣しました。歳取ったな。)
そんなわけで我が手力整体塾は喋る時間がとっても長いです。基本手技の練習に特化したはずの時間も気付けは結構喋っています。これはちょっと反省。だけれど、身体のこと、痛みのこと、基本手技のこと、症状別プランのこと、独立に向けたこれからの事・・・e.t.c.とにかく皆で話し合います。総授業時間の1/3くらい喋ってるかもしれません。
はじめのうちはこの時間を“無駄”と思う人もいるようですが、卒業が近づくにつれ概ね有意義と思ってくれるようです。
口で言えなきゃ出来ない。逆に言っちゃえば結構出来る。
ハッタリも勘違いも、口に出してしまった事で帳尻を合わせにいく。結果いつしか本当に言った通りになる。そんな使い方も出来るのが『口で言う』だと思います。
怒られるかな?ワンピース公式サイト(正直全然知りませんがノリでw)
今年入ったばかりの新人さんが上手な文章でレポートしてくれましたが(褒めちぎってくださいましたw)、土曜はマンツーマンだったという事もありいつも以上に沢山喋りました。
伊藤がどんな本を読みどんなセミナーに行ってどうやって勉強したのか興味があったようですが、残念ながらマーケティングや自己啓発はもとよりビジネスなどの実用書はほとんど読んだ事がありませんし(大前研一氏の『企業参謀』も本そのものより本が出来上がるまでの過程が好き)、施術や身体の事に関するセミナーや本もこの5,6年はまったく手を出していません。直接的に必要と思われるものを入れ込むのは開業1年目くらいまででやめてしまいました。
最近はまた故開高健氏のルポを読んだり、ハードボイルドの巨匠北方謙三氏小説を読んだりしています。開高さんのいう『ナースログ』は有機物の繋がりを教えてくれるし、Mr.ハードボイルド北方氏の小説に出てくる乱闘シーンでの台詞『何も考えなかった。考えるのに意味があるのは自分が何者であるかだけだ』なんかは、マーケティングを含めた自己啓発の確信を突いているわけです。ほかにも、奇跡のリンゴ には整体師がやるべきことが書かれているし、里山資本主義 はオンリーワンの整体院造りに活かせます。
勉強大嫌いで高卒のワタクシですが要領だけはちょっと良いので、『世の中色んなモノの本質はひとつ』って事に少しだけ早く気がつけたのかもしれません。
大体つまらないことを頑張ろうとするから続かないわけです。楽しい事なら誰だって続く。
Tさんは褒めちぎってくれましたが伊藤は楽しい事・遊びしか出来ないのです。つまらないビジネス書は読みたくないし、知識を入れるだけのセミナーに出るくらいなら気持ち良い人達と食事してる方が良い。机に向かって考え込むなら水辺でルアーを投げてる方が良い。役に立つかどうかは見方ひとつ。独立したならやりたい事をやらなくちゃね。
とにもかくにも、手力整体塾は『実技と学科』というより『実技とお喋り』という授業のスタイルをきわめていきたいと思います。