人の身体は100人100様。腰痛・肩こり・膝痛などの症状も人の数だけあって、本当のコリが隠れている場所も微妙に違います。が、構造自体はほとんど同じなので、重力がある地球上で生活する場合の理想的な姿勢や動きというのはおのずと決まっています。意思のないヤジロベーがいつも同じ所に戻るように・・・。
手力整体はまず物理的に診ます
民間療法とか東洋医学にカテゴライズされる整体ですが、出来る限り“摩訶不思議感”を排除しているのが手力整体です。
トリガーポイント療法の“関連痛”という表現さえ曖昧な感じがするワタクシが考えた結果、痛いところはやっぱり偏った負担を背負わされているところで、そこが頑張らざるを得ない理由が、隠れたコリ、トリガーポイントにあると行き着いた次第。使えない筋の所為で使える筋が痛む。それだけのことです。
どこに負担が掛かり何処が怠けているかは、物理で見れば一目瞭然。身体は宇宙みたいなもので未だ分からないことだらけですけれど、物理は普遍の真理なのです。
人間とまったく同じように犬への施術が出来るのも物理的に診ているから。
かといって、いきなり形を整えるようなことはしません。形は筋肉で変わり、筋肉は動きで変わる。動きが変われば結果として物理的に理想の身体へ変わるという寸法です。
理想の姿勢や動きを目に焼き付けること
整体の勉強をはじめると「色んな身体に触りたい」という思いが湧いてきます。もちろんそれも良い事ですが、目指すべき方向がわからなければ迷走するのは火を見るより明らかです。
健康な人を見ずに病人ばかり見てきた結果『死なせないけど治せない』医療が発展してしまったわけで、そもそも治療行為が出来ない私達は尚の事、痛みや疾患・疾病の研究をする必要は無く、痛みのない人、快適に動いている人、いつも元気で健康な人の研究をするべきなのです。
お手本は、小学校低学年くらいまでの子供と一流スポーツ選手。
余計な筋肉が付いていない子供は、姿勢や動作の良いお手本になりますし、オリンピックに出られるほどの一流スポーツ選手もまた、動きの研究をする良い素材になります。
特に、陸上や体操、水泳といった、同じ動作で競う競技を良く見て、メダリストそうでない人達の違いに気付くことが出来たなら、整体師として大きなステップアップだと思います。
テレビがなくとも近頃はWEBでのライブ配信やダイジェストが見られますからね。ありがたや。日本代表の応援を兼ねて、しっかり観察しましょう。
ちなみにワタクシ、体操の某メダリストへ施術したことがありまして、理想的な良い筋肉を存分に触らせていただきました。一見固そうに見えるでしょ?体操選手の筋肉。あんなに隆々でも良い筋肉はめちゃくちゃに柔らかいのです!
そんな機会は中々無いかもしれませんが、子供とか痛いとこがまるでない人なら触るチャンスは有ると思います。是非、良い筋肉の感触を確かめておいて下さい。
大事なのでもう一度。病人ばかり見てきた結果『死なせないけど治せない』発展をしてしまった医療を反面教師にして、そもそも治療行為が出来ない我々は、痛みのない人、快適に動いている人、いつも元気で健康な人の研究をしましょう。腰痛とはなんぞや?よりも腰痛がない人はどんなか?が大事です。
故障が少なく現役を長く続けているスポーツ選手、イチローやキングカズも観察すると面白い事に気づきます。触ってみたいな~。(イチロー選手メジャー通算3000本安打おめでとーー!!)