『視診と動診が繋がらない』と悩んでいる塾生がいたので整理しておきます。
視診は短縮筋探し
視診は見たまま、短縮している筋をピックアップしていきます。
例えば、自然に立った時こんな姿勢になっている人なら、見たまま、頚椎の左側屈に作用する筋肉が頭に浮かべば取り敢えずOK(脊柱起立筋群、胸鎖乳突筋など)。左側屈の筋が短縮して凝り固まっているから、これが自然な姿勢になっているわけです。
ただし、筋肉の起始は岸ではないので、起始と停止をイメージして、解剖学上の作用だけにとらわれないように。(例えばこんな筋も・・・斜角筋、僧帽筋、肩甲挙筋)
動診は筋肉の柔軟性を診る
視診から『きっと頚椎右側屈をし時に・・・・』と予想をたてて、実際に動かしてもらいます。順当に行けば、右側屈をしてもらった時に、左の頸から肩にかけて突っ張るような痛みがでるか、痛みは出なくても可動の制限が見られる事が多いはずです。
つまり動診では実際の動作の反対、右側屈が×なら左側屈の筋、前屈が×なら後屈の筋という具合に、拮抗筋探しが最初のステップになります。
思わぬ所に動作痛が出ることもあるので、痛みの出る場所を考え過ぎると最初のステップすら危うくなります。まずはとにかく痛みの出る動作、やりにくい、可動が狭い【動作】を捕らえて、その動作をやりやすくする事だけ考え、触診(施術)に繋ぎます。
筋肉の柔軟性は2種類ある
ただし、上図のような人でも右側屈×だったり(動作痛が出たり可動が狭かったり)、左側屈が×だったり、両方とも×だったりもします。動診が視診の予想に反してたら優先順は動診。最初のステップにそって、動作をやりにくくしている拮抗筋にあたりをつけます。
狙いの筋に圧痛が見当たらなかったり、術後の動作に変化が見られなかったりした場合にはステップ2。筋肉の柔軟性には2種類あることを思い出し、次なる展開へ進んでいきます。
やってみなきゃわからない
答えはクライアントの身体だけが知っています。だから正直やってみなければわからない事が沢山あります。
覚えただけの施術は誰でも出来る。そしてすぐに行き詰まる。
『結果が伴わなかった時に次の引き出しがあるか』。整体師をはじめとするボディーワーカーの真価が問われるところだと思います。だから手力整体塾では、どれだけ時間がかかっても引き出しの開け方までをマスターしていただきます。
結果を出すのはクライアントの身体。整体師が提供するものは常に過程だということを忘れずに。