先日こともあろうにぎっくり腰になってしまった塾生がエッチラオッチラ授業に参加しました。ご本人も書いていますが、授業に参加というよりは腰をどうにかしたくていらした感じで、仕方ないのでちょいと施術。が、お客さんではないので、簡単な検査をしたうえで直接手を下したのはお腹だけ。あとは指示だけ出して教室の片隅でバランスボール相手に出来る範囲のセルフケア(SC)をしてもらい、結果普通に動いて帰っていきました。
『魔女の一撃』などと称されるぎっくり腰ですが、実際に魔女や他の誰かに一撃をくらったわけではなく、多くの場合はSB。セルフケア(SC)ならぬセルフブロークン(そんな言葉ありませんが)なわけです。第3者の関与もなく特別なこともなく壊れたのだから当然自分で治せるはず。そもそも『整体』という字になる前の『生体』は自分の身体に施すものだったので、視診や動診・触診といった検査で状態を見極め、セルフケアのメニューを提案しておしまい・・・というのがある意味正しい整体院の形なのだと思います。
施術・手技は触診も兼ねた検証。メニュー提案に向けての確認作業です。だから全ての手技はセルフケアで、セルフケアは手技で再現できなくてはなりません。『この技は私にしか出来ない』そんな技ハナクソ同然、何の役にも立ちません。もちろん施術で結果が伴えば提案の説得力が違います。触診を兼ねた検証と言いつつも、納得してもらわなければ聞いてもらえませんし提案する権利さえありません。だからと言ってセルフケアで再現できないような小難しい理論のテクニックや、特別な修行を要する施術ではセルフケア繋がりません。
掃除ができない人の部屋を掃除してあげても根本解決にはなりません。散らかるたびに利用してもらえれば商売としてオイシイのかもしれませんが、そんな不毛なこと私ははしたくない。卒業生も同じだと思います。自分で掃除できるように、散らかさないように成ってもらう。その為にする提案が効果的であることを証明するのが手力整体の施術です。『だまって掃除してくれりゃいいんだ』なんて人は別の流派の整体院へどうぞ。
ちなみにこの塾生がどんな状態だったかというと・・・・
- 靴の脱ぎ履きがつらそう
- 靴下もつらそう
- 胡坐がかけない
- 長座も無理
- 正座は大丈夫
- 立位の前屈が×
- 立位での他の動作は○
- 座位での動作はほとんど×
- 仰向け○
- うつ伏せも○
補講に来た方の練習がてら殿筋とハムストを少しほどいてもらって伊藤がお腹を少し触り、あとはバランスボールに座ってひたすら深呼吸をしてもらいました。
これを読んでいる塾生・卒業生は、実際にわかっている上のヒントの意味を繋いで、施術とセルフケアを『なぜ』で紐付けしてみてください。ついでに段階的におススメするセルフケアも考えてみると良いですね。