手力整体塾は一応『開業専門』を謳っています。生意気なことに学費は中堅クラスと言って良いでしょう。10数万円の授業料でいわば“習い事”として通う整体の学校より少し敷居は高いと思います。

整体も開業も多くの人にとって未知の世界なので、最初の1歩としては中々に勇気のいる決断になると思いますが、敷居が高いお陰で志の高い人が集まり、結果開業率の高さに繋がっていると自負しております。

石橋を叩くか叩かないか。はたまた叩き過ぎて1歩踏み出す前に壊すか。
変化を怖がるのか愉しむのか。

1歩踏み出す勇気と、更なる1歩を継続していく秘訣を大公開です。

面白くないことは出来ない

面白い・面白くないは、既知と未知のバランスで決まるのではないか思います。

例えば釣りを全くしたことがない人が異国の地で釣りをするのと、釣り好きが異国で釣りするのとでは楽しさが違う。
釣りも未知、異国も未知なら、楽しみより不安の方が勝ってしまうかもしれません。
ので、これから釣りを始めるなら良く知った場所でやるのが吉。景色が違って見えて面白い事請け合い。

見知った領域、分野で程よい未知が面白い。全部が未知だったり全部が既知だったりしたら面白く無いんだと思います。

某やり手コンサルさんが面白いと絶賛していたKindle本を、わざわざKindleをダウンロードして読んでみましたが1/3も読まずに挫折。貧乏な田舎暮らしの話がボクにとってはほとんど既知の事でまったく面白く無かったのでありました。育ちの良いコンサルさんには程よい未知の領域で面白かったんでしょうねー。

小さな挑戦を続ける

1歩踏み出せない人の特徴は、遙か先にあるはずの完成形をイメージしてしまうところにあります。思い描くものが壮大過ぎ、ビビって1歩が出ないというのが事実でしょう。

先々のビジョンも大切なのは確かです。開業して上手くいった時自分はどうなっているのか目的(方向)を見出しておくとはとても重要ですが、その方向へ進む目前の足場をまず確保しなければ1歩が出せません。

広大な荒れ山を牧場にするなどイメージすら湧かずに途方に暮れますが、目の前の草を刈ることからはじめて段々と想像できる未知へ。小さな1歩の積み重ねだけが、未知という恐怖を期待に胸高鳴る未知へと変化させるのです。

未知と既知のバランスで面白いかどうかが決まる
いつも合宿でお世話になっている牧場。現状に至るまでの“過程”に大切な事が隠されています。

何処にあるのかさえ知らないネパールで聞いたことも無い魚を狙いに行くと誘われた時、未知が過ぎてまったく惹かれませんでしたが、少しずつ勉強することで行きたいところへ変わり、ワクワクとドキドキを良いバランスで楽しめました。今はすっかり大好きなトコです。

楽しむための予習

何事にも段階がある

本当に突出した能力を持つ極一部の天才を除いて、段階を踏むことがとても大切なんだと思います。

具体的な言葉を繋ぐ→言葉は要らなくなる

instagramの台頭が示すように、近ごろはイメージ優先、右脳と感情だけで判断する人達が多いようですが、『口で言えないものが叩けるわけ無い』と稀代の名ドラマー村上“ポンタ”秀一さんが仰るように、具体的な言葉で説明できなものが画像やビデオで表現できるわけがないのです、本来。

言葉を必要としないはずの芸術家だって、ゴッホやピカソといった巨匠は手紙や名言を沢山残しています。ワタクシの貴重な親友2人、NYCのサックスプレイヤーと厚木の絵描きもしかり、自分が出すものにちゃんとドラマが有って、創出する音楽や絵を言葉でも表現できます。巨匠クラスですこの人達は。

整体の施術もしかり。具体的な言葉で自分が何をやっているのか言えない施術がたまたま結果を出してもほとんど意味が無い事を知りましょう。抽象的な表現ができるのはずっと先の事です。

服装に気を配る→Tシャツで良くなる

ホリエモンとザッカーバーグはTシャツ、ジョブズはハイネック。良くは知らないけれど、彼等もきっと服装に気を配った時期があるはず。そしてそれは“お洒落”とは違った観点で今もきっと続いているはず。
整体師も、白衣とか作務衣とか色々ためにして、結局は『施術と管理がしやすい清潔な服装』になるのが王道。

お金を稼ぐ→お金を手放す

近頃のムーブメントらしく、出来るだけお金に頼らず自給自足的に巡る生活を目指す動きをあちこちで目にします。とっても素晴らしい事だと思いますけれど、1度思い切り稼いでみて『お金があっても大して変わらない』事を実感してからじゃないと、ちょっと難しいのじゃないかしら。

情報・知識を入れる→体験・精査して本質へ辿り着く

ワタクシの様な凡人は、段階を踏まずに本質に辿り着けることはありません。小さな段階を確実に踏んで、小さな成果を喜ぶ。そうやって本質へ向かう。
2段飛び3段飛びを目指すから1歩すら出せず、万がイチ進めても痛い目に会うんだと思います。

整体は体育。健康の概念・・・なのですが

整体の目的は体育。施術自体は過程です。
だけれど、体育や健康を説くには程遠いとっても具合の悪い人や症状が重い人を目の前にした時、いわば『未知との遭遇』で途方に暮れることも多々あります。

目指すところがどれだけ遠くてもやれることをやるだけ。目の前の草を刈るように目の前小さなの痛みを取ることだけに集中しましょう。既知と未知を程よいバランスでクロスオーバーさせて、『面白い』と思える状況を続けることが秘訣です。

未知に恐怖をいだき、既知をぞんざいに扱う。そんな身動き取れない状態にはならないようにしたいものです

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随分と久しぶりの参加になった方もいらして、そこそこの人数になった教室。新人さんは未知を楽しんでくれているようで嬉しいです。既知と繋ぎつつ1歩ずつ確実に踏みしめて欲しいと思います。

以前にこんなエントリーも書いています。

毎日にもちょっとした未知を

毎日がつまらないのは既知だらけだから。全く同じ日は絶対にないので見方ひとつで未知は必ずあるのでしょうけれど、そんな仙人級の悟りを開くのは結構大変なので、意識的に未知を入れていくのが良い。自分以外の人や生きものと触れ合うのは手っ取り早い未知との遭遇になります。あ、シャッター下ろして受け付けなかったら意味無いですが。

先日、妊娠~出産という未知なる領域に戸惑いながらも奮闘している産休中の塾生を千葉県に訪ねました。塾生・卒業生も誘ってついでに妊婦さん向け施術の出張講座も。

妊婦さん向け整体出張講座
未知と既知のバランスが面白いかどうかを決める

(遠いところ通ってくれていたんだなぁと実感して改めて気合を入れるためにも、頑張っている卒業生は必ず訪ねます。)

これからも次々やって来る未知なる変化を楽しんで欲しいと思います。Tさん、ファイト!

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書いている人

パンチ伊藤
あっとう言う間に整体師歴19年。現役で施術する傍ら小さな整体塾を主宰しています。当たり前な解剖生理と簡単な物理を繋いだわかりやすい身体の話が得意。釣り/山/島/音楽/映画/生きもの/が好き。2020年から自然農の畑やってます。

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