【トリガーポイントとは何か】発生要因と良くあるトリガーポイントの一覧

筋骨格系の痛みの大半を占める筋筋膜性疼痛症候群を引き起こしている隠れたコリ、【トリガーポイント】。今回はGoogle先生へ『トリガーポイントとは何か』を解説してみたいと思います。現状の検索結果があまりに酷いので。

医療系のウェブサイトに大変動を与えた健康アップデートで、天下のgoogle先生が犯したあまりに大きな過ちを正すため、20年前からトリガーポイントをほぐしてきたワタクシが一肌脱ごうという今回のエントリでございます。
現状じゃ全然検索ユーザの為になっていませんし先生の信用ガタ落ちですよ。

トリガーポイントとは何か

トリガーポイントとは何か

ひとことで言ってしまえば『痛みの症状を引き起こす隠れたコリ』のこと。
症状が出ている部位とは掛け離れたところにあってそれ自体はあまり自覚されず、触って初めて存在に気づく索状硬結のことです。トリガーポイントが文字通り引き金となって生じる筋骨格系の痛みを総じて『筋筋膜性疼痛症候群』と呼びます。

19世紀初頭の「結合織炎」という言葉からはじまり、筋繊維症、筋痛、筋硬症、筋肉リュウマチなど、隠れたコリに端を発する痛みは様々に呼称されてきましたが、1950年代中頃、筋肉へのアプローチをはじめたカイロプラクターの間で自然発生的に生まれたトリガーポイントという言葉が、『筋筋膜性疼痛と機能障害:トリガーポイントマニュアル』という書物になって世に出たのが1983年。

ま、正直言葉が新しいだけで、症状の元を探してアプローチする手技療法は紀元前から行われてたようですけどね。

筋骨格系の痛み(肉体的な痛み)の大半を占める筋筋膜性疼痛症候群(MPS)。その引き金になっているのがトリガーポイント。70年前からそういう事になっているのですよGoogle先生。

症状として認識されない隠れたコリに局所麻酔を打つトリガーポイントブロック注射というものがありますが、日本の病院では全く広がりを見せません。
そもそもお医者さんは大学で筋肉について学びません。解剖学じゃなく医学が専門だからある意味当然ではありますが、おかげで筋筋膜疼痛症候群も知りません。後に勉強して知ったとしても、治療に用いるトリガーポイントブロック注射は部位や回数にかかわらず1日1回算定でたったの80点(1点10円)。そんなわけで導入する病院は一向に増えないのであります。(第一人者石川県の加茂先生に敬意を

トリガーポイント発生要因とメカニズム

ちょっと難しい言葉が並んでいますけれどこれがトリガーポイントの発生要因とメカニズムです。

痛みは危険を知らせる感覚

トリガーポイント療法の理屈では、微細な筋損傷からトリガーポイントが形成され関連痛が引き起こされるとされていますが、どうにもこの部分は急に飛躍した話で解せません。

痛みは感覚です。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・平衡覚・・・感覚は外界との接点です。外から入力がなければ何も感じないはずなので、トリガーポイント(以下TP)が『関連痛』を引き起こすという理論はちょっと無理があります。

TPを生じた筋肉は筋繊維がこんがらがって動きが悪くなります。動きの悪い筋肉がある所為で余計な負担を強いられる筋肉が出てきます。関連痛などという曖昧なものではなく、TPの所為で偏った負担を背負わされ、いち早く酸欠を生じてしまう筋肉が早々に痛む。そう考えたほうがシックリ来ます。

『TP→関連痛』はいささか早計。実際は『TP→姿勢や動きの変化→思わぬ筋肉に偏った入力→痛み発生』こんなサイクルでしょう。

『微細な筋損傷』という表現もちょっと微妙。損傷などなくても、短縮したまま放置していた筋繊維がこんがらがって索状硬結に発展すると思います。

どちらにしても症状が出ているところは何も悪くありません。むしろとても頑張っている偉いところです。頑張りすぎてもういっぱいいっぱい。だから痛みで知らせてくれる。TPの所為で動けなく(使えなく)なっている筋肉を探して動けるようにしていくことが肝心です。

強い痛み、長引く痛みは、中枢の痛覚過敏を生じる

痛みが強烈だったり長引いたりすると、『痛い』と最終的に認識している脳が過敏になってきます。脳の可塑的変化と呼ばれる状態を生じ、肉体的な痛みの要因が解消されても脳で痛みを感じ続けてしまうようになるのです。

痛みはとても大切な感覚のひとつなので通常それ自体は治療の対象ではありません。原因は他(入力)にあるわけですからね。んが、中枢性感作を生じている場合は痛みそのものが病。神経因性疼痛などと呼ばれて痛みそのものが治療対象になります。

代表的なのが幻肢痛。
切断して存在しないはずの脚や腕が痛む幻肢痛には当然TPも存在しないわけで、痛覚過敏を生じている中枢、つまり脳の治療が必要になります。

トリガーポイントは脳にもある?

明確なコリが見当たらないのにあちこち痛みを訴える人はわりといます。トリガーポイントを取り除けたのに直ぐに振り返す人もいます。

  • 横向きじゃないと眠れない
  • 運動したくない
  • 私の腰にはヘルニアが
  • そんなストレッチ私には出来ない

幻肢痛も含め、本当のコリを脳に隠し持っている頭の固い人は結構沢山いる。
凝り固まった石頭をほぐす万能のテクニックは無いので『何をするか(What)』はあまり重要ではありません。『どうするか(How)』『誰がやるか(Who)』が重要になります。

TPをうまく使うと結構驚いてもらえるので脳のコリも案外ほぐれます。

トリガーポイントと筋膜リリース・筋膜はがし

ここ数年やたらと耳にするようになった『筋膜リリース』やら『筋膜はがし』。なんだかちょっと新しい言葉ような気がしますが【筋筋膜性】という言葉の通り、筋肉と筋膜は切っても切れない関係です。

(((((筋原線維)筋繊維)筋束)筋束×数百)=筋肉
(((筋肉)(筋肉))+((筋肉)(筋肉)))=身体

カッコのところが全て筋膜です。(それぞれに◯◯筋膜とか名前がついていますが省略!面倒なのでイラストもなしw)
筋原線維数10~100本が膜で包まれて筋繊維を構成、筋線維数10~100本が包まれて筋束を構成、で、また数100の筋束が束ねられてようやくひとつの筋肉です。

更にさらに隣の筋肉などとも筋膜で繋がって、最終的には頭から爪先まで全身タイツの様な1枚の筋膜で覆われているのが私達の身体です。

筋膜が肥厚する?癒着する?

現状、筋膜に筋線維は見つかっていません。つまり筋膜自体が能動的に縮んだり厚くなったりすることはなく、筋肉の動きに合わせて受動的に伸び縮みするというのが事実です。

鶏肉の表面にある薄い膜状のものを見たことがある人は多いと思いますが、あれが筋膜。剥がすのに苦労したり固くなっていたりしたことは記憶に無いはず。(某整形外科の先生曰く筋膜が癒着したら外科的にベリベリ剥がさないと剥がれないそうです。)

エコーやらなんやらの機械が進歩してコリや筋膜の様子さえも目で見える時代になりましが、レントゲンやMRIで見えてしまったために切らなくて良い手術が増えた歴史を繰り返しそうで、原始人なワタクシなぞは不安なのであります。

筋膜リリースも筋膜はがしも、その様子を見てみれば結局のところ昔から行われているマッサージだったりストレッチだったりします。筋膜は筋肉の動きに合わせて受動的に動くし筋膜だけにアプローチするなんて不可能だから当たり前。新しいのは言葉だけで理屈もやることも太古の昔から変わっていません。
人間の体は30万年ほど変化してませんからね。

まとめ

ともかくgoogle先生。トリガーポイントは商品や会社の名前ではありません。1980年代からその名で呼ばれているのは【隠れたコリ】です。そして隠れたコリをほどき筋骨格系の痛み(筋筋膜疼痛症候群)を和らげていく事をトリガーポイント療法と言います。

世の痛み難民を救うため、是非とも間違いに気づいて検索結果を修正して欲しいと思います。

ちなみにエコーなんぞ無くても姿勢と動作と触診でTPは探せます。つまり「ツボ」のように覚える必要はありませんが、お手軽に試していただけるよう、実際によく使うトリガーポイントを無料テキストに掲載しています。

手力整体的トリガーポイント一覧|筋筋膜療法 | 手力整体塾

実際の施術で使っているよくあるトリガーポイントをまとめました

施術でもセルフでも、ほぐすべき本当のコリは、押したり引っ張ったりしない限り症状として認識されない隠れたコリ、トリガーポイント。
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