しゃっくり(噦り、吃逆、嗝)は横隔膜の痙攣。って事は多くの方が知っていると思います。が、痙攣というのがちょっとやっかいで、フクラハギなどがキューっと攣るのも、目の下あたりがピクピクするのも、癲癇などから生じる全身硬直も、『筋肉の不随意な収縮』は全て痙攣と呼ばれ、現代医療において明確な原因はわかってないません。

筋肉が酸欠になる理由が沢山あるように、筋肉が不随意に異常収縮する理由も沢山あります。

で、『しゃっくり』と検索すると、良くある煽り系、恐怖植え付け系のサイトがやっぱり目立ちます。確かに、様々な症状が重大な病気のサインになっていることはあるのでしょうけれど極一部の話。その手の文章はまず情報なのか広告なのかしっかり見極めて欲しいと思います。(大半広告です)

中枢(脳)に原因のない痙攣の分類

まずは痙攣が何なのか知らなければなりません。
西洋医学的には未だ明確では無いようですが、ワタクシの拙い経験上、脚が攣る原因断トツの1位は水分不足。水分補給しているつもりでお茶やコーヒー、アルコール飲料ばかりに偏っている人が『こむら返り』に悩んでいる場合が圧倒的に多いです。急激な運動で筋細胞へ水分が偏って生じる痙攣と同様、細胞外の水分不足による機能停止システムが足の痙攣、直接要因第1位。

他に、特定の筋肉を縮めすぎた時に『これ以上縮めません』というサインとして攣る場合も多いです。

水
これからの季節、水分補給(水ですよ!水)をお忘れなく。ちゃんと水分を取るだけで解消される痙攣がもっとも多いのです。

目の周りや横隔膜がピクピク痙攣するのは、筋細胞自体が“何か”に枯渇して自発的にポンプしている状態と言えます。

身体の動きに関与する筋肉には、体液の循環を促す筋ポンプという役割があります。心臓のポンプだけでは血液すら全身くまなく循環しないのです。

身体中の筋肉を満遍なく動かせていれば筋ポンプによって必要なモノが循環しますが、例えば心的ストレスが重なって表情の変化が乏しくなっている時などに、表情筋が自発的にポンプして顔がピクピクするわけです。(色んな顔しましょうね。キレイな人は表情豊かな人です!)

つまりどちらの痙攣も必要だから起きている現象。身体の修正プログラムなのですな。

現状言われているしゃっくりの原因

早食い、大食い、飲みすぎ、タバコの吸い過ぎなど。つまり気管、食道、胃などへの刺激に対する反射としてしゃっくりが生じるようです。ホコリを吸い込んだり眩しい光を見たりして起こるクシャミに似てます。そういえば熱いものを飲んだ時に決まってしゃっくりする友達がいたっけ。少し細かくしてみます。

横隔膜への直接刺激によるもの
背中やミゾオチにパンチをもらうと息ができなくなりますが、あれもつまり横隔膜の異常収縮。一種の痙攣で、弛緩できなくなってしまい、息を吸えても吐くのが困難になるわけです。
他に直接刺激を受けるものとして、横隔膜近辺にある食道~胃の炎症、熱いもの、辛いものなどもきっかけになるようです。数ある痙攣の中で横隔膜ならではの引き金ですね、コレ。

間接的な症状としてしゃっくりが出るもの
極稀に脳腫瘍や脳血管障害が元でしゃっくりを生じる場合があるようですが、中枢が問題だとしたらきっかけが曖昧でしかも止まること無く続くはず。(2年以上しゃっくりし続け、脳腫瘍摘出で回復した人もいるようです)
むやみに不安になるより、いつ、どのようにその症状が起きるのか、自分の身体をしっかり感じる事のほうが大切です。

随意筋を減らさないこと

身体の3、40%をしめる筋肉の内、自分の意識で動かせない不随意筋は、食道や胃、腸の内臓筋と、動脈の壁に存在する筋(共に平滑筋)、心臓を構成する心筋。対して横紋筋で構成される骨格筋は基本的に全て随意筋ということになっています。

不随意筋は自律神経(無意識)でのみコントロールされ、随意筋は運動神経(意識)でコントロールできます。

意識的にも無意識にも出来る呼吸に関する筋はこの境目に位置します。意識と無意識の間にあるもの、心と体を繋ぐもの。ヨガや禅で呼吸が大切にされる理由はそんなところにあるわけです。何だかちょっと深くて難しそうに感じるかもしれませんが、呼吸とて横紋筋による“動作”なのです。

呼吸筋一覧

意識でも無意識でも動かせる筋をワタクシは勝手に半不随意筋と呼んでいます。
いつの間にか意識的に動かせなくなっていく骨格筋、訓練しないと意識的に動かせない筋・・・半不随意筋が増えていくと様々な不調の原因になると思っています。(インナーマッスルの多くや大腿四頭筋やスネなど、40歳くらいから自分の意志で動かせなくなる筋は増えてきます)

無意識に任せず、肉体と脳みそをちゃんと繋げておく事。“心身”両方合わせてこその“自分”。健康とはそういう事なんじゃないかしら。

しゃっくりと呼吸困難

今回しゃっくりネタをリクエストしてくれた某釣りバカさんは、あまりに呼吸が下手すぎて呼吸困難で救急に運ばれるほど。当然既にいたるところの精密検査を受けているのですが明確な原因は見つからなくて、ワタクシのような変わり者の話をまじめに聞いてくれる変わり者なのです。

しゃっくりは「辛いものを食べた時に出る」ということなので、中枢の問題ではなさそうですが、以前実際に、コーヒーを飲んだ時とラーメンを食べた時の呼吸困難を目の当たりにしているので結構深刻。しゃっくりの『ヒック』のクッのところで詰まったような状態で苦しみだすので見ているこちらもちょっと焦ります。

吐けない呼吸下手が多い中、彼の場合は吸えない呼吸下手。
日頃吸えてない(横隔膜収縮が苦手)⇒たまに収縮(ラーメンを啜るなど)⇒横隔膜痙攣⇒しゃっくりor呼吸困難
という流れが想像できます。横隔膜だけじゃなく、気道のあたりも収縮してしまうようで、気管と食道の切換弁が上手く機能しないんだと思います。

リクエストと共に『ココが痛い』と送られてきた写真で指差していたのは小胸筋。小胸筋は解剖上呼吸筋には含まれていませんが、起始が肋骨にあるので当然肋骨の動きに関わってきます。日頃横隔膜を使わない上ずった呼吸で、斜角筋、肋間筋、小胸筋あたりが短縮しているのでしょう。

肩甲骨と呼吸
何気にやっていた習慣をちょっと変えてもらったら、肩甲骨は良い感じに戻ったんだけれど・・・

そしてどうやら睡眠時無呼吸があるらしい。さらにさらに、近ごろは釣りの翌日に身体中筋肉痛になっているらしい。全身酸欠www・・・いや笑い事ではないけれど、夢中になりすぎて息止まってんじゃね?って事ですよ。やっぱりレジェンドにはレジェンドたる理由があります。常人じゃありません。色んな意味で(笑)。

今の呼吸を感じてみる

身体の使い方同様、呼吸にも100点満点の正解はありません。時と場合によって変化するものですからね。だからまずはその時々に自分がどんな呼吸をしているか気付くことが肝心。そうやって無意識と意識を行ったり来たりしているうちに『いつも同じ』という偏りも防げますし、心身統一も次第にはかれるんじゃないでしょうか。

呼吸に限らず肉体との対話はとっても大切。身体を道具として使うばかりじゃなく、ちゃんと感じてあげましょう。身体中に氣を配るのじゃ。

なんやかんやと難しい事より、出来るだけ楽しくアレもコレも遊びで解消しようと思う遊び人のワタクシがおすすめするのはズバリカラオケです!ラッパやデュジュリドゥも良いけどちょっとハードル高いでしょ?カラオケならお手軽ですからね。2、3曲じゃダメですよ。2、30曲全開で歌って喉を潰してみましょうw。何度か繰り返して何曲歌っても喉潰れなくなった頃には、呼吸も上手になっているはずです。!

歌う呼吸法
遠い昔、歌いまくっていた頃のパンチ伊藤でございます。
首の太さに注目w

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