関東ではすっかり「三寒四温」。一雨ごとに春が近づいてきましたので雪道を歩くことはもう無いと思いますが、本格的なハイキングシーズンに向けて、下りのザレ場で滑って尻もちをつかないように、自然の摂理に適った身体の使い方をマスターしておきたいものです。
尻もちで起こりうる損傷
尾骨骨折
尻もち損傷第1位は間違いなく尾骨骨折。“尾てい骨”などと称されることもありますが、尾てい骨という骨は解剖学上ありません。尾骨が正解。
仙骨の先端部分にあるその名の通り尾っぽの名残。コレ、簡単に折れます。折れても通常は折れ曲がったまま放置されます。折れた向きによっては治療が必要になりますが、肛門に指突っ込んでの整復になるようです。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル。
脊椎圧迫骨折
主に胸腰移行部。第11、12など下部胸椎か第1、2の上部腰椎で起こります。
骨粗鬆症などで骨がもろくなっている場合は、尻もちはもちろん、軽くお辞儀しただけでも椎体が潰れる事があります。これまた通常は放置。潰れたなりに変形が落ち着けば痛みは治まるようです。
腰部or頸部椎間板ヘルニア
地球の真ん中へ引き付ける強力な重力と地面からの反力が合わされば、案外簡単に椎間板は潰れます。椎間板の中身は殆ど水分なため、若くてピチピチした椎間板だと尚更。逆に言えば、ワタクシのような初老(え!初老?)だと、椎間板は既にパサパサで飛び出すモノが無いので椎間板ヘルニアのリスクは低いのです。
尻もちの力学
雪国の人は自然とマスターしている尻餅をつかない・滑らない歩き方。
ちょっと雪が降ったら転びまくる関東の人は、流行りのハイキングでも下りのザレ場or砂利場で格好の餌食になると思われます。
楽しいはずの山歩きで痛い目を見ないように、まずは簡単に尻もちのメカニズムをば。
重心が後ろに残ったまま前の足を着くと、支点になる足裏に曲げモーメントが発生して滑るわけです。んん、簡単だ。
歩く・走るなどの移動はもちろん、身体を動かすというのは重心を動かすということ。重心を動かさずに身体を動かすのは自然の摂理に反する。だから破綻する(転ぶ)のです。
下りで重心を先行させるとちょっと怖いかもしれませんが、尻餅をつきたくなかったら、出来るだけ真上から重力垂線にそってしっかり地面を踏みつけることが大切です。その為にはなるべく歩幅を狭くするのが肝心。お尻をちょっと後ろに突き出すイメージで(下腹を前に押し出すと同意)、前の足にきちんと重心を載せましょう。
ちなみに、このように坂道を下ると、四頭筋をはじめとする下肢の筋が全体的にキツく感じます。んが、それで正解。尻もちも膝痛などの痛みも楽した代償。特定の筋に頼った証拠なのです。全体がキツければどこか一箇所が痛くなる事を避けられます。
もちろん坂の角度が急な場合は、足だけ先にポジションを確保してから重心をもってここないと危ないです。常に100点の正解はありませんのでそこのところよろしく。
下りでも登りでも“前に進む”事に違いはありません。へそ下にある最大の重心、臍下丹田を進行方向へ運ぶ。それが移動する際の摂理です。自然に逆らわないようにすると、他にも色々良い事があります。それままた今度。
四足は尻もちつかないし、尻もちって人間だけのものかなぁと考えてみましたが、コイツ等↓の滑って転ぶシーンも映像で割と良く見るような・・・。尻より背中からいくみたいだけどw。
人間並みの二足直立歩行だからね!(と、思って骨格を調べたらあらビックリ!やっぱり鳥だったw)それにしても不思議な生きものだなぁ、ペンギン。近頃マイブームでございます。