現代人必見？！ナンバ歩きのメリット・デメリット徹底解説

ナンバ歩きのメリット・デメリット徹底解説

慢性的な腰痛・肩こりに悩む方はもちろん、効率の良い体の使い方を模索している人なら一度は聞いたことがあろう【ナンバ歩き】。疲れず楽に効率よく歩けるとして近頃再び注目されているようです。

一説には明治以前の日本人はナンバ歩きだったと言われていますが、語源すら諸説あり定かではありません。実は現代でも自然にナンバチックな歩き方になっている人は結構います。整体師として身体の上から下まで同側ばかりが凝っている人を触った際にも、そんな歩き方が頭に浮かびます。

メリット・デメリットがあるので、ナンバな人・そうじゃない人はいつの時代でもどの国にでもいます。

人間以外のナンバ歩き（側対歩）

人間以外の歩き方を幾つか見てましょう。

四足の場合も、対角の手足（前肢・後肢）がほぼ同じ動きになる【斜対歩】が大多数です。

同側の四肢で【側対歩】する動物はかなり少なく、ゾウ・キリン・ラクダくらい。

ただし、生き物なので例外や個体差はつきもの。ゾウやキリンがそうであることからわかるように、比較的大きな身体を持つドサンコ（馬）やオールドイングリッシュシープドッグは側対歩することで有名ですし、小さな馬や犬でも側対歩が好きなコはいる。若い頃は斜対歩だったのに加齢とともに側対歩になるイヌなどもいるようです。

地球上で最初に陸を歩いた脊椎動物は両生類、ついで爬虫類。イモリやトカゲ・ワニなど現代にも生きる両生類・爬虫類の歩き方は、四足動物の大半と同じ斜対歩です。

歩くだけじゃないナンバ

現状、【ナンバ】とえば歩き方だけを指す言葉になっていますが、身体の左右を分割した軸として扱う動作も【ナンバ的】といえます。右手右足・左手左足をセットで動かして身体をねじらない・くねらさない。そういう場面は歩行以外にも色々あります。

例えばフェンシングやダーツ。

畑仕事の多くもナンバになります。

フェンシングはなぜ同側前で構えるのか、何故ピッチャーの様にダーツを投げないのか、鍬は何故？フェンシングの構えで掃除機をかけている人は？そうやってひとつずつ何故を紐解き繋いでいくと、ナンバのメリット・デメリットが浮かんできます。

誰もが勝手にナンバになる時

普段は普通に歩いている人でも、上り坂や階段を沢山上ってヘトヘトになったら大抵は勝手にナンバ歩きになります。
余程不器用でない限り、一軸で捻じる動作とナンバ的動作を誰もが無意識に使い分けているのです。

急な斜面や崖を下る時も、みんな勝手にナンバ歩きになります。

かなり太った時、高齢になった際にもナンバ歩きになる人が大半です。ナンバのメリット・デメリット浮かんできましたでしょうか。

燃費と馬力は両立しない

ホンダのスーパーカブは50ccエンジンでたったの3.7馬力ですがガソリン1リッターで150kmも走行できます。対して5,000ccで500馬力くらいの車だとたったの 8km/L 前後。排気量を上げて馬力を高めたら当然燃費は悪くなる。燃費と馬力を両立するには小さなエンジンに大きなモーターを合わせたハイブリッドしか手立てはありません。

人間の身体も発電していますが、発電量は神経伝達に当てるくらいの微々たるもの。蓄電できる大きなバッテリーも馬力を補う大きなモーターも持ち合わせていないので、ガソリンエンジン車同様、燃費と馬力は両立しません。

んが、高排気量高出力高燃費と、低排気量低出力低燃費を使い分けることは可能なのです。

ナンバ歩きは低排気量低出力低燃費

近頃は『楽』という言葉に魅力を感じてしまう人がやたらと多いようなのでナンバ歩きが再注目されているのも頷けますが、楽なのは動かしている筋肉が少ないから。いわば低排気量低出力低燃費だから楽なのです。

一軸の斜対歩は一歩踏み出すのに全身の筋肉を使いますが、二軸のナンバ歩きは半分ほどの筋肉で済みます。

動作の負担を体中の筋肉に分散した方が、一部が壊れにくいのは間違いありません。施術で手が痛いなどという人も、もっと全身に分散すれば手は痛まなくなります。はい、疲れますがね。疲れと痛みはベクトルが違うのです。

スーパーカブのように低燃費でどこまでも走れてしかも壊れないなら良いけれど、元来5000ccなのにずっと1000cc分のエンジンしか動かさず燃費を重視していたら長持ちしそうにないでしょ？

ナンバ歩きのメリット・デメリット

メリット

• 疲れにくい
• 長時間動ける
• 正確に動ける
• 遠くへ届く

デメリット

• 代謝が低い
• スピードが出ない
• 筋肉が偏る
• 痛みが出やすい
• O脚になる

他にも色々あると思いますが、ナンバ歩きも斜対歩もシチュエーションに合わせた使い分けが大事。どっちが良いとか悪いとか極論に振れるのはそれもまた『楽』を選択していることに過ぎません。自分で考えましょう。

近年ナンバ歩きを見かけなくなったのは着物や履物が変わったからではなく、長時間動くことも燃費を気にすることも無くなったからなんじゃないでしょうか。明治以前みたいにロクな食べ物もないならいざ知らず、この飽食の時代に『楽』を選択するのはあんまりメリットありません。身体も頭も隅々まで動くほうがいいでしょ？
歩き方で唯一気を配ったほうが良いのはナンバではなく蹠行です↓

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