ずっと気になってた【ホアキンフェニックスの左肩】

ホアキン・フェニックスの左肩

2019年。映画館で『ジョーカー』を見ている最中から「この人の肩甲骨はどうなっているのか」気になって気になって映画に集中できないほどでした。後日ググってみたら・・・

すごく肩甲骨が開いていて胸郭が詰まっている。腰も落ちていてめちゃくちゃな骨格だった。体重を落としただけではああならず、演技というかああいう風に作ったのだろうか。

彼が過度な減量をした結果あのような不気味とも言える体つきになったようです。役に成り切るための役者魂がすごいですよね。

などと言いたいこと言っているだけのものしか見つけられずモヤモヤは募るばかり。
月日は勝手に流れいつしか忘れていたけれど、ちょっと古いメル・ギブソン主演の『サイン』で弟役を演じているのを見て思い出し、ふと「Joaquin Phoenix Scapula」などと英語で検索してみたら、腑に落ちるワードにたどり着いたのであります。

ホアキン・フェニックスの左肩に触れている海外サイトで見つけたワードが『sprengel deformation』スプレンゲル変形。

スプレンゲル変形（肩甲骨高位症）とは

まれな先天性疾患で、肩甲骨の位置が左右で数センチ違うため、肩の高さが違ってくる疾患です。これに伴い首が横に曲がっていたり、手がバンザイできなかったりします。

国立成育医療研究センター

症状と照らし合わせるとコレが一番しっくりくる。けれどあくまでどこかのおせっかいなドクターによる分析。ホアキン・フェニックス本人が公式なコメントをしたことは無いようなので、別段不都合はなく診断を受けていないのかもしれません。

日本語で『肩甲骨高位症』というくらい肩甲骨の「高さ」が取り沙汰されてるところが若干疑問。ホアキン・フェニックスの左肩の場合、高位というよりは「異常な外転位」。左の鎖骨が極端に短いように見えて「鎖骨骨折して変にくっついちゃったのか？」「ってか鎖骨ないのか？」などと思っていました。（逆に余計な骨が発生している事があるようです）

大体、肩甲骨でも骨盤でも左右を比べて高さを語るのはあんまり意味がありません。それだけじゃどっちが『正』なのかわかりませんからね。

あるシーンでは前鋸筋や菱形筋・僧帽筋などの麻痺で生じる翼状肩甲骨にも見えましたが、動作をしてない時でも明らかに目立つので筋肉由来ではなく骨格そのものに由来するのでしょう。

スプレンゲル変形と口唇口蓋裂

口唇口蓋裂（唇顎口蓋裂）は、口唇（くちびる）、上顎（上の歯が生える部分）、口蓋（前歯の裏から口蓋垂まで）の癒合不全によって発症する先天異常です。

AI要約

こちらは日本でも有名な話みたいですが、ホアキン・フェニックスは口唇口蓋裂でもあります。

医療において口唇口蓋裂とスプレンゲル変形はそれぞれ別の先天性疾患と認識されているようですけれど『細胞分裂の際にトラブルが起きた』という点では共通するので、本質的な原因は一緒なのかもしれません。

シンメトリーとアシンメトリー

私達の身体は一見左右対称なシンメトリーに見えますが良く見れば結構左右差があります。

内臓なぞ元からアシンメトリー。
利き手・利き足もありますから、余程均等に身体を使っていなければ加齢とともにアシンメトリーが加速します。特にゴルフのような一側性のスポーツに取り組んでケアを怠れば尚更です。んが、症状（身体からの訴え）が無いなら別に良いんじゃないかと思ったりします。
（美容にこだわる女性陣は許容できないみたいですが）

完全なシンメトリーや直線は自然界にありません。
だから人里離れたところに直線など発見されると古代文明とか宇宙人の所為になります。

文明の意思を介さずに左右がほぼシンメトリーになったり、複雑な内臓がアシンメトリーかつ適切に設置されたりするのはほとんど奇跡なので、症状のない非対称をアレコレ嘆かず奇跡を大切に活かしましょう。

ホアキン・フェニックスはホアキン・フェニックスだったからこそ、数々の名優が演じたジョーカー役に抜擢され、持ち前の骨格と役作りのダイエットで異様さ際立つジョーカーとして歴史に名を刻んだ。
ジョーカーの強烈なキャラクターを観衆に焼き付けた故ヒース・レジャーも凄かったけれど、JOKERという映画はホアキン・フェニックスだからR指定映画初の興行収入10億ドル超えを記録したんだと思います。

とにかくずっと気になていたホアキン・フェニックスの左肩はどうやらスプレンゲル変形。特別な遺伝子を持つ人ってことで納得したした次第です。

と、このブログを書いている最中、新作『Joker: Folie à DeuxJ（フォリ・ア・ドゥ）』が今年（2024年）10月に公開される事を知りました。今から楽しみ！