手力整体塾@からだ応援団のパンチ伊藤です。
先日の酉の市で再確認した『体験と循環』の重要性と、普通に稼ぐってやっぱり大変というおはなしです。
浅草大鷲神社の酉の市で熊手売り
石垣島から帰ってまもなく、ブラザーSHINGOプロにそそのかれて浅草の大鷲神社で熊手売りをすることになりました。お祭り好きなワタクシは興味津々で詳細も聞かずに待ち合わせ場所へ。
現地へ着いてからわかったのは、
・まず宵宮が21:00~2:00
・酉の日は朝から翌2:00
・終電は無いから時間つぶして始発で帰る
という3日をまたぐスケジュール。
そんなに遊ぶ・・・いや働くのはとても久しぶりなのでなんだちょっとワクワクしながら大鷲神社へまずはご挨拶。
仕事内容も把握していませんでしたけれど、数時間修行した後には佇まいも含めすっかりベテランと勘違いされるようになり、粋なお客さん達とのやり取りを楽しんできました。
業務はとにかく熊手を売ること。売れた熊手には手際よくオプションの飾りを盛り付けて、家内安全商売繁盛を祈願し手締めをすること。
お客さんの大半はリピーターの方なのでこちらよりもずっと慣れていてタジタジする場面もありましたが、日本の『粋』がまだ生き残っていることを嬉しく思いました。
例えば・・・
今年は厳しかったらコレしか出せない(まずとにかく値切る)
価格表をカンニングして最低額までこっちが折れる
値切った価格を支払いつつ御祝儀でプラスαくれる
そんな感じ。
ここ最近の値上げラッシュは熊手にも影響していて昨年より随分値上がっているようでしたけれど、それにもかかわらず値切った以上に御祝儀をはんずんでくれる方が少なくありませんでした。
売れているのは熊手じゃなく体験
『人の可能性を広げる』
ジョブズがいた頃のアップルが売っていていたものは確かそんなコンセプトでした。
iPodもiPhoneも可能性を広げるためのツール。だから取説がなくても直感的な操作でやりたいことが出来るようになっていました。
『第三の場所』
コレ、スターバックスが売っているもの。第三の場所を満喫するためのアイテムがドリンクなので、ドライブスルーなどでお持ち帰りしてしまうと高いだけのドリンクになってしまいます。
『酉の市』。
幸運を掻き込む縁起物として存在している熊手は酉の市という体験の中でのアイテムにすぎません。だから酉の市と掛け離れたところで無人販売されていたり、Amazonで格安に売られていたりしても買う人は多分いないでしょう。(と思って検索したら結構売ってて笑ったw。しかも安くない。)
お客さんは熊手が欲しいわけじゃない。
年の瀬の締めくくりとして酉の市へ来て、売り手とのやり取りも含めたイベントへの参加料と来年への気合を込めて熊手というアイテムを買う。単に熊手が欲しいならAmazonで買えば良いわけですからね。
熊手は奉納品。返納するために買う
紆余曲折合って手に入れた熊手には大入り袋や福引券で飾り立てられています。
大入り袋にはピカピカの五円玉が入っていて、翌年返納する際に取り出してお賽銭として使うのが慣わしです。福引券も同様に翌年の酉の市で使える券が付いています。
つまり熊手は『返納するために買う』のです。
思えばお守りなんかも同様。
「今年一年守ってください」と買うのではなく「一年間ありがとうございました」と返納するために初詣へ行く。日本古来のサブスクと言ったら聞こえが悪いかもしれませんけれど、『出したものが循環して入ってくる』のは森羅万象の真理。手に入れることばかり一生懸命にならず手放し方を丁寧にした方が良いのであります。
そもそも『酉の市』の由来が、東夷征討の戦勝祈願をした日本武尊命が事を成し遂げ、お礼参りの際に武具の熊手を社前の松の木に掛けたのが酉の日で・・・とする説や、農民が収穫祭で鶏を奉納した説など、とにかく最初から『お礼参り』なのです。
ボク等が出したCO2は植物が光合成して酸素になります。
ボク等が出した生活排水は海へ行き水蒸気になり雨になり飲水になります。
何をどう出すかで入るものが変わる。出さなきゃなんにも入らないのです。(CO2削減を訴えてる人って森林伐採してる人と同一人物な気がしてならない)
最後にちょっとお金の話
今回一の酉、三の酉と参加して、20年弱振りにサラリーをいただきました。
働いたのは宵宮21:00~2:00と酉の市当日の9:00~翌2:00×2。頂いた封筒には60,000円弱が入っていました。
ワタクシ自身は興味本位と遊びの延長なのでぶっちゃけ幾らでもかまわないのですが、すでに存在している仕事をこなしてお給料をいただけるありがたさを感じるとともに、誰でも出来る仕事で稼ぐのはやっぱり大変なんだなぁと正直思いました。
半年から1年位しっかり勉強と訓練を積んで整体施術をすれば相場は時給6000円。60,000円は10時間で稼げます。2時間12,000円のセミナーに5人集めればたったの2時間です。ただの皮算用ですけど時給1,300円では皮算用すらできません。
実際は集客がとても大変だったりアフターフォローもあったりで仕事とプライベートの境目はほとんど無く、時給に換算したら整体師もたかが知れる。『仕事を生み出す』のはとても大変だけれど皮算用ができないのは面白みにかける。
選ぶのは自分。20年も好き勝手やったワタクシは「もう雇われるのは無理かもなぁ」なんて思った次第。もうちょっと頑張ります。
親子ほど歳の離れた若者と一緒に働いたり名物切山椒食べたりお客さんと駆け引きしたり、楽しさはプライスレスでしたけどね!
【生き方を】そのまま【働き方】に
『遊ぶように学び、遊ぶように働く』。素のままの自分で誰かの役に立つと「生き方」はそのまま「働き方」になる。
「頑張る」より「愉しむ」。遊びが全てを救う。そんなモットーを掲げる手力整体塾@からだ応援団です。