細くて真っ直ぐでキレイな脚に憧れている女性は多いことでしょう。モデルさんの脚と自分の脚との違いに気付いた年齢が若ければ若いほど、ベルトで縛ったり圧縮する器具を試してみた人も多いと思います。
10センチ以上のハイヒールでスラッとした脚の気分を味わっても心の底から笑えないそんな貴女に送るエントリー。O脚って一体何がどうなっていてどうすれば真っ直ぐになるの?という疑問にお答えします。
赤ちゃんはみんなO脚
まだ立つことが出来ない赤ちゃんはみんなO脚。X脚の赤ちゃんはいません。(これ非常に重要な事実)
骨格の形成には『二足で立つ』『重力の影響を受ける』ことが不可欠。だから赤ちゃんは二足立ちしてからもしばらくの間O脚の状態が続きますが、年齢が上がるにしたがい段々真っ直ぐになってきます。
この過程で身体の使い方に偏りがあると、ちょっと厄介なO脚・X脚になるわけです。
O脚ってなんだ 【外反膝? 内反膝?】
O脚・X脚というのは俗称でありまして、医学的には内反膝(O脚)、外反膝(X脚)と呼ばれます。
膝関節が内反して下腿が内側へ入るのが内反膝、反対が外反膝ということになっています、が!困ったことに解剖学上膝の関節に内反・外反という動きはありませんし当然それに関わる筋肉もありません。(つまり上のイラストみたいにはならないってことです)
なんだかおかしいですよね?でもそれが事実。医学と解剖学は全く別物なのです。一般人からしたら驚愕のことですが解剖生理お構いなしのお医者さんは結構いらっしゃる。神経が圧迫されて痛むとかいうのがもっともな例ですが、医学と解剖学は別物だから致し方ないのかもしれません。
ってことでココではあえて医学用語を使わず、O脚・X脚ではなしをすすめます。
膝で生じている動き
解剖学上膝の関節には【屈曲・伸展】【外旋・内旋】という2方向・4種類の動きしかありません。内外の側副靭帯を切るか伸ばすかしない限り、膝の内反・外反(っていうか内転・外転)は起きないのです。
特に立ってるいる時に、関節面の下方だけでで立つなんて曲芸みたいなことを普通の人が出来るはずありません。
O脚になっている場合膝関節で起きている動きは【内旋】です。(X脚だと外旋)
さらに、膝が内旋・外旋は屈曲しているという前提があってはじめて生じます。
膝には他の関節にない半月板というものがあって圧倒的な安定感に一役買ってくれてます。膝を曲げたところからゆっくり伸展させていくと、最後最後でちょびっとだけ膝下(脛骨)が外旋をして、脛骨の関節面にある半月板へ大腿骨の2つの出っ張り(外側顆・内側顆)がピタっと収まる『スクリューホーム運動』が生じます。最終的に回旋をして収まるので『終末強制回旋』とか『終末伸展回旋運動』などと言われます。英語の『スクリューホーム』がスマートだしイメージも湧きますね。
大腿骨と脛骨で形成される膝という関節は、それぞれの骨の形と半月板と各種靭帯の作用によって、ちゃんと伸展すればスクリューしてホームに収まる。ホームに収まっていれば回旋は生じず、大腿骨と脛骨の向き、わかりやすく言うと膝とつま先の向きは自然に揃うのであります。
股関節・膝関節・足関節全てが0度に成れること
膝関節が単体で動くことはほとんどありません。屈曲も過伸展もなく1番力の抜ける位置でホームに収まる膝を手に入れるためには、股関節と足関節も力の抜ける位置にあって欲しいのです。
力の抜ける位置は【0度】。解剖学的基本肢位です。
脊椎動物数あれど、重力垂線に骨を重ねて力を使わずに立っていられるのはワタシ達人間だけ。なのにわざわざ姿勢を歪めて力を入れて立っている人が驚くほど多い。
ワタクシの拙い経験で言わせてもらえば、左の猫背姿勢では股関節が伸展+外旋するのと合わせて膝の屈曲・内旋が起きやすく、右の出っ尻姿勢では股関節の屈曲・内旋に合わせて膝が過伸展・外旋してX脚になりやすいです。
こんな姿勢だと重力に対抗する為の力が常に身体の何処かに入っています。コリも歪みも自分の力が発端。得意な筋肉と苦手な筋肉のギャップが開きすぎたアンバランスが原因なのです。
O脚と膝痛
『O脚=内反膝だと膝関節の内側がすり減るので膝痛が生じる』という医学での見解は未だ根強く残っていると思いますが、解剖生理学だと関節は痛みません。痛みの受容器はじめ痛みを引き起こす仕組みが関節には無いんだから当たり前です。
解剖生理学を踏まえて膝痛を考えると、上のイラストのような姿勢変化を経て、膝関節が屈曲+内旋、過伸展+外旋など編成してしまい結果使える筋肉が限られ、数少ない筋肉へ負担が集中するために『痛み』という悲鳴が身体から上がるというのが正しい理屈です。
O脚だと膝痛のリスクは上がりますが、膝の関節軟骨がすり減るからではありません。グル○サミン?コンドロ○チン?いやまぁプラセボに敵う治療はないので効果を感じてるならなんでも良いですけれど、ピンと来ないなら早々に見切ったほうが無駄遣いにならずに済みます。
身体が柔らかいとO脚にならない?
脚の余計な力を抜くために、膝がきちんと伸びる事と股関節がきちんと伸びる事が重要なので、ストレッチが得意ならO脚になりにくいのかと思いきやそんなことはなく、柔らかいゆえ、直立する為に無駄な力を込めて歪めてしまったり、各関節伸び過ぎで偏りが生じてしまったりもします。
「身体が柔らかいと良い事だらけ」みたいな風潮がありますが、そんな単純な話じゃありません。180度開脚お手のものな、バレリーナさんなども、案外O脚・X脚が多いのが現実です。
何事も、過ぎたるは及ばざるが如し。
ピタッと揃う位置を知る
歪んだ脚を直したいならまず最初に必要なのが『ピタッと揃う位置を知る』こと。内もも・膝・ふくらはぎ・カカトの4点がピッタリそろう姿勢があればまだ希望があるってことですからね!
で、多くの場合、カカトを揃えた状態で軽くスクワットすると、かなり強烈なO脚でも4点が付きます。お試し下さい。
【股関節と膝関節を屈曲させたら付く】けど【伸展すると離れる】ということは・・・
- 【股関節】の屈筋群にもっと遊びが必要
- 【膝関節】の屈筋群にもっと遊びが必要
- 上記それぞれの拮抗筋群にしっかり縮まれるパワーが必要
のうちどれか。解剖学をベースに事実だけを繋げればこんなにも明確になります。
まずスクワットしてピタッと揃う感覚を楽しんだら↓のストレッチを念入りに。スクワット⇔ストレッチを繰り返していれば段々揃ってくるはずです。
まとめ
内反膝・外反膝というのはお医者さん(医学)が作り上げた伝説。O脚・X脚の膝で起きている動作は【屈曲or伸展】+【内旋or外旋】です。当然連動して股関節も変性しているので、股関節の伸展・外旋筋や屈曲・内旋筋のケアも出来ればベスト。あ、動画の中で喋ってますが【脚の正面】を知っておくことが重要な条件です!
O脚・X脚でお困りなら是非手力整体塾の無料授業体験へいらしてください。あなたの身体が発する声を聴き分け必要なことをお伝えします。
【生き方を】そのまま【働き方】に
『遊ぶように学び、遊ぶように働く』。素のままの自分で誰かの役に立つと「生き方」はそのまま「働き方」になる。
「頑張る」より「愉しむ」。遊びが全てを救う。そんなモットーを掲げる手力整体塾@からだ応援団です。