小林麻央さんをはじめ、芸能人・著名人の闘病ブログが話題になる昨今。闘病の様子を発信することに賛否あるようですが、ブログを通じて沢山の声を聴くことがご本人のチカラになるようです。
先日コメント付きでシェアされているものを見てちょっと思うところがあったので、炎上しないよう余計な事を沢山書きつつ(笑)、ワタクシの意見を述べてみたいと思います。
本質は簡単だけれど複雑
トリガーポイント、腰痛・膝痛・肩こりなどの理論、ストレッチ、スタビライゼーション、ほぐし、締め直し、問診、カウンセリング、動診、視診、触診・・・・e.t.c.
手力整体塾で学ぶものをザッと上げてもこれくらいあります。手技療法に枠を広げれば、理論もテクニックも星の数に匹敵するかもしれません。
中には、特殊な状況において抜群の効果を発揮するものもあると思いますが、それらの目的はどこにあるか、問題はソコです。
姿勢を正す
地上で暮らすために最も優れた物理的構造、骨が重なる直立の人間には、理想の姿勢が明確にあります。それが解剖学的基本肢位、ゼロ度。ゼロ度は重力に対して一番無理なく無駄なく偏りの無い姿勢なので、この姿勢に近づけていくのは整体への大切な要素のひとつ。
骨盤矯正
骨盤が偏ったまま動かせなくなると重心(丹田)が動かせない。重心が動かなければ基本的にモノは動かない。骨盤矯正の目的は丹田の再生。丹田の再生もまた、整体への大切な要素。
トリガーポイントを取り除くのも、ストレッチするのも、スタビライゼーションでインナーマッスルへ刺激を入れるのも、目安としてのゼロ度へ戻すため、丹田を再生するためです。
腰痛や膝痛・肩こりをもちろん、身体に現れている症状のほとんどは結果じゃなく過程なので、健康へ向かう途中で勝手に消え失せるという寸法です。
どれもこれもあくまでも要素・要因であって原因ではありません。
- ゼロ度からかけ離れた姿勢でも痛くない人はいる。
- 丹田がコントロール出来なくても元気な人はいる。
それが事実。
四肢が欠損していようがなんだろうがチャレンジ精神を忘れないスーパーヒューマンは居るのです。
要素・要因は様々、目的も人それぞれ
シェアされていた記事に違和感を感じたのは、付いていたコメントが真央さんの行なう化学療法に否定的だったからです。
確かに化学療法(抗がん剤)には賛否あります。賛否両論あるのは万物共通の事ですが、「やめさせたい」とか「もっと良い治療法がある」とかコメントするのは・・・何様だ!と言いたい。外野がとやかく言う事ではありません。エビデンスの有る無しも実はあんまり関係ない。大切なのはご本人の意志。ご本人が望んでいる治療方が何よりも最優先だと思います。
病気だろうが健康だろうが、望むことを行なう。それこそが目的なのです。人の事にアレコレ口を挟む暇があったら、自分の目的を明確にした方が良いぞ!
昔々、ブログを書き出した頃に、ネット上でたまたまお友達になった方がいらっしゃいました。今はなきルアーブランド、ウッディベルの元ビルダーで、ボクが大好きなルアーも彼の手に掛かっていたのです。
ひさゆきさんは脳腫瘍でした。余命1年の宣告をはねのけ3年が経った頃知り合いました。あらゆる治療を積極的に行い、それでいていつも柔らかくフワフワした文章や絵を書き、誰からも愛されるユーモアある人でした。愛しの奥様と少しでも長く居るために一生懸命生きていました。(彼のサイトはニフティーだったので、終了という憂き目にあってしまいました)
全ての人が明日死んでもおかしくないのに、ただのほほんと暮らしている。そんな私達は闘病ブログから学ぶ事はあっても意見など言える立場じゃありません。
(真央さんは化学療法を休止すると昨日ブログで公表したようです。「やめさせたい」と言ってた人、「だから言ったのに」とか言うなよ。シバクぞ)
健康の概念
こんなワタクシのところにも、ヘルニアやら脊柱管狭窄やら変形性なんとかかんとかで手術の提案をされた方をご紹介いただくことがあります。多くの場合ご家族からのご相談なので、必ず確認させていただくのがご本人の意志。数々の治療に疲れ果て、ご本人が手術しか無いと思っている、手術を希望しているのであれば、残念ですが施術はお断りしています。
反対に、手術はどうも腑に落ちない、何か他の手段があるのではないかとご本人が(←ここ大事)思っている場合は積極的にお受けしてます。そんな場合は当然結果もついてきます。
尊敬する加茂先生が仰るように、筋骨格系の痛みはMPS(筋筋膜性疼痛症候群)。関節や椎間板、脊椎の変性等の器質的変性と痛みは別。これはここ10数年で明らかなになった事実ですけれど、事実以上に大切なのが本人の意志。もし、知識が無いのであれば選択肢のひとつとして知ってもらいたいところではありますが、手術を望んでいる人にトリガーポイントをゴリ押しするのは慇懃無礼で傍若無人な行為だと思います。
WHOが定める健康の定義というものがあるにはありますが、それぞれが置かれた現状で希望を叶えていくことこそが“健康”なんじゃないでしょうか。
病気は見当たらず痛みも無いけれど、健康に見えない人は沢山います。あちこち痛がっているし病気とも戦っているけれど健康そうな人もいます。
『整体は健康の概念』
古来より続くワザも最新の生理に基づくテクニックも、「健康に人生を全うする」というたったひとつの目的に向かう為にあります。だけど健康の概念は人それぞれ違う。第三者は『邪魔しない』を厳守すべきルールとして胸に刻みましょう。
ワタクシ事ですが、昨日5ヶ月ぶりのナナメ歩きを楽しんできました。神奈川県の秘境ユーシン渓谷。久しぶり過ぎて脚ガクガクです。こんなワタシは健康?不健康?(笑)