物理的に身体を診て自然体へ導いていくのが手力整体。
科学や解剖学は未だ発展途上ですが、物理は万物共通普遍の真理なのです。サンキューニュートン。
複雑な計算を算数だけで解くが如く、多少の手間暇は掛かってもわかりきった当たり前だけを繋ぐ。だから、犬でも馬でももちろん人間でも同じ考え方で施術が出来るのです。
人も犬もクロスオーバーしている手力整体塾では、犬⇒人、人⇒犬、と編入する方もたまにいらっしゃいます。で、自分の身体に対してセルフケアの重要性をひしひしと感じている塾生が、『コレはもしかして犬にも必要なのじゃないかしら』と疑問を提示してくれたので皆で考えました。
悩んだ時は質問の形を変える
『考える』ことが『妄想』にならないように注意しつつ、わかりきった当たり前だけを繋ぐ。これが肝心。湧いてくる意見が根拠のない『妄想』ばかりになるようなら質問の形を変えてみましょう。
「運動後のストレッは子供や犬猫にも必要か?」
「子供(幼児)や猫は何故ケアが必要じゃないか?」
「運動後にケアが必要な大人はどんな人か?」
幼児や犬猫が運動のあとしきりにセルフケアしているのなんて見たことがありませんし、それでいて翌日もそのまた翌日も楽しそうに遊んでいるわけです。大人でもケアが必要な人とそうでない人はいます。つまり上記の質問はほとんど同じ答えに通じるわけです。
悩んだら質問を変える。茂木さんも言ってます。
需要と供給のバランスをとる循環システム
コリやら筋肉痛やらが生じる根本は、需要と供給のアンバランスにあります。
筋肉を使えば(収縮させれば)燃料と酸素が消費され疲労物質がでます。そのまま放置したら疲労物質は滞りますけれど、筋肉を動かせばポンプが起きて需要~供給~排泄(いわゆる代謝)の循環が起こせます。適度にバランス良く循環していればケアは必要ないわけです。
山の登り始めは大抵スネの筋肉に軽く痛みがでます。もしここでやめてしまったらスネのケアをしないと翌日の筋肉痛はほぼ確定。ちょっと我慢して登り続けるとスネの痛みは次第に消えて、次は前もモモ、大腿四頭筋あたりが張ってきます。さらにしばらく登ると鼠径部や殿筋・・・という具合に、『動かして消費』する分と『動かして排泄』『動かして供給』するバランスが次第に整って、勝手に痛みが消えていきます。身体の各部位でこのバランスを取っていくのが難しいわけですが、結構瞬間的に変化していく身体に関心します。
慢性的な痛みの場合は、動きを伴わずに筋肉を使っている(力は入っている状態=収縮)状態が大半。疲労物質は停滞し酸欠も解消されず、循環システムが崩壊していることを知らせるための“痛み”であることが多いのです。
筋肉を“使う”と“動かす”では意味が違う。動かして循環してこその免疫、恒常性が活かされるのです。
成長過程にある子供達はそもそも代謝が高い。今日の運動に対してケアするまでもなくどうせ明日も運動します。
対して、細胞が死にはじめているワタクシ達は明日からまたお仕事なわけで、今日出た疲労物質を循環させておかないとダラダラと症状を引きずることになるばかりか、予期せぬ代償性の痛みや変性が生じるかもしれないってことです。
健康のためにわざわざした運動はわざわざケアしなきゃ上手くない。と、大山の翌日ゴロゴロしてしまったがために筋肉痛が長引いたワタクシは思うのでありますww。
そんなわけで、遊びや狩りのためやらなんやらで『自然な運動』をしている子供や動物達にケアの必要はありませんというお話でした!