整体の学校手力整体塾では卒業試験(認定試験)は筆記は無く実技のみをおこないます。
座学については、突然おこなわれる小テストや日々の授業中に投げかけられる意地悪な質問でお互いに理解度をはかって、卒業認定に相応しいかどうかを判断しています。答え丸暗記で合格するような卒業筆記試験は意味がないと思っているので。
で、『そろそろ良いかな』と思うタイミングで、伊藤から実技試験を振ることもありますし本人から希望を受けることもあります。場合によってはまだ早いと断る事もあります。まぁスムーズに1発合格ということは多くないので、1度トライして修正点を明確にした方が結果的に早い認定が出るかもしれません。試験費用なども取りませんし何度でも付き合いますから遠慮しないように。(修正点に変化が無ければ途中で切り上げますけどね)
そんなわけで土曜基本手技の授業では、通いだしてかれこれ2年になる方の?回目の認定実技試験をおこないました。
通学中に房総へ引越すというドラマもあって流石に焦りが出てきたのか、この数ヶ月は目を見張る成長を遂げました。コリもしっかり捕らえているし圧もまぁまぁ。単に“施術”という面ではほぼ合格点。んが、残念ながら『もう1度』の判定をくだしました。
単なる施術として合格点というのはつまり、極上のマッサージチェアには成れたという感じです。
私達整体師とマッサージチェアの最大の違いは意思を持っているかどうかという点。その意思が手から伝わるかどうかです。プラグラムでは出せないファジーさ。相手やその時々によって変わる臨機応変さ。コリを探したり、ちょっと攻めたり、目ぼしいものが見つからなかったらさっさとスルーしたり、機械には不可能な事をやっていかないと仕事は全部奪われます。
楽器のプレーヤーだって『正確に弾く』だけなら打ち込みに敵いません。今や音だけ聞いていたらほとんど違いは分かりませんからね。正確なだけのスタジオミュージシャンはコンピューターに仕事を奪われる。ところが音楽を聴く側も生き物なので、打ち込みの音楽では魂まで届きません。マッサージチェアに心を奪われる人も居ません。ナマモノ対ナマモノ。単純作業ではないファジーさにこそ、音楽や整体の醍醐味があるのだと思います。
これから試験を受ける方々は、ちょっとした時の触り方やタオルさばきなども判断の対象になりますので注意して下さい。ファジーさなども含め、伊藤を良く観察して下さい。教わらなくても学べることは沢山あると思います。自ら気付ける人になりましょう。