いつもは現役生にバトンを繋いでもらうスタート講座。今回は珍しく最初から最後までワタクシがうんちくを垂れてみました。
手力整体塾で最重要としているのが安全対策。手技療法における事故のニュースを頻繁に耳にする昨今、卒業まで何度も口を酸っぱくして言い続ける事になると思いますが、スタート講座の段階で一度明確にしておく事があります。
自分以外の身体に変化を起こすには反射しかありません。
切ったり貼ったりしないかぎり、どんな凄い技を用いたとしても反射させるための入力をしているに過ぎません。豚肉を叩いて柔らかくするのとはわけが違います。豚肉は死んでいるから筋を切って柔らかく出来ますが、筋肉は生きているからこそ反射で緩む。トリガーポイントも反射でほどけるのです。
反射を使わず思い通りに操れるのは自分の身体だけ。それが事実。自分以外を力任せに変えようとしない、操作しようとしない。当たり前のことを理解していれば施術における事故はほとんど防げます。
大半は、生まれながらに備わっている無条件反射を利用していくので、どんな反射反応がでるかは概ね予想できます(だから一応施術が成り立ちます)。押せば押され、引けば引かれ、上がれば下がり、収縮すれば弛緩する。作用反作用の法則は物理の世界だけではないのです。
んが、思い通りの反射を起こせたとしても、精々痛みを取ること、姿勢の歪みを整えることくらいしか出来ません。風邪薬の効能として書いてある【諸症状の緩和】程度の事。風邪同様、最終的に治すのは本人の免疫以外にありえません。
だから私達は治そうとしちゃいけない。コレとても大事です。
言葉も動作もそっくり真似ること
ギターでも歌でも釣りでも野球でも、一部の天才はさておき、ワタクシ達のような凡人は上手な人の真似をするのが最も効果的な習得法です。肝心なのは“徹底的に真似ること”。何事も中途半端は宜しくありません。
『フィリップ、君を愛している! (原題:I Love You Phillip Morris)』
という映画で、噂がどれくらいのスピードで広がりどれくらい変化していくかを実験するシーンが有ります。
『弁護士に会ってきた。相談料は?と聞くと「質問3つで50$」。高すぎない?と聞いたら「確かに。」と答えた後に「で、最後の質問は?」だってさ!Lol』
小粋なアメリカンジョークがほんの数日後、弁護士はユダヤ人になり、高すぎない?の質問には「だってユダヤ人だからね」と答えるまでになってしまった。(NYあたりのアメリカ白人じゃないと面白くないジョークですな)
ほんのちょっとの言葉の違いが重なってまったく違うものに変化していってしまう。誰も傷つかず損も特もないのなら変化も面白いですけれど、ソーシャルでの拡散が盛んな近頃だから言葉を尚更正確にしておかないと、思いもよらぬところで予期せぬ事が起きる可能性があります。言葉を曖昧にすると感覚までも曖昧になるような気がしますね。
先ずはそっくり同じ言葉を繰り返す事。
幼少の頃から書道をしていたりコピーバンドをやっていたりしたせいか、真似るのは結構得意なワタクシ。おかげでさまの器用貧乏(器用なら貧乏でもへっちゃら)です。
整体師なりたての頃は憧れた師匠の言葉はもちろん、近づき方、間のとり方、触り方、離し方、移動の仕方など、成りきって動作も真似てました。そっくりそのまま真似てみると、何故そうしているのかがわかってくるのです。
動作の端々もそっくり真似る事。
言葉も動作もとにかく一度は徹底的に真似ること。それから、何故そうしているのか、その言葉を使っているのか考えて欲しいと思います。
そっくり出来てからは、キャラクターにあったアレンジが可能です。正解はひとつではありませんからね。
あらゆるモノコトの最速習得法は『徹底的に真似る』です。