昔々ワタクシがまだ運ちゃんだった頃、慢性的な鼻炎やアトピーなどのアレルギー症状と合わせて頭痛も頻発していておりました。バ○ァリンが手放せず、飲めば胃が痛くなるというサイクルが数年で出来上がり。以降はEV○とかセ○スとかちょっとマイルドな薬でごまかす毎日でした。
自分でそれとわかる過去に感じたことのない激しい頭痛は、クモ膜下出血などの恐れもあり急を要しますけれど、繰り返される頭痛は、腹痛や腰痛と同様、それ自体が病気なわけでありません。「先生、私頭になにかあるのかしら?」と心配される方が沢山おられますが、脳そのものは痛みを感じないのです。
頭痛だけじゃなく、関節痛、神経痛、古傷が痛む梅雨の時期。わざわざ『天気痛』とか『気象病』なんて言葉を創っちゃった人もいるようですが、細分化は金儲けの手段です。注意しましょう!
雨だろうと晴れだろうと痛みは筋の酸欠
神経痛、関節痛など痛みを細分化したのも商売のため。製薬会社や医療機器メーカーが50年も前に作り上げた虚構なのです。痛むところを整理してみれば一目瞭然。筋肉がないところに痛みはありません。
筋の酸欠⇒痛み物質発生⇒受容器がキャッチ⇒求心性神経⇒脳で判断。
これがここ10年ほどで明確になった痛みの生理。打った・切った・折ったなど怪我や炎症が生じる“早い痛み”は別として、頭が痛かろうが膝が痛かろうが腰が痛かろうが痛みの生理はひとつしかないのです。
(最終判断を下す脳が過剰に反応したり痛みを記憶してしまったりすることもあって、その場合は痛みそのものが病気とされます。この場合治療対象は脳です。)
酸欠の大半は血行不良
痛みは筋の酸欠。じゃあ筋の酸欠が何故生じるかと言えば大半は『血行不良』です。
自律神経任せに動く心臓のポンプだけでは、全身の血行を保つことが出来ません。おかしな姿勢で特定の筋肉にギュッと力が入り続けていたら尚更です。
身体を動かして骨格筋をポンプするのが、いつでもどこでも出来て効果的な血行促進。酸素いっぱいの新鮮な血液は、筋肉はもちろん細胞ひとつひとつの健康に欠かせません。古傷だからっていつもでもかばっていては、治るものも治らないのです。
湿気じゃなくて気圧
湿気で身体がむくむ?
湿度が高いからって体内の水分量が多くなるわけではありません。汗が乾きにくいことはあっても汗をかきにくくなるわけじゃありませんし、空気中の湿気から水分補給するわけでもない。湿気と、頭痛や古傷などの直接的な因果関係はありません。
気圧で自律神経がうんぬん?
自律神経への影響でいえば、気温と照度の方が大きいはずです。
梅雨はまだ気温差が大きく油断すると朝夕はかなり涼しい。しかも各所でエアコンが入りだす時期でもあります。1日の体温サイクルが狂い出すのが梅雨。他の季節でも雨が降れば気温は上がりにくく1日中薄暗いわけで、自律神経が迷うのはある程度仕方ありません。
『気圧の変動で平衡感覚を司る内耳が影響を受けてうんぬん、よって天気痛には酔い止めが効果的』とする文章も見かけますが、そもそも酔い止めと頭痛薬などの痛み止めの成分はほとんど同じ。つまり裏技でもなんでもありません。
気圧変化で内耳が影響を受けるのは間違いありませんがその先の考察がチョロすぎ。
気圧下降で身体が膨らむ!
水素(H)が2つと酸素(O)ひとつがくっ付いて水(H2O)になります。
(っていう小学生レベルの科学を知っていたら水素水なんてのに騙されないはず)
そんなH2Oで60%以上構成されているボク等の身体は、気圧の変動にともなって膨らんだりしぼんだりしています。
気の圧、密集度は一定に保たれようとする性質があるので、高地(気圧の低いところ)へ行くとお菓子の袋がパンパンになったり、お腹もパンパンに張ったりします。空気の無い(気圧の掛からない)宇宙に生身で行ったらパンパンに膨らんで弾け飛んじゃうのです。私達。
気圧は温度とも相関関係にあって、温めたら下がって膨らみ、冷やしたら上がってしぼみます。幸いボク等は体温調整機能を持つ恒温動物なので、気温が上がっても膨らみはしませんがね。
1気圧は1013hPa。あらゆる方向から1kg重/㎡の圧力が掛かっています。これ以上高ければ高気圧、低ければ低気圧・・・と思いがちですが、天気図の低気圧・高気圧は基準値を挟んだ分け方ではなくて相対的な分け方なのだそうです。
ともあれ、雨の前に気圧が急に下がれば体内の気圧も下がって身体が膨らむ。結果あちこちで血管が圧迫されて血行不良=筋の酸欠が起きる。日頃から酸欠気味なところが警戒レベルに達して痛みが出るわけです。
日頃からてきとうな血行を
酸素いっぱいの新鮮な血液が体中すべての細胞に行き渡り循環していること。それが痛みもなく生理的に健康な状態といえます。外圧などのプレッシャーや急な変動によるストレスにも対応できるよう、日頃から『てきとう』な血行を心掛けましょう。
偏頭痛はちょっと例外。二日酔いでズキンズキンするアレも同じですが、日常的な血行不良からの急変によって血管が拡張、血行が良くなり過ぎて痛むのです。
急な飲酒、急な運動、急なストレス解消、急な気圧変動、眩しい光、お風呂など。とにかく急な血管拡張が偏頭痛の引き金。月経前症候群(PMS)による頭痛も、排卵直後と生理前に女性ホルモンの一種が減少するため生じる血管の拡張がトリガーになる偏頭痛です。
ズキンズキン痛む場合は、切った・打ったなどの早い痛み同様、血管を収縮させるR.I.C.E処置が○。
だけれど根本的には、急変動を起こさないように日頃から血行不良を解消しておくことが重要です。てきとうにてきとうに。
学習 - 思い込みを書き換える
春から夏にかけての温かい雨は、ことバス釣りにおいてプラス要素になることが多く、釣りバカさん達は喜んでカッパを着て釣り場へ向かいます。
そんな楽しい雨の日の思い出があれば、雨だからって何処かが痛んだりしないかもしれません。
「子どもが騒げば雨が降る」という諺もあるくらいで、何の学習もなく素直に気圧の下降を感じる子どもはハシャぐのです。だって1kg重/㎡の圧力が下がれば動きやすくなるはずですからね。
皆さん子どもの頃はハシャイでいたはずなのですよ。雨の所為で散々だった思い出や憂鬱な記憶を書き換えましょう。雨だからこそ面白いことはバス釣り以外にもあるはずですからね。