夏場は暑いし蛭が凄いしで、事実上オフシーズンになる丹沢の山々。記録的に雨が多かった10月が終わりようやく気持ちが山へ向き出したので、長かったオフのリハビリを兼ねて軽く3時間ほどナナメ歩きをしてきました。

ご近所厚木市にある鐘ヶ嶽。昨年の2月に1度歩いている標高561mの低山ですが、街から近いしキレイに周遊できるし、ちょっとした鎖場などもあったりして「軽く楽しみたい」時に打ってつけの山です。

鐘ヶ嶽の鎖場

鐘ヶ嶽浅間神社の眺望

低山とは言え、丹沢の東の端にありますから眺望もバッチリ。江ノ島はもちろん、南から房総半島、横浜ランドマークタワー、新宿副都心。ガスって無ければ筑波山まで関東平野一望!

沢山の筋肉が動く!

平らな道を真っ直ぐに3時間歩くなんてほぼ拷問だけれど、山道3時間はオチャノコサイサイ。歩幅も方向も角度もほとんど1歩ごとに変化するので身体が飽きないのです。

歩行は全身が連動する大切な基本の動作ですが、平坦な道を真っ直ぐ歩くだけでは、決まった筋へ決まった範囲の同じ負荷が生じる『反復動作』になってしまいます。実際ワタクシの場合、大型ショッピングモールなどを歩き回っているとちょっと腰が痛くなってくる事がありますけれど、山道では皆無です。

山道ならただ歩くだけで色んな筋肉へいろんな負荷が掛かる。偏らない。それだけでも価値があります。

もちろん、普段上手く使えていないところを急に動かして痛みが出たり、得意な筋に頼りすぎて痛みが出たりすることもありますが、それもこれも山道を歩かなければ気づけいない事。
ハイキングをはじめて間もない昨年2月に登った時は、開始早々に鼠径部が痛くなったワタクシも、お陰様で今回は実にスムーズに終始気持ち良く歩けました。あの時気付いていなかったら、今頃相当なポンコツ具合だったと思われます。あな恐ろしや。

山の面白さを再発見してしまったので、オフシーズン中も気が向いた時にはスクワット。歳は取りましたけれど、遊びのお陰で身体的パフォーマンスは上がっているのであります。

五体を駆使する

ハイキングならただ歩くだけで様々なことが起きますが、もっと積極的に色々試すと、財産たる『気付き』はドンドン増えます。

  • 爪先だけを引っ掛けて登る⇔踵で刈るように登る
  • 膝を外に向けて登る⇔膝を内に向けて登る
  • 骨盤をちょっと前傾させる⇔骨盤をちょっと後継させる
  • ナンバを意識する⇔回旋を意識する
  • 足元を見る⇔行きたい方向を見る

などなど、「良い」と言われることに終始せず五体を駆使して色々試してみると、さらなる気付きが生まれ日常にまで変化が起こります。

今回トレッキングポールを忘れたので適当な枝を手に取ってみたらこれが以外に重くて、結果肩甲骨周りの筋にも程よい強張りが生じました。『脚に自信があるからポールなどいらん』という人も、あえてポールを持って四足チックに歩くと、思いがけない気付きと効果が得られるかもしれません。

ハイキングから得られる財産

両腕・両脚と体幹。五体の使い方が五体を創るのですよ。

五感を開く

街でも他の感覚を使うことは出来るはずなのに視覚に偏るのはどういうわけか。
自然に分け入ると不思議なほど他の感覚が開かれてきます。(多少の慣れが必要です)

聴覚
2週連続で台風の雨が降った丹沢は、普段枯れている沢にも華やかな飛沫があり、四方八方からサラウンドで心地よい水音が溢れていました。
尾根に張り付くと、水音の代わりにモズの高鳴きが山を包みます。

ハイキングから得られる財産

嗅覚
湿った土の匂いと焚き火に似たほのかな冬の匂い。登山口には青じそが生い茂っていて紫蘇の実を手にしたら白いご飯が恋しくなりました。

触覚
台風の雨で登山道は川になったらしく、至る所で落ち葉が渋滞していて、通常は目立たないであろう遊んでいる石があちこちに転がっていました。足裏でしっかりと感じて歩かないと危ないことこの上なし。
厚く積もった落ち葉の下に手を入れてみれば、柔らかく暖かな腐葉土がありますし、日陰の石や木の根に広がる緑の苔はベルベットのようにシットリ、フンワリしているのです。

ね、感じなきゃ勿体無い。感じたらそれだけ財産が増えます。

文字以外の情報で視覚を刺激することも当然出来ます。残念ながら丹沢は山全体が国立公園なので山の幸で味覚を刺激することは出来ませんけれど、存分に五感を開けると言って良いでしょう。

今回は登山道に見たこと無い大きな糞があって、それ以降なおさら五感を全開にして獣の気配を察知するよう努めました。低山だからって舐めたらいかん。

『より感じたい』からかなんなのか、やたらと軽装で山に入る人がいますけど、自分のエゴで他人のお世話にならないよう注意されたし。最悪の事態を除き自分で何とかする準備をできるようになるのも、遊びから手に入る財産。低山と言えど、足首までガードする靴、水・携行食、地図、コンパス、ライト、熊よけの鈴・・・くらいは持って歩きましょうね。

五体を駆使し、五感で繋がり、五行の循環に加わること。多分それが『活きる』という事なんじゃないかと思う今日このごろです。

ちなみに紅葉はまだこれくらい。

ハイキングから得られる財産

ハイキングから得られる財産

ハイキングから得られる財産

界隈の紅葉は今月半ばから後半くらいが見頃でしょう。

はいっ!そんなわけで、「いつかみんなで行こう」と前フリだけで社交辞令になりそうだった企画の日程をようやく決めました。
11/26(日)現役生・卒業生みんなで山へ行きましょう!!
(犬15期の方は申し訳ありません)
場所は未だ考え中。現地集合出来てトイレの心配もなくて程よく疲れて楽しめるところを模索しております。散々丹沢の話をしておいて第一候補は高尾山?w。五感を開くにはなるべく人の気配が無い方が良いと思うのでちょっと人出が気掛かりですけれどね。
紅葉はきっとベストタイミングです!予定空けておいて下さい。あ、卒業生は是非お客さんもお誘い下さい。かけがえのない財産を手に入れに行きましょー。参加希望お待ちしてます。

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書いている人

パンチ伊藤
あっとう言う間に整体師歴19年。現役で施術する傍ら小さな整体塾を主宰しています。当たり前な解剖生理と簡単な物理を繋いだわかりやすい身体の話が得意。釣り/山/島/音楽/映画/生きもの/が好き。2020年から自然農の畑やってます。

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