ゴールデンウィークに先駆けて伊豆下田の温泉に行ってきました。
川奈あたりまではちょくちょく行く伊豆だけど下田まで行ったのは数十年ぶり。海沿いの曲がりくねった道を3時間近く走るのでハッキリ言って陸の孤島ですからね、下田。しかし創業150年を誇る温泉は文句なしに良かった。無色透明無味無臭なのに骨から温まってお肌がキュッキュいっちゃう温泉でございました。

伊豆下田金谷旅館

温泉大国日本の中でも伊豆半島は温泉密集地帯!だからなのか、横浜辺りではあまり見かけなくなった外国人観光客も沢山いて、何だかとっても遠くに遊び来たような気分になれました。

国境を超えて身も心も癒やしてくれる、そんな温泉の秘密に迫るエントリでございます。

温泉ってなんだ?

『温泉法』というものがあります。どっちかというと温泉を守るためのものですが、温泉を名乗るための条件も定められています。

1、泉源における水温が摂氏25度以上(摂氏25度未満のものは、冷泉または鉱泉と呼ぶ事がある)。
2、以下の成分のうち、いずれか1つ以上のものを含む。(含有量は1kg中)

溶存物質(ガス性のものを除く。) 総量1000mg以上
遊離炭酸(CO2) 250mg以上
リチウムイオン(Li+) 1mg以上
ストロンチウムイオン(Sr++) 10mg以上
バリウムイオン(Ba++) 5mg以上
フェロ又はフェリイオン(Fe++,Fe+++) 10mg以上
第一マンガンイオン(Mn++) 10mg以上
水素イオン(H+) 1mg以上
臭素イオン(Br-) 5mg以上
沃素イオン(I-) 1mg以上
フッ素イオン(F-) 2mg以上
ヒ酸水素イオン(HAsO4--) 1.3mg以上
メタ亜ひ酸(HAsO2) 1mg以上
総硫黄(S)[HS-,S2O3--,H2Sに対応するもの] 1mg以上
メタホウ酸(HBO2) 5mg以上
メタけい酸(H2SiO3) 50mg以上
重炭酸ソーダ(NaHCO3) 340mg以上
ラドン(Rn) 20×10-10Ci以上
ラジウム塩(Raとして) 1億分の1mg以上

電子政府の総合窓口【温泉法】
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000125&openerCode=1#447

化学にとんと疎いワタクシでも量を間違えたら死に至る毒性の強いものばかりだという事は何となく分かる。ホメ○パシーな人達が鼻息荒くなりそうなネタだけどw、成分だけ見たら温泉って身体に良いものとはとても思えませぬ。

施設に貼られている温泉分析書だと、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの表記が目立つけれど、温泉法では『溶存物質』で一括りなのか。ってかガス性のものを除く溶存物質が1kg中1gを切る水を探すほうが困難なんじゃないでしょうかね。

環境省のサイトに保存されている面白い資料を見つけたのでリンクしておきます。「川の水を蒸気で温めても温泉」とか結構衝撃です。
https://www.env.go.jp/council/12nature/y123-01/mat07.pdf

温泉成分は身体に吸収・・・・されません

以前にも似たよう事を書いてるのでリンクしておきます。

人間の皮膚は何層にもなって強固なバリアを形成しているので、温泉成分が吸収されるわけではないのです。せいぜい角質に吸収されてスベスベしたりキュッキュッしたりする程度。生きている人が濃度の高い高張性の温泉に浸かって干からびないのも皮膚のお陰です。

だけれども、日本は昔から傷や病を癒やす『湯治』が行われてきて、今も効果効能をうたう療養泉があちこちにあります。ドイツやフランスなどの欧州では、医師の判断により温泉療養が保険適用になる場合もあるんだそうです。何がどうやって効くのかわからなくても『治療』としてまかり通っているのは流石先進国。

日本の場合は、製薬会社とか医療機器メーカーとか医療関係者が強過ぎ。国民皆保険も足かせになっているのか、『治療』と称せる枠が守られ過ぎているように思います。誰のための治療なんだかね。

上に挙げたように温泉成分の大半は毒です。ストロンチウムとかラドンとかラジウムにいたってはナチュラリストさん達の宿敵、放射能物質です。

秋田の有名な湯治場ではガイガーカウンター持参で放射線の高いところを測定して岩盤浴する人もいるそうで、3.11以降関東辺りから西へ避難した人からしたらビックリ仰天でしょう。

一口に放射能といっても色々あるのでワタクシには良いのか悪いのか見当がつきませんが、わざわざ逃げる人もわざわざ近づく人も、しっかり化学の勉強をしているんでしょうなぁ。あ、そういえば昨年5月に行った鳥取の三朝温泉もラジウム温泉で有名でした!

世界トップクラスのラドン温泉 三朝温泉

科学はいつも相当遅れてやってくるので、科学ばかり崇拝していると数十年後に『ほら見たかっ!』ってなことになりかねない。某大学教授みたいに石頭では面白いこともつまらなくなるので、受け取る側としては自分の感覚を信じたら良いと思うのです。
宗教と一緒で、勝手に信じて勝手に具合悪くなるだけなら誰の迷惑にもならないし。

ただし、発信する側はそうはいかない。出来るだけエビデンスのあるものを発信したい。ので、ワタクシのブログでは『成分による温泉の効能は無い』という事になってしまうのであります。

温泉入浴で身体に起きていること

  • 温まる
  • 水圧がかかる
  • 血圧の上昇&下降

以上。現時点で物質的に起きることが明確なのはこの3点だけ。

熱い湯に浸かると血管が収縮して瞬間的に血圧が上がる。ゆっくり浸かっていれば段々血管が緩んで血圧が下がる。血圧は下がるけれど水圧がかかるので、温められた血液が下の方から押し上げられる・・・・。実際に起きているのはこんな事で、温泉ならではの効果ではないわけですね・・・・・たぶん・・・。

いやーでも実際めっちゃ温まるじゃないですか、温泉て。身体の奥のほうが温まっていつまでもジワジワと汗が出てくる。家のお風呂で同じ時間浸かったとしてもああはなりません。

先日の帰りしなに修善寺で足湯だけ浸かった際にもしばらく背中から汗が出てました。そう、まるで遠赤外線に当たった時のように。

源泉掛け流しとか成分とかの話ばかりで、何故か遠赤外線に触れている温泉の話があまり見つからないのですけれど、研究している人居ないんですかね?遠赤外線は一種の電磁波なのでマイクロウェーブのように中から温まるのも頷けます。地底深くから湧出する際に赤外線を含んで来てるんじゃないでしょうかね?

あ、電磁波もナチュラリストさん達の敵ではありませんか。ナチュラリストって敵だらけで大変ですねー。

まとめ

今の所、温泉の効能に科学的な根拠はありません。だけど身体が温まるというのは事実です。

大切なのは、正解を求めて本を読んだりインターネットを彷徨ったりする事じゃなく、自分の感覚を信じられるように感性を磨いていく事。実際に経験して知恵を増やすことでしょう。

ちなみに運動して筋肉を動かしても身体は温まります。温泉に長く浸かりすぎると全身ダルくなります。もっと浸かれば軽く筋肉痛みたいになります。温泉の効果は運動の効果ととても似ているのです。

結局は血行。『治すには新鮮な血が要る』全てはココへ通じるのであります

効果効能はさておき、日本一の大きさを誇る檜の千人風呂は一度入ったほうが良い。マジで驚きます!

千人風呂の金谷旅館

ボロイとキタナイは違う。古くてもビカビカみ磨かれている床。こういうところだったら科学的な温泉の効能以外にも身体に良いことが色々起こるのであります。

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