作画AI画伯

手力整体塾@からだ応援団のパンチ伊藤です。
デジタル化の楽さに胡座をかいて思考や感性までデジタル化してませんか?というお話です。

【デジタル化の光と闇】0-100思考じゃ生きるの大変という話

パーソナルコンピューターの普及から30年。音楽はMP3やWAVになりアニメはCGになり、誰でもMP4動画を録れて簡単に編集もできて、AI使ってクリエイティブなことまで数秒で可能で、世界中の知識が手中にある。デジタル化のお陰で凡人のワタクシでも出来ることがどんどん増えていることを実感しております。看板を掲げず訪問整体や整体スクールで20年も食べているのだってデジタルさまさまです。

なんだけれど、デジタルに触れすぎたが故か脳のPC化とも言えるようなデジタル思考の人が増えている気がします。客観的に数値で物事を判断できるという一面を持つデジタル思考ですが、0と1、アリとナシだけでしか判断できないとわりとアナログな現実社会で生きていくの大変だと思いますけどね。

現実はアナログ

例えば音。
レコードやカセットテープなどのアナログからCDへ媒体が変わり今や媒体も無くデータだけに。青春真っ盛りに転換期を体験した身としては、ノイズのないクリアな音と便利でお手軽なCDに当初感銘を受けましたが、同時に何か大事なものが抜けているような感覚もありました。それはけっして錯覚ではなくて、デジタルの特性によるものでした。

連続する【線】のアナログ信号をサンプリングして(抜き出して)要所要所を取り出したのがデジタル信号。ビット数を上げれば隙間は狭くなるけれど、途切れ途切れの【点】であることに違いありません。

連続した『線』がアナログ情報

要所要所をサンプリングして・・・

隙間の空いた『点』がデジタル情報

高音や小さな音のデータ化が苦手だったり可聴域以外は人為的にカットされていたりということも手伝って、なんだかやけに整理整頓された音なのがデジタルの特徴。綺麗だと感じる反面実際物足りない。音は空気の振動。リアル(アナログ)なら全ての振動があって、耳には聞こえなくても身体には響いているのです。

0と1だけの世界で現実を再現するのはどう頑張っても無理。リアリティーはあってもリアルじゃないのがデジタル。現実はアナログなのであります。

現実は三次元

絶え間なく続く現実を上手いことシンプルに表現しているのが『太陰太極図』。

太陰太極図

白黒はっきり別れているように見えますが細いところはいわばグラデーション。厚みがあるわけです。裏表なく繋がっている『メビウスの輪』も似たようなことを象徴していますね。

メビウスの輪

陽極まれば陰に、陰極まれば陽に。裏も表も一本の線で繋がる。簡単な図や模型で大切なことを表現してくれる昔の人に脱帽。

デジタル化の弊害?0-100思考

実は今回のエントリーはThreadsのこの投稿がきっかけ。

Threadsで見る

「いいね!」が84件も付いてワタクシのSNSとしては軽くバズったのですが、コメント欄に「いっぱい食われてるじゃん」という人が数名現れました。きっと自分で野菜を育てたことのない人、スパーの野菜しか見たことない人なんだろうと思いますが、「0-100思考じゃ生きるの大変だろうに」と思った次第。で、何故0-100の人が増えているのか考察してこのエントリーを書いているわけです。

良い悪い、有る無い、0-100・・・・二元論で思考したほうが楽だとは思いますが、100%の効果を期待したり、数%の失敗を許容しなかったりでは生きにくいったら無い。「100点取れなかった・・・もう死ぬ」なんてことにならないかしらと心配になります。

生き物の世界で0や100なんて事はまぁ滅多にない。
畑の虫をゼロにしたらきっと野菜育たないし、池の水抜いたところで外来種は根絶できないし、身体の痛みをゼロにもできない(直ぐ死んじゃう)。ココ数年日本だけが世界からおいていかれているのだって『ゼロ』を夢見た結果でしょう。

デジタル化のお陰で知識の差は無くなり出来ることが増えました。身体拡張の恩恵は有り難く享受しつつ、結果的に空いた時間でしっかりアナログ(自然)に触れていないと、生き方がわからなくなるかもしれません。

生き物は『自然』『アナログ』。デジタル世界で無駄として省かれるところこそ案外重要です。
途切れ途切れの点ではなく、裏表も始点も終点も無い線を生きていることに気づくべく、心体とも自然に没入する時間をもっておきましょうね。

このブログを書き終わったタイミングで映画『PERFECT DAYS』を鑑賞し、あまりのタイミングに独り感心してしまいました。現実は絶え間なく続く。喜びも悲しみも全部ある。『PERFECT DAYS』。エンディングの表情が素晴らしかったです。

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