先日、こんなニュースを目にししました。

厚生労働省は25日、医療機関の広告規制を見直し、「ビフォー・アフター」として効果をうたった術前術後の写真掲載を原則禁止する方針を固めた。

写真を真に受けて依頼し、思うような結果が得られなくて、消費者庁などへ訴えを起こす人が余程多いのだと思われます。

整体院におけるお客様の声やビフォー・アフター写真の取扱について

写真なんてちょっとPCに詳しければいとも簡単に加工できちゃう。ウエストラインを絞ったりシミを消したり、10歳若返りさせるくらいは朝飯前どころか布団から出ずに出来てしまうので、ぶっちゃけ信じる方もどうかと思います。

以前、「家を断舎離して世界中をまわる方法教えます」みたいな情報商材ヤロウが目につきましたが、彼の言う『世界』は実に見事な合成写真の数々で、呆れて開いた口が開いたまんまになりましたわ。

それでも集客できちゃう恐ろしさ。本物を見極める目を持って美味しい話には眉唾つけるくらいでないと、氾濫する情報の渦に巻かれて揉みくちゃになる世の中でございます。

だもんで、『ユーザーの不利益になるから規制します』というはなしなのですが、ユーザーが変わらなければ本質的にはイタチごっこが続きます。自ら選ぶのか選ばされるのか、それが問題です。

お客様の声(個人の感想です)

景品表示法が禁じる「不当表示」や健康増進法で禁じる「虚偽誇大表示」に関しても少し前から厳しくなってきています。健康食品、サプリメント、健康法やダイエット法などでよく見かける(個人の感想であり、効果には個人差があります)という打ち消し表示が有ろうがなかろうが、「虚偽誇大表示」として取締の対象になってきているようです。

不当景品類及び不要表示防止法

第5条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。

一、商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

二、商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

http://www.caa.go.jp/representation/pdf/141210premiums_1.pdf

広告費の高い健康食品で稼いでいたアフェリエイターは商売上がったりですな。

“自然”に絶対が無いように、生身の人間相手にも絶対はない。だから手力整体を受けてどうなるかはわからない。先日土曜からはじまった犬の整体師養成講座15期のみなさんも、開始早々そんなはなしを聞かされて驚いたかもしれませんけれど、ウェブサイト上は勿論、授業中も誇大表現をしないのがワタクシのポリシーであります。

不当表示や誇大表示に踊らされ選ばされないようにしたいものです。

犬の整体師養成講座
犬の整体師養成講座15期。月イチ土日コースではじまりました。今回ついに北海道からの参加が!

そもそも医療機関にはこんな広告規制があります

医療に於いては医療法が、鍼・灸・あん摩・指圧はあはき法、柔道整復は柔道整復師法が、それぞれ広告に対しての規制を明記しています。これらの医療・医業類似行為の広告に表記して良いとされているのは、総じて・・・

  1. 指名及び住所、業務の種類
  2. 名称、電話番号
  3. 施術日、時間

くらいのものです。
反対に『広告してなならない』とされているのが・・・

  • 比較広告
  • 誇大広告
  • 虚偽の内容、客観的に証明できない内容
  • 公の秩序または善良の風俗に反する内容

とされています。ただコレ、どういうわけかウェブサイトに関しては規制対象ではなくガイドラインに留まっているものだから、美容系を中心としてウェブの広告は事実上無法地帯でした。

違反サイトはジャンジャン通報!

んが、DeNAの医療系サイトだったWELQ事件をきっかけに、WEBへ監視の目を光らせようと今年からはじまったのが、『医業等に係るウェブサイトの監視体制強化事業 - 医療機関ネットパトロール』。【厚生労働省委託事業】ってところが甚だ気になりますが(どれだけの仕事にいくら落ちるやら)、ユーザーからの通報も簡単にできそうなので、不当や誇大だと思う表記はじゃんじゃん通報しちゃいましょう。

ちなみに、既にかなりの取り締りが行なわれていて、例えばペプチドシリーズを販売する日本サプリメントの景品表示へ、平成29年6月消費者庁が課した課徴金(いわゆる罰金)は、ペプチドエースつぶタイプに3073万円、豆鼓エキス粒タイプに2398万円。合わせて5471万円!ご愁傷様です。

整体院はどうすべきか

ビフォー・アフター写真規制も誇大表示規制見直しも今回は医療機関へ対してなので、『ワシ等医療じゃないもんね』と言わんばかりに今後も好き勝手やってくれちゃう整体師・セラピストさんがいると思います。

現状この業界は比較広告や誇大表示が溢れかえっております。手力整体のサイトですら、多少のビフォー・アフター写真がありますから、厳密に言ったらこの規制に引っかからない整体関連サイトは皆無かもしれません。

いつまでもお客様の声とビフォー・アフター写真に頼って責任逃れしてないで、自分で責任取れる自分の考えを自分の言葉で発信していかなきゃなりません。

整体は医療じゃありませんけれど、本来は私達の方がキツくと取り締まられるはずです。整体師・セラピストの皆さんにおいては『自由』を履き違えずに節度ある発信をお願いしたい次第です。勝手に超課金課せられたりパクられたりするのは構いませんけれど、業界の品位を落とさないようお願い致します。

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