昨年10月にもこんな記事を書いていますが
今年、2018年6月1日に改正された医療法がついに施行され界隈がザワザワしております。内容自体はあまり変わってないので今更ザワザワするのも不思議なのですがね。
それより驚くのはいままでの広告規制
限定的に認められた事項(医師名、診療科名、提供される医療の内容等)以外は、広告禁止
虚偽広告に対して罰則が課される(直接罰)。
誇大広告等に対しては、中止・是正の命令等ができ、当該命令違反に対する罰則が課される(間接罰)。
ただし、医療機関のウェブサイトについては原則、広告として取り扱っていない。
ウェブサイトを広告として扱っていなかったことが驚きなのですあります。インターネットが家庭に入りだして20年。その間お役所は一体何してたのでしょうか。
今回の改正に当たって、『虚偽、誇大』という曖昧で人によって捉え方が違う規制対象についてわかりやすく解説されています。これはありがたいです。目ぼしいところをピックアップすると・・・
- 治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等の広告をしてはならないこと
- 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項 について情報を提供すること
- 記事を装うステルス広告はもちろんダメ
- 広告だろうが広告らしくなかろうが、記事の中や最後に医院名や連絡先が表記されてたらダメ
- 暗示的、間接的な表現はダメ
さらに具体例も色々・・・
- アンチエイジング(アンチエイジング科というものは存在しない)
- イラストや写真などで治療後をイメージさせる
- 新聞記事などの引用
- 絶対○○、安全な○○
- 満足度○○%
- ビフォー・アフター写真
- 公的な資格以外の表記(○○協会認定)
- 著名人活用
- 県内随一、No.1、などなど
- ただいまキャンペーン!
- 期間限定○%オフ!
沢山ありすぎてキリがありませんので逆に、病院・歯科医院が広告に表記して良いのは・・・
- 施設名称 電話番号 住所
- 管理者氏名
- 標榜科(診療科)
- 診療日、診療時間
- 予約による診療の有無
- 設備の概要
くらいしかない。で、今回の改正はこの規制をウェブサイトにも適用します、ウェブサイトも広告として取り扱いますよというもの。真面目にルールを守ってやっている医療機関なら何も焦らない改正ですね。
医業類似行為はどうか
最初に書いたように今回改正されたのは『医療法』です。つまり適用されるのは医業(病院)、歯科医業(歯科医院)、助産師(助産院)の方々になります。それ以外の業種は関係ないかといえばそんな事ありません。鍼灸・あんま・マッサージ・指圧はあはき法で、接骨院は柔道整復師法で、それぞれ広告が規制されています。両者とも広告へ表記して良いのは・・・
- 施術者の氏名
- 施術所の名称・住所・電話番号
- 施術日・時間
- 予約の有無
- 休日・夜間施術の有無
- 駐車場の有無
以上。たったこれだけしか広告へ表記してはならないのであります。肩こりとか腰痛とかも書いちゃいけないんですよ。折り込み広告で色んな事書いてあったら、各都道府県の医療広告相談窓口へGO >>>
ただ今回は先にも書いたように『医療法』の改正。あはき法や柔道整復師法においては未だウェブサイトを広告とみなしていません。んが、
広告して商品やサービスを売る際に厳守しなきゃ成らない法律は斯くも沢山あります。
我ら民間療法は尚の事。『ウチら医療でもなんでも無いもんね』などと呑気なこと言ってられません。各法律にしっかり目を通して置きましょう。(医療広告ガイドラインについてはこちら>>>)
嘘をつかずハッタリをかまさず素のままリアルに
DeNAが運営していた悪名高きWELQを始めとするキュレーションサイト(広告収入目的の大量記事投稿まとめサイト)問題に端を発した広告規制においても、Google神は素早く『健康アップデート』と呼ばれる日本独自のアルゴリズム更新を行ない、法に触れる恐れのあるページ、専門家じゃない人が書いた根拠に乏しい記事広告などが軒並み圏外へ吹き飛ばしました。
手力整体塾のサイトも煽りをくらいましたが、多くのページが息を吹き返しております(戻ってこれないページもあります)。
法律があろうがなかろうが自分の立場をキチンとわきまえて、嘘やハッタリをかまさず事実だけ書けば良いのです。これは愉しく活きるための基礎とまったく一緒ですね。
今後も私腹を肥やすためにあの手この手を駆使する人は後を絶たないと思いますが、読者やユーザーの利益にならないサイトや広告は無くなって当たり前。お役所は煙に巻けてもGoogleには勝てません。広告を見る側としてもしっかりと目を養っていきましょう。
で、そんな中俄然元気なのがサイト制作やコンサルをおこなう方々です。『医療法改正に対応したウェブサイト作ります!』なんつって営業に励んでおられます。勢いで発注しそうになったらもう一度このページを読むことをおすすめします。
【追記】
令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。
インフルエンサーなどが商品やサービスを利用して褒めちぎるステルス広告が厳しく取り締まられることになりました。ディールの無い単なる個人の感想なのかディールのある案件なのか、案件であるなら広告であることの明記が義務付けれられ、違反した場合が企業側が取り締まりの対象になります。
気をつけましょう。