手力整体塾@からだ応援団のパンチ伊藤です。
先日沖縄でアホほど歩いて足を痛め、教室で皆さんに確認してもらった際に感じたことをまとめておきます。
整体や解剖の知識よりも脳内イノベーション!
このページの目次
整体師・セラピスト向け解剖講座が増えていますが・・・
整体師セラピスト向け解剖講座が大潮周りの上げ潮みたいな勢いで増え続けてます。
テクニック系の講座が増えるより遥かにいい事だと思いますが、肉眼で見えないのをいい事にバイアスが掛かった情報を発信する人も増えてます。
大切なのは事実を曲げずに深堀りすること。
深堀りした情報を適切に繋げること。
繋がっていない知識はゴミです。
着ない服や使わないアプリがタンスやメモリーを圧迫するように脳内に溜まる。そんな知識は混乱を招くだけなのでちゃんと整理して繋がるものだけ残しましょうね。
沖縄で足を痛めた!
卒業生に会うことだけを予定しての4泊5日沖縄本島。
晴れたのは初日の午後までで2日目に梅雨入り&警報発令の豪雨。以降ほとんど雨だったので釣具もほどかずにビーサンでアホほど歩き回って(2日で32km)、左足を力いっぱい痛めて「コレ幸い」と2日後の教室で身体を提供しました。
塾生による問診・視診・動診・触診
まず問診。
「どこが痛いのか」を真面目に聞いてそこに何があるのか必死に探してしまう傾向がありますが、痛いところに傷病など異常が有るならそれは医療の範疇。私達の出る幕はありません。病院で治してもらいましょう。
クライエントの心情的にはどこが痛いのかしっかり聞いて欲しいでしょうから聞くには聞きますが、考察にはあまり加えないのが肝心。ややこしくなります。
問診で大切なのは「いつ痛いのか」「どうすると痛いのか」。
「いつも痛い」と答える人が多いのも事実ですが、本当に何もしなくて常に痛いのであればそれもまた私達は適用外、医療の範疇です。
こちらから「あんな時は?」「こんな時は?」と具体例を上げて聞き返せば、痛くない場面を思い出してくれます。重力下で暮らしている以上、ほんとに【何もしてない】ことは殆ど無いので、痛みの大半は動作痛なのです。
問診で知りたいのは今生じている痛みではなく、痛くなるまでのストーリー。
「ビーサンで歩いた」という情報に気を取られそうにもなりますが、右足はなんともない事を忘れないように。つまりサンダルのせいではなく左脚(足・膝・股各関節)の使い方に偏りが生じているのはこの時点ほぼ間違いないわけです。
続いて視診。
見慣れた三大主訴以外が目の前に来たからと言って狼狽えることはありません。
私達が行うのは傷病を治すことではなく身体をニュートラルに近づけること。だからどんな想定外の主訴でもやることは基本一緒。
重心の偏りなど、ゼロ度から外れているところを見つけましょう。
動診。
痛みの仕組みと生理に基づき、動きの悪いところ、本当に凝って使えなくなっている筋肉を探します。幸い右足はなんともないので、健側・患側を比べられる。痛みの情報に惑わされなければ、案外簡単単に狙いを絞ることが出来たと思います。
最後に触診。
狙ったところに手応えがあるかどうか。これも【健・患】比べられるので自信を持った施術に繋がるはず。
施術に入る前に、何がどうしてこうなったのか、問診・視診・動診・触診を踏まえて繋がり有るストーリーをクライエントに伝えます。
施術後も同様に、今後のストーリー、いわば続編の概要を伝えて終了。実際の施術はそんな流れです。
大切なのは前後の過程
時短時短でエンディングだけ知ろうとする人が増えていますが、みんなと同じことをしていたらみんなと同じにしか成れない。エンディングはさておき前後の過程をしっかり繋げることを重要視すると、自然にその他大勢から抜きん出ることが出来る。
結局今回みんなで導き出したのが、左股関節の伸展・外転・外旋の筋に隠れたコリがあるということ。これらの筋がうまく使えない場合生じやすい代償は足首の底屈・外反。底屈や外反が生じるということではなく、底屈や外反の筋が余計に頑張って痛みが出たと推察されます。
足関節の底屈・外反に共通するのは長・短の腓骨筋と第三腓骨筋(外反のみ共通)。停止部分を見れば痛みが出たところとしっかり一致します。
痛んでいるところへフォーカスして痛みを取ろうとするのはエンディングしか知らない人のやり方。痛くなった過程が変化しなければぶり返すのは当たり前です。
「お腹を壊した」という事実だけ捉えて正露丸を飲んでも、お腹を壊す要因を繰り返したら明日もまた下痢でしょう。
大半の痛みは代償です。
本当のコリは使えない筋にあるから痛くならない。使えない筋の負担を使える筋が補って人一倍頑張っているところが他よりも早く痛みだす。
痛みは間違いを教えてくれますが、悪いところを教えてくれるわけじゃないのであります。
脳内イノベーション
イノベーションとは『単体ではあまり価値のないものを新たな発想で結合させて価値を創造すること』。
繋がっていない知識や情報はゴミです。んが、スジの通ったストーリーを書く訓練で繋がりだしてイノベーションが起こります。
「そういう意味だったのか!」
「だから◯◯になるのか!」
自分の脳内で既知の知識が繋がった時『気づき』や『閃き』が訪れます。そして決して忘れない【知恵】にる。忘れちゃうのは繋がってないからです。
勉強とはシナプスを繋げる訓練。気づきや閃きの連続だから面白いんですよ!
知らないと損しかない機能解剖
機能解剖と物理のオンライン講座
機能解剖の丸暗記は意味がない。
大切なのは「なぜ」を繋ぐこと。
物理や自然の摂理、他の生き物のことにも視野を広げると、
身体の「なぜ」が繋がりだします。
死ぬまで使う自分の身体のことを愉しく学びましょう。
沖縄の卒業生を繋いできました
先に触れたように、今回の沖縄本島行きは2018、2019年の卒業生に会うことが目的。
ひとりはご主人の転勤で沖縄移住してサロンも湘南から移転して約1年。軌道に乗り始めている【いろどり】の整体師加藤さん。
もうひとりは手力整体塾を修了後紆余曲折あって、昨年11月に海鮮韓国居酒屋【IRUTARU】をオープンしたキムさん。はい、色んな人がいるのが手力整体塾の卒業生です。
ほとんど同期のお二人がそれぞれ沖縄で頑張っているのをSNSで見て激励しようと訪れた次第。
キムさんの痩せっぷりに驚きましたが、お二人共若返って実に元気そうで安心しました。
親戚も友達も居ない土地での生活は不便も不安もあると思いますが、手力整体塾で一時を共にした知り合いが近所にいると知れば少しは気が楽になるんじゃないでしょうか。
気候はもちろん、文化も風習も独特だからこそ面白い沖縄ですが、慣れない環境はやっぱりストレスも生じると思うので、たまにはナイチャー同士で一杯やってください。
IRUTARUは何食べても激ウマ!なので、沖縄本島を訪れた際は皆さん是非お立ち寄りください。今回釣りできなかったワタクシも割と早めに再訪しそうです。