その痛み、温めるのか?冷やすのか?【RICE処置】の本質を知れば迷わなくなります

手力整体塾@からだ応援団のパンチ伊藤です。
未だによく聞かれる「この痛みは冷やすの?温めるの?」問題。応急処置のテッパンRICE処置の本質を知れば、いちいち誰かに確かめなくても一発でお悩み解消しますよ!というお話です。

痛み「冷やすのか・温めるのか」問題

腰痛、肩こり、膝痛、頭痛、生理痛・・・
急にどこかが痛くなったとき「冷やしたら良いのか?温めたら良いのか?」わりとよく相談されます。ぶっちゃけ「試してみれば?」と言いたくなるところをグッとこらえて応じていますが、急な痛みの応急処置としてテッパンのRICE処置を理解しておけば悩まなくて済むしきっとどこかで役に立ちます。
痛くなるたびに誰かに教わるなんてアホらしいですからね。

RICE処置の詳細

昔も今も急な痛みの応急処置として不動の地位を獲得しているRICE処置。

  • 安静【Rest】
  • 冷却【Icing】
  • 圧迫【Compression】
  • 挙上【Elevation】

それぞれの頭文字をとってR.I.C.E.です。冷却は本来 Cool(Cooling)なのでベタベタの和製、日本独自の処置まとめなことが伺い知れます。ま、わかりやすいから良いですけど。

ひとつずつその効果を分解してみましょう。

安静【Rest】患部を動かさず、安静にすることで、血流を抑制します
冷却【Icing】患部を冷やすことで血管を収縮、血流を抑制します
圧迫【Compression】患部を押さえたり縛ったりして、血流を抑制します
挙上【Elevation】患部を心臓よりも高くして、血流を抑制します

どれもこれも血流を抑制する処置だということをまず肝に据えておきましょう。

「急に痛くなった」といっても、何のきっかけも思い当たる節も無い場合は稀で、大抵は外圧が掛かったいわゆる怪我です。ちょっと専門的な言葉でいうと【骨折】【捻挫】【脱臼】【打撲】【挫傷】。平たく言うと【折った・捻った・抜けた・打った・切った】です。

多かれ少なかれ組織の損傷を伴うのが【骨折】【捻挫】【脱臼】【打撲】【挫傷】。見た目に流血していなくても内出血が起きてるかも知れない。だからとにかく血流を抑える、流れている血をとにかく止める、それがRICE処置です。

捻挫は足首だけじゃなく、腰や頸、他の部位でも可動域を超えた動作で起きますし、強烈な筋肉の痙攣(足とかツルやつね)は筋挫傷を生じますから、転んだりしなくても組織の損傷は起こる場合があります。
「知らぬ間骨折」などという言葉をテレビが喋っていたことがありますが、痛みも感じず知らぬ間に折れていたなら別にどうでも良いように思います。当然RICE処置は必要ありません。

損傷部位の血流を抑制する処置(なんなら一旦完全に止める)。これがRICE処置の本質です。

RICE処置のタイミング

損傷部位の血流を抑制するなり流血を止めるための処置なので、「やっちまった!」と思ったらすぐさま施さないと意味がありません。2時間も3時間も経ったら死んじゃうかとてつもなく腫れ上がるかどちらかです。(どちらも起きなかったら必要なかったってことです)

転んだ・ぶつけった・切ったなど、明確なきっかけが思い当たらない場合判断が遅れる事がありますが、【ズキズキした自発痛】【出血】【熱感】【発赤】【腫脹】を生じているか否かが一応の目安になります。これはつまり整体の施術を行って良いかどうかの目安と同じです。RICE処置を必要とするとき整体院では何もできませんし、整体院でなんとかなる時RICE処置は必要ありません。そういうことです。

【骨折】【捻挫】【脱臼】【打撲】【挫傷】【ズキズキした自発痛】【出血】【熱感】【発赤】【腫脹】。そんな時はRICE処置をしておとなしくしておくか、病院で画像診断してもらうのが懸命です。
一昔前は接骨院(ほねつぎ)が専門家でしたが、今どきの接骨院は「病院でレントゲン撮ってきて」とか普通に言うので、最初から病院行ったほうが早いです。

腰部捻挫と称されるギックリ腰ですが、ワタクシの拙い経験だと捻挫を伴うほどのぎっくり腰に遭遇したのはたったの1回。思いっきり熱感と自発痛があったので、テーピングだけしてお代は頂戴せず「冷やしてください」と言い残して帰ってきたことがあります。
もう1度言いますがたった1回です。

治癒には新鮮な血液が必須

怪我した覚えがない、自発痛も熱感も赤みも腫れてもいないなら必要ないのがRICE処置。
つまり【冷やす】を選択する場面は日常にほとんどありません

筋肉が熱を持つほど酷使した場合など数分程度冷やすのはあアリかも知れませんが、回復や治癒に必要なのは、酸素いっぱい栄養いっぱいの新鮮な血液ですから、早々に動かしたり温めたりした方が早く回復できます。

30年遅れてると言われる日本の痛み医療でも、ここ数年で「安静は程々に」という方針へ実際に変わりましたし、登板後のアイシングを一切しなかった元中日ドラゴンズの山本昌投手は故障なし手術なしで32年間投げ続けましたし、動かして温めて新鮮な血液を細胞ひとつひとつに巡らすのがとても大切だとすっかり認識されたと思います。

冷やして安静にしていたら痛くないかも知れない。けれどそのままじゃ決して治らない。
多少痛くてもどんどん動かしたほうが圧倒的に早く治ることを、あなたもきっと筋肉痛(軽い筋挫傷)で経験したことがあるはずです。

整体の施術は血行を良くします。動きが悪くなっている筋肉を見つけ出し外側から働きかけたり自分で動かせるよう促していきます。結果、何が起こるかは人それぞれだけれど、新鮮な血が巡るようになると良いことあるかもよってのが整体施術なのです。

おまけ:冷湿布、温湿布というマヤカシ

近頃は鎮痛剤入りの湿布が大半なようですが【冷湿布】【温湿布】なるものが存在ます。
それぞれ冷却効果・温熱効果がありそうな名称ですが、冷湿布はメントールでスーッとするだけだし、温湿布はカプサイシンでホットするだけ。実際に冷やしたいならアイスパックや氷嚢、温めたいなら蒸しタオルなどの方が余程効果的です。
湿布薬の処方は年間54億枚、1300億円の医療費が投下されてます。無駄遣いもいいとこです。

ちなみに、皮膚に貼ったり塗ったりする鎮痛剤がどれほど患部にまで浸透するのかは未だ謎のまま。

筋挫傷や捻挫について、以下の局所NSAID鎮痛薬は、約1週間皮膚に塗ると、2~5例中1例の痛みが少なくとも半減するのに役立つ。

https://www.cochrane.org/ja/CD008609/SYMPT_pi-fu-nitu-rutong-mizhi-mehaben-dang-nixiao-kunoka

という記載を見つけましたが、1週間経ったら放っておいても痛みは引いてきますからね。

とにかく、【骨折】【捻挫】【脱臼】【打撲】【挫傷】【ズキズキした自発痛】【出血】【熱感】【発赤】【腫脹】そんな状態になければ「逆RICE処置」が道を切り開きます。

  • 運動【Exercise】
  • 温熱【Warming】
  • 開放【Releasing】
  • 下制【Lowering】

EWRL処置?ゴロが悪なぁ。こういうセンスが全くありません、すみません。慢性的な痛みに対する四大処置、逆RICE。誰か良いのか考えてください。

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書いている人

パンチ伊藤
あっとう言う間に整体師歴17年。現役で施術する傍ら小さな整体塾を主宰しています。当たり前な解剖生理と簡単な物理を繋いだわかりやすい身体の話が得意。釣り/山/島/音楽/映画/生きもの全般/が好きです。

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