手力整体塾@からだ応援団のパンチ伊藤です。
整体院やマッサージに行って「力入ってますね」「力ぬいてください」って言われたことがある人、結構多いと思います。今回はそんな方々へ【力の抜き方】をお届けします。

力の抜き方 - 力が抜けない理由

整体やマッサージに行って「力を抜いてください」と言われたり、スポーツやヨガなど様々な習い事の最中に「肩の力を抜きましょう」と言われたりして、「・・・・よく言われます」っていうリアクションしか出来ず困る人が多いと思います。本人には力を入れているという自覚がないのでそんな事言われても他にリアクションのしようがありませんからね。

入れているつもりのない力を抜いてくださいと言われても抜けるわけがない。
意思を持った脳からの司令で入った力じゃなく、条件反射的に入っている力だから気付けないわけです。

実は骨格筋の多くは反射的に収縮しています。(収縮とは筋肉に力が入っている状態の正式名称です)

例えば首から肩にかけて。
二足直立の我ら人間は寝転がっている時以外、後頭部からの僧帽筋や肩甲挙筋で肩甲骨~上腕を吊り下げて持っている状態です。ここの筋肉がちゃんと持ってくれていないと、胸鎖関節一点にストレスが集中して壊れてしまうからです。

胸鎖関節

重力に対して反射的に力が入るので、座位や立位でココがふにゃふにゃな人なんていません。

他にも様々な場面で反射的な筋力スイッチは沢山入ります。
例えば上腕二頭筋を鍛えるかのごとく肘を曲げて物を持つ時。

軽いものでも、上腕二頭筋だけじゃなく手首の屈筋群や指の屈筋群に力が入りますし、重たくなればなるほど反射的に力が入る筋肉は全身に及んでゆきます。
どこを使うかは姿勢や動作の癖によって変わりますが、「すべての筋は全ての動作に作用する」と言っても良いくらい、思いもしないところに力が入るものなのです。(この連動が上手くないと整体の出番になります)

人間の脳って凄いけど案外不器用で、同時に複数を意識することは出来ません。意識できるところ以外は全部反射。幼少期から培われた条件反射で力を入れたり抜いたりしているわけです。

だから無意識に力が入るのはある程度仕方ないわけですけど、横になった時とか腕をテーブルに載せた時とか、重力の方向が変わったor重力から開放された時に、無意識に入ったスイッチを切れないのはいささか問題なのです。

抜けない力がコリを生む

筋肉は収縮と弛緩を繰り返すことで血行を促してくれます。無意識とはいえ力が抜けない、収縮しっぱなしな状態だと血行が滞り、いつしか組織の酸欠を生じます。コレが痛みの元。

収縮しっぱなしだと筋繊維のスライドもぎこちなくなってきます。次第に繊維同士が絡まりだしてコリやハリへ発展してゆきます。

収縮しろ弛緩にしろ作用が強ければ反作用も強く出るのが摂理ですが、中途半端な収縮(緊張)状態が続いていては反作用が期待できません。

【力の抜き方】一度ちゃんと入れる

入れているつもりがない力を抜くのは不可能に近いので、まずはきちんと認識しつつ力を入れてみること。
自分で意識的に入れた筋肉のスイッチなら自分で切れますし、しっかり作用させれば反射的な反作用も生じます。

例えば肩周り。
ちょっと重たいものを持ち上げてみるとか、逆立ちしてみるとか、肩の先端を耳にグッと近づけるだけでも良いと思います。
背中まわりだったら、懸垂やリバースプランク(仰向けのプランク)で効果的にスイッチが入ります。

部位別の【力の抜き方】はいつか詳しくお伝えしますけど、とにかく、中途半端に入っている筋肉のスイッチを自分の意志でしっかり入れる。【筋弛緩法】などという大それた名称が付いていたりもしますが、何のことはありません、「入れてるつもりが無いなら1回入れてみる」ってだけのことです。

ただし、全ての筋肉に自分の意思で力を入れられるわけではありません。残念ながら意識的に収縮できない骨格筋が結構あります。インナーマッスルの多くがそうですし、年齢を重ねればアウターの筋でさえ意識的に収縮できなくなってきます。反射的には収縮できても意識的に収縮させられない、そんな筋肉が増えてきます。
「使える筋肉を増やしてくれる」是非そんな整体院を近所で見つけてください。

【力の抜き方】驚きと恐怖

どんな人でも問答無用で力が抜ける、脱力してしまうのが【驚きと恐怖】です。
ビックリして腰が抜けたり恐怖のあまり失禁したりしてしまうのは、瞬間的な強い収縮のあとに無条件な反射で強い弛緩を生じるからなのです。

あまりに強すぎる驚きや恐怖はおしっこ漏らしちゃうので困りものですが、驚きや恐怖もバランスを取るために必要な感情だということ。災害や疫病に対してやたらと恐怖を煽る報道が目に余るのは、本能的に欲している人が多いからなんじゃないでしょうか。

この国で規則正しく日常を過ごしていたら、驚きも恐怖もなく条件反射だけで過ごせてしまう。条件反射的に入ってしまっている力を抜きたくて本能的に驚きや恐怖を欲し、煽る報道につい反応してしまう・・・・そんな人が多いように思います。
規則正しい生活は案外毒ですよ。

折角の本能を誰かに操られるのではなく、自ら積極的にちょっと危ないこととか知らないことだらけの非日常とかに飛び込んでみたらどうでしょう。オカルトや絶叫マシンでも良いし一人旅でも良い。いつもと違うちょっと強めの収縮・緊張がその後の脱力・弛緩を起こしてくれます。

いつまでもコロナで恐怖の感情満たしてないでもっと能動的な力の抜き方をマスターしてみたらどうでしょう。力が入った状態で上手くいくことなんてほとんどありませんからね。

まとめ

  • 力を抜きたかったらまずはしっかり意識的に入れてみましょう
  • 条件反射で入ってしまう力がある事に気づきましょう
  • 条件反射では済まない非日常を日常に取り入れましょう
  • 驚きと恐怖が最大の脱力を生みます!

ワタクシ、旅の1日目は大抵眠れません。意外と緊張してるんだと思います。
ま、お陰で2日目からはよく眠れますし、帰ってから暫くはすこぶる調子良くなります。あんまり旅慣れちゃうとこんな変化は起きなくなるのかも知れませんけど。

そういえば新規のお客さんは未だに緊張します。施術してると(私の)具合が良くなる要因の一端かもしれませんなぁ。

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書いている人

パンチ伊藤
あっとう言う間に整体師歴19年。現役で施術する傍ら小さな整体塾を主宰しています。当たり前な解剖生理と簡単な物理を繋いだわかりやすい身体の話が得意。釣り/山/島/音楽/映画/生きもの/が好き。2020年から自然農の畑やってます。

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