臨床の時間にまたおかしな歩き方の話で盛り上がりましたが、きっと塾生がレポートしてくれると信じて伊藤は天邪鬼な話を。

テレビなどから垂れ流しされる情報を伝えるレポーターなる人達のボキャブラリーが不足している所為か、近頃は『あまーい♪』『柔らかーい♪』が美味しいの最上級みたいになっています。

舌が感じる生理学的な味覚は、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味と5種類もあります。そこに鼻から抜ける風味も加わる。さらに辛味や炭酸などの刺激、温度や舌触りなども合わさって『美味しい』となるわけで、ボキャブラリーの無いアホなレポーターに間違った美味しいを刷り込まれないよう、自分の感覚大切にして欲しいと思うのです。

さっきまで泳いでいた魚は新鮮で美味い!なんて大嘘。死後硬直で身が固く味はありません(ちょっと言い過ぎw)。タイとヒラメとスズキを締めて直ぐに食べて、味の違いがわかる人なんてほとんどいません。〆てからたんぱく質が分解されアミノ酸が出て始めてそれぞれの味(うま味)が出てくるんですからね。活き造りってのは粋を楽しむもので味を楽しむものじゃないのです。

ヒラメ

知らぬ間に刷り込まれている間違った表現・情報は身体に関しても沢山あります。
施術を終えて『軽~い』と喜ぶ人がいますが果たして本当にそうでしょうか。上手な施術を受けると“全体的”には確かに軽くなります。ズレていた重心(丹田)がリセットされますからね。

支点と重心

ただし、腕や肩はむしろ重くなります。余計な筋力(コリ)で支えていた施術前の方が軽く、良い施術でコリが解放されると重くなる。腕1本は3kgくらいありますから重くて正常なのです。

重力 腕

想像上のモノ

あたかも存在するかのように創られたモノも沢山あります。

スジ
患者さん・お客さんの多くが良く言うスジ。・・・・これ存在しません。スジ=筋。つまり筋肉です。だから「スジを違える」なんてことは起こりえません。
私達の身体を構成する軟部組織は【皮膚、脂肪、筋・筋膜、腱(筋の端)、靭帯、血管、神経】だけです。牛スジのスジは腱や靭帯かな。たぶん。

セルライト
上記軟部組織一覧に無いようにそんなもんモン存在しません(Wiki)。エステ業界が作った造語。あたかも変異した特別な脂肪のように名前をつけて脅かしているだけ。

神経痛
神経が圧迫されて痛み・シビレが生じるというのも妄想。神経はもの凄く硬い。その神経が圧迫された時に起るのは麻痺。神経障害性疼痛(神経因性疼痛)という新しい概念もでてきましたが、幻肢痛や帯状疱疹後神経痛など極限られたものを指し凄く稀だと思います。(未だ研究者の見解がまとまっていないようです)
坐骨神経痛や肋間神経痛というのはいわば『腹痛』『頭痛』と同じく痛い場所を表しているだけ。

関節痛にグルコサミン・コンドロイチン・ヒアルロン酸
『昔の人はカニを殻ごとバリバリ食ってたから膝痛なんて無かった!』とかいうデータがあるならわかりますがグルコサミン・コンドロイチン・ヒアルロン酸が膝痛を解消する根拠はまるでありません。だいたい関節に痛みの受容器は無い。レントゲンなどの映像に変形が映って“痛そうに見える”だけです。変形は変形、痛みは痛み。実際伊藤が診てきたお年寄りたちはめっちゃ変形していても痛みは訴えない人がほとんど。

部分痩せ
振袖みたいな二の腕のタプタプを解消するために二の腕の運動・・・・・。
脂肪はそのままじゃ燃えない。二の腕の筋が二の腕の脂肪を燃やすわけじゃない。

 

まだまだありそうですな。自分の感覚と情報リテラシーを高めておかないと、何処かの誰かがウハウハ笑う事になる。『知らぬが仏』ってのは『知らない人は仏様のようにありがたいカモ』って事です。

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書いている人

パンチ伊藤
あっとう言う間に整体師歴19年。現役で施術する傍ら小さな整体塾を主宰しています。当たり前な解剖生理と簡単な物理を繋いだわかりやすい身体の話が得意。釣り/山/島/音楽/映画/生きもの/が好き。2020年から自然農の畑やってます。

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