肉体と精神からなるカラダ。心身。(伊藤がカタカナで“カラダ”と表記する時は心身を指します)
カラダは口から入れるものと環境からつくられていきます。何を食べ・飲み、どんな環境に身を置くか・どんなかカラダの使い方をするかで、後天的に形成されていく割合が多いとワタクシは思っています。
飲み物食べ物の偏りはそのまま肉体を構成する成分の偏りになりますし、動けば動きやすく、ジッとしてれば固定しやすく、猫背でいれば猫背になる。ゴミ屋敷に住んでいる前向きな人はいませんし、成長志向の人に囲まれたダメ人間もいません。入力に対してとても素直に反応してくれるのがカラダ。カラダは裏切らないのであります。
きっかけは赤ちゃんのハイハイ
なんだけれど、塾生から『赤ちゃんのハイハイがバラバラなのは何故?』というするどいツッコミを頂戴しました。
大人の場合は、個性ともいえる癖の様な姿勢や動作を知らず知らず習慣化していて、それらが身体に及ぼす影響は想像以上に大きいわけですが、生まれて間もない赤ちゃんの場合癖もへったくれもないわけで、これはもしや遺伝的な何か、DNAに刻まれた癖みたいなものがあるのではないかしらと一瞬盛り上がった次第です。
冷静に考えれば脳から近い順に神経回路が出来上がるので、【目⇒口⇒頸⇒腕⇒胴⇒脚】と使えるようになってくる(歳を取ると逆周りに動かなくなりますね)。だから腕だけ使ってホフク前進のようなハイハイをするのは不思議じゃない。んが、胡座をかいて座ったままとか、仰向けに寝たまま移動する(つまり脚を使って)赤ちゃんもいたりして、環境以前に身体の使い方を左右する“何か”もやっぱりあるのかな?と思えたりして。
先天・遺伝、後天・環境に左右される領域
生命の神秘で脈々と続く先祖の血、父母のDNAを半分ずつ頂いて“私”とうい命は誕生するわけで、生まれながらにしてDNAに記憶されている部分、避けがたい遺伝というのはやっぱり存在します。代表的なのは身体的特徴。肌の色、体臭、ハゲ(イタタタ)。合わせて、整体師として拙い経験で言わせてもらうと、お母さんと娘さんの手や足は凄く似ていることが多いです。
遺伝と聞くと病気を恐れる向きもあるようですが、異常な遺伝子を引き継いで生じる病気はあまり一般的なものではなさそうです。
遺伝性のガンは原因となる壊れた遺伝子が明らかなもの、ガン全体のわずか5%ほどだそうです。家族集積性を認めるもので25%。こちらは特異な遺伝子は見つからないようなので、習慣、環境など後天的な入力の影響が強いよう。似たようなものを食べて似たような環境に暮らすからなるってことですね。
心理、行動は“環境”の影響大
50%を超えて遺伝が影響するのは論理的推論能力と空間性知能だけ。しかも、父・母の遺伝子は五分五分ですから、両親とも苦手な場合以外は結局後天的にどうにかなるものばかりな氣がします。
遺伝と諦めることなかれ!
織田信長はクルクル回ってたわけではないし、竹下登はウィッシュじゃなかったわけです。
後天的に環境に左右されないもの、遺伝子に組み込まれて努力で解消できないこともあるにはある。遅筋・速筋の割合も生まれながらに決まっている。だけど速筋の遅筋化は可能だとされています(反対は難しいらしいけど)。
自分の意志というものがまだ曖昧な赤ちゃんの時は致し方無いとして、後天的に何とかなるものが大半なのです。努力を凌駕する先天的に備わった能力があることも確かなのでDNAも使い様。DNAを受け入れて活かしつつ、目指すべき方向へ続く環境を選択していくことが、『遊びある人生』には欠かせないのかもしれません。
『遺伝』の一言で諦めずに、向かいたいところへ向かうための入力を続けましょう!