まるっきりのゼロからモノトコを創造できるのは極一部の天才だけだと思いますが如何でしょう。
現代人が思いつくことなんて新人類20万年の歴史の中でとっくに誰か思いついてます。アートや音楽などの芸術はもちろん、文章も健康法も「全く新しい」なんてもはやありえないんじゃないでしょうか。
天才を自負する方はさておき、ワタクシのような凡人ならゼロからの創造は分不相応と割り切って、徹底的に真似ることに注力するのが得策だと思います。
観察力
真似るためにまず重要なのが観察力です。
パット見でわかる表面的なことだけじゃなく、隅から隅まで、視線・視野・視座を変えながら小さなことも取りこぼさないように。ワタクシなぞは、多くの人が気付くであろう事は放っておいて、誰も気づけないような小さな特徴に気付くことを至福の喜びとしております。キモは案外そういうところにあるのです。
観察力を磨くにはカメラを持って歩くのがオススメです。「何か撮ってやる」と思って歩けばいつもと違う景色が見えてくるはず。誰もが撮るアングルでは満足でき無くなってきて、おのずと視点・視野・視座のコントロールをするようになるはずです。
楽器や歌やダンス、絵でも習字でも文章でも釣りでもスポーツでも、なんでも好きなもので良いけれど、理想の手本を見つけてまずはとにかく隅々観察!
再現力
次のステップが再現です。隅々まで観察できて頭のなかではそっくりにイメージが出来ても、自分から出してみたら全く違うものに成ってしまう場合も少なくありません。
これはひとえに脳と肉体の連携が問題。
ワタクシの得意技のひとつ『歌』で言うなら、頭で思っている音程の声が出せない、思った通りに声帯(身体)をコントロールできないというのが、音痴の共通点になることが多いのです。だから、楽器は出来るけれど歌えないという人が結構居るわけですね。
ダンスやスポーツでも頭で思っている通りに身体が動かないという人は沢山いると思います。要因は3つです。
指示系統の問題
滅多にしない動きなために指示そのものが間違っている場合があります。例えば、目をつぶって腕を真上に上げてみたり床と平行に真横へ上げてみたり、立って膝上げの要領で片方の大腿を床と平行に上げてみたりして下さい。目を開けた時思い通りになっている人は意外と少ないです。観察力があって脳ではイメージ出来ていても、身体の各機関へ正確な指示が出せない。運動音痴と音痴の本質は一緒ですね。
肉体の問題
指示は正確に送れているけれど、動くはずの部位に既にコリがあって上手く動かない場合もあります。いやまぁコリがあるということはあまり動かしてないからなわけで、指示も間違っていることが考えられますが。
中枢に問題がある場合を除いて、『動かさないとドンドン動かせなくなる』当たり前なサイクルが神経と筋肉に生じるわけです。
認識の問題
腕がどこからはじまりどこから動いているかなどなど、身体のサイズや構造と機能や動きの認識が現実と食い違っていると、思い通りに動かすことは当然出来ません。基本的に自分でしか動かせない自分の身体ですから、少し興味を持って知っておくと良いかもしれません。ボディーマッピングについてはこちら↓
PNF(固有受容器神経筋促通法)とかアレクサンダーテクニークとかフェルデンクライス・・・。身体と意識(脳?)を繋げる系の難しそうなメソッドも色々と存在しますが、各分野の上手な人を観察し徹底的に真似る事ができればそれで良いのじゃないかしらと思うのであります。
テクニックやメソッドは近道になるかもしれませんが、近道を行けば予想外の発見が無くなります。結果、人生楽しむ術が遠ざかるような気がするのです。
急ぐ時は近道で良いけれど、回り道の方が色んなことに気づけてボクは好きだなぁ。
演じる授業
そんなわけで、久しぶりに患者さん・お客さんを『演じる』授業をしてみました。まずは良くある姿勢3パターンを・・・・
みんな同じ形になるはずなんですけれど・・・上手にできているのは真ん中の出っ尻姿勢だけでしょうか。姿勢を真似たら続く動診も可動を狭くしたり痛みを訴えたりで演じてもらいます。良くある圧痛点も演じて痛がる(笑)。あーじゃない、こーじゃないと、教室が賑やかになってとても良かったと思います。ただ覚えていた基本手技の意味も繋がってくれば幸いです。
そっくりに出来ないのは、観察不足なのか再現力不足なのか考えてみて下さい。観察力不足ならカメラもって歩く。再現力不足ならマッピングからやり直し。もっともっと色んな遊びが必要ですな。
患者さん・お客さんの気持ちをいくら真面目に考えたところでわかるはずはありません。考えるのじゃなくて成ってみる、そっくり真似て成り切ってみることです。姿勢や歩き方を真似るのはもちろん『○○してたら腰が痛くなった』と言われたら○○してみましょう。頭で難しく考えなくてもきっと何かわかるはずです。
真似るチカラが付いてくると、人生はまた一気に面白い方向へ加速していきます。
文章でも理論でもテクニックでも音楽でもスポーツでも、凄いと思える人を徹底的に真似るのが正解です。
ただし、手本や元ネタへのリスペクトは絶対必要。中途半端に真似てアレンジして自論のように出すのは最悪です。元ネタを明かしてそっくりに出してから、自分の言葉を足していきましょう。
自分楽しくアレンジ出来るのは徹底的に真似て本質に気づいてからです。