先日のエントリでも書いたように、手力整体にある決まりごとは『考え方と良い圧』だけです。基本手技はあくまで“基”。相手に合わせて柔軟に変化します。

『うつ伏せになれない』とか『ほぼ寝たきりで動けない』とか、中には身体の一部が欠損していたり背骨に鉄板が入っていたりする人もいるわけですが、通り一遍の施術しか出来ない場合は断りをするしかありません。

特に多いのが妊婦さんの施術。
手力整体塾では『安定期に入っていれば普通にやってOK』としています。実際に伊藤も数多く施術してきましたし、女性卒業生の多くも積極的に取り組んでいますが事故は皆無。断られる事が多い分、大変好評を頂いております。

自然の摂理と当たり前の生理を基にしたわかりやすい理論だから、自分で考えて柔軟に対応できる。『○○は××』などという暗記した施術じゃないからこそ、100人100様の身体相手に事故なく施術をおこなえると自負しています。

基本手技を側臥位だけに変換

うつ伏せになれない(妊婦さんなど)を想定して、基本手技を横向き(側臥位)に変換してみました。どうってこと無かったでしょ?骨と関節と筋肉が描けていて狙った筋を触れる感覚があれば、術中の姿勢などどうでも良いのです。理想は単なる理想、臨機応変に。

内転筋、三陰交、足裏などは流産をまねくなどと言われる事もありますが、それは安定期に入るまでの事。安定期に入ってからは安産効果へ切り替わります。これも当たり前の生理を基に考えれば当然だと思います。

仰向けでほぼ寝たきりの人だって、手力整体の狙い・目的は何なのか、そもそも何のために何処へアプローチしたいのか?わかっていれば、別に仰向けだけでも構わない事に気付くはず。むしろうつ伏せの施術は無くても良いくらいなのです。

施術はスカのリズムで

手力整体の特徴は、わかりやすい理論の他に・・・

  • 姿勢と動作から隠れたコリを探す
  • 隠れたコリ(トリガーポイント)をほどく
  • 丹田を使った丸い圧
  • 心地良いリズム
  • 二点タッチ
  • ほどいた後のストレッチ
  • 締め直し
  • 重心矯正

中でも重要なのは隠れたコリの見当を付ける見立てと、それをほどく丸い圧&リズムです。ほどくべきトリガーポイントを見つけられても、刺激の仕方が下手くそだと中々ほどけてくれません。下手をすればガードを固めるように余計絡まりだします。

“効く”と“痛い”は違う。下半身を積極的に使って丹田をコントロールし腕の力を極力抜くと、角の無い丸い圧を効かせることができます。

その丸い圧を二種類のリズムで使い分けます。
痛みの確認をする時はゆっくりジワっと圧を入れますが、痛みの元になっている隠れたコリをほどく時はスカのリズムでポンプを促します。スっとコリに当てたらカっと離す。説明をするのに音符を書いてみました。

施術のリズム

効かせたら勢い良く『カッ』と離す。ゆっくり押さえてゆっくり離すよりも、『カッ』と離した方が血行を促せると確信しています。

アクセントは当然『カ』の方。圧を抜く時です。けしてコリを押したり叩くような入り方をしないように注意しましょう。

日本人の身体には民謡のソウルが流れていますから、ついつい“頭打ち”になってしまう人が多いです。チャンチャンチャン♪ じゃなくて ンチャンチャンチャ♪ で!

丹田を使った丸い圧とスカのリズム。2つを合わせて手力整体でいうところの『良い圧』が完成します。圧が良くなれば良くなるほど、短時間でコリをほどける様になります。身体への操作は出来る限り少ないに越したことないので、良い圧探求はずっと続きます。

リズムだけははきっと直ぐに真似られると思います。日頃からこんな音楽聴いてみるのも良いかもしれません。

気まぐれ更新を見逃さないようフォローする