覚えるという行為にはほとんど意味がない

整体に限った話ではありませんけれど『勉強ができる』というのと『暗記が出来る』というのは全く違う。知識や学が無くても賢い人はいるし、大学院とか出てても役に立たないボンクラはいくらでもいます。ワタクシの好きな松嶋尚美さんなんて前者の代表だと思います(笑)。

覚えるという行為にはほとんど意味がありません。

身体は100人100様。だから『腰痛は●●をストレッチする』と覚えても意味がない。
ひとつひとつは簡単な要素・要因ですが、組み合わせは星の数ほどあって100人分の原因があるわけです。
深夜の通販で健康器具を衝動買したり、偽ニュースに踊らされたり、右だ左だと争いを繰り返していたりする方々は、要因と原因の区別が付かないのかもしれませんね。タバコや放射能にしてもガンの要因だけれど原因じゃないのです。

喫煙で肺がんになりますか?
低線被爆で甲状腺がんになりますか?
答えは「わからない」が正解。

姿勢が悪いと腰痛になりますか?
骨盤がゆがむと腰痛になりますか?
答えはやっぱり「わからない」が正解です。

自然や生き物を相手にした場合、大半の事はわからない。ただその要素・要因が爆発的でただならぬ偏りを生じていれば、原因になりえます。どんな食べ物にだって致死量がありますからね。

覚える勉強(暗記)では要素・要因の数々が頭に入るだけです。
頭に入った要因を繋げて原因を紐解いていけるように知識のつなぎ方を学ぶことが大事。繋がった瞬間の『ハッ!』とした気付き・閃きだけが使いモノになります。身体のことに関して皆さん既に結構な知識をすでに持っています。繋がるかどうか、それが問題。

豊富な知識もあんまり意味がない

療法の世界には実に多種多様な魑魅魍魎が巣食いうごめいています(笑)。だもんで、実に様々な手技・療法・理論があります。
この世界に足を踏み入れたが最後、色んなものを“勉強”して吸収しようとする真面目?な人は良いカモになります(笑)。

  • 整体で開業したけれど鍼灸も・・・・とか
  • 保険診療に限界を感じて◯◯式・・・とか
  • 目新しい舶来の理論に釣られて・・・とか

まあ、本質をわかった上で趣味として収集しているのなら良いと思いますけれど、“勉強”だと思って取り組んでいるなら大きな間違い。教わり続けて成長出来る人なんていないのです。

10個の道具ひとつずつを理解して組み合わせて上手に使うのもままならないのに、100の道具を集めたって使えるわけがありません。
「無い物ねだり」は不幸のはじまり。あるものを有効活用するのが幸せに生き残る近道です。
映画『127時間』でも観ると良い。かなり痛いから覚悟してね。

ええっと、ワタクシの自宅には百本近い釣り竿と数千のルアーがあります。使いこなせるのは極わずかです。ごめんなさい。趣味だから許してちょんまげ。

基礎をないがしろに色んなテクニックが学べる学校はダメ!

口が酸っぱくなって耳にタコが出来るほど繰り返しますが、近道しようとせずとにかく基礎を固めること。基礎がガタガタなのにあれこれとステキなものを乗っけたところで張り子の虎というやつです。

整体の基礎は誰がなんと言おうが筋肉。

  • 筋肉の生理を理解しておくこと。
  • 各関節の動作別に作用する筋肉を把握すること。
  • 各々の筋肉の起始・停止を指差せること。
    (筆記試験の無い手力整体塾では起始・停止を難解な言葉で覚える必要はありません。言葉で言えても指させなきゃ意味無い。)

基礎が無かったらいくら“勉強”したところで繋がるものも繋がりません。
出来ない事ばかりやりたがる『無いものねだり』はせずに、誰でも出来る基礎固めに精を出せば、様々なことが繋がりだすはず。気づきも閃きもおのずとやってきます。

ひとつ繋がると次々繋がります。先ずとにかくひとつ『ハッ!』と気付くまで、徹底的に基礎をかためることをおすすめします。

ので、色んなメニューが沢山学べる学校は正直ダメ。当塾なぞ手力整体だけでいっぱいいっぱいなのです。
整体を習うなら、徹底した基礎固めと考え方を伝授してくれるスクールを選んで欲しいと思います。整体スクールの選び方はココに↓まとめてあります。

ココが変だよ整体の勉強。施術の基礎は術者の姿勢

施術の基礎は術者の姿勢。新入生は正座すらおぼつきませんが、ここも時間を掛けてこだわっていきます。術者が施術して身体壊すなんて論外ですから。

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