整体や釣りの面白さは、相手が生きている“自然”であること。絶対は無いけれど最良を探してその日その時のベストへ辿り着いていく過程にあります。
1人で釣りに行く場合、場所によっては人為的要因が無く完全に【自然VS自分】になる事もある。五感フル活用で自然を感じ、魚の気持ちを悟りながらベストへ近づいていく。何も考えずに偶然「釣れちゃった」魚ではなく、感じて考えて予想して思い通りに「釣った」1匹に、手が震えるほどの感動と次に繋がる価値があります。
自然相手に試行錯誤しつつコミュニケーションして結果を出していくのが面白さのひとつ。
もうひとつの面白さは、あえて誰かと一緒に行くところにあります。
たとえ竿を10本持って行っても腕は2本しかありませんから、数人で別の釣り方をすればより早く結果に近づけますし、自分には思いもよらなかった手段を目の当りにすることもあります。可能性を広げてくれる友達の釣りは、【自然VS自分】とは一味違った面白さがあるのです。
更に、ずっと【お一人様】だといくら結果を出しても【釣り上手】の称号はいただけません。呼称するのは“人”ですからね。誰かに認めてもらって褒められるというのは、いくつになっても嬉しいものです。
悟る能力
整体やマッサージの施術をお客さんに褒められる、喜んでもらえることは施術者の喜びでもあります。(整体で『上手ですね』と言われるのはちょっと微妙なのですが(笑))
いくら肉体的(自然)な痛みが取れたとしても、(人の意思は自然じゃありませんから)評価する患者さんお客さんが満足するとは限りません。逆に言えば、痛みが取れなくても満足してもらうことは可能なのです。
- 操船している人の狙いを悟って『其処!』という所にルアーを投げられるか
- 同船者の希望を悟ってボートポジションを変えられるか
そうやって互いに手の内を探り、狙いを悟りながら最大公約数的な希望を叶えられる相手には【上手】の称号が付きリスペクトできる友になります。たとえその時結果が伴わなくても互いに成長し合える関係になれるわけです。
患者さんお客さんの希望をどこまで悟れるか。
自分がやりたい事と折り合いをつけて、お互いに“良い塩梅”になれるか。
「痛みを取る」だけがお客さんの希望じゃありません。施術中に『あ!そこ攻めて欲しい』とか『そこはあんまり触ってほしくない』とか『この姿勢辛くなってきた』とか、そういった細かい希望が沢山あります。
先手を打ってこそのサービス業。細かい希望を悟って先手を打っていければ、たとえ結果が伴わなくても満足は得られ【上手】の称号をいただけると思います。
ただこれ、“良い塩梅”というのが大切。下手をすると只の下僕になりかねませんので注意が必要です。お客さん・患者さんに悪魔の一面を出させてしまうかどうかは、自分の振る舞いひとつなのです。
教室でも、次に伊藤が何を言うか察してテキストを開ける人には勉強上手の称号が与えられます。悟ってるコミュニケーション上手でもありますね。
やっぱり実際の体験が必須
いつも船に乗せてもらっているだけでは船長の気持ちは悟れません。いつも施術しているだけじゃやっぱり患者さんお客さんの気持ちを悟れません。
悟り能力は動物を飼うことでも身に付くと思います。飼えない人はやっぱ釣りですかねw。
釣りも整体も普段の会話も、悟りながらで化学反応が起きるから面白い。それこそが本当のコミュニケーションだと思います。作り笑顔でご機嫌取ることがコミュニケーションじゃありませんよ。
悟るは『空気を読む』とは違う。場の空気なんて読まなくて良い。対象はひとりです。