先の週末はまたまたスタート講座でした。
手力整体を学んでいくにあたり大切な事をまとめてお伝えするほとんど唯一の授業らしい授業のスタート講座。新入生が来るたびに繰り返されるので、受ける人は卒業までに4回も5回も受けることになります。毎回基本的には同じ内容ですが、説明側にまわってもらうことも多々ありますし、その時々の自分の状態によって気付くことが毎回変わるはずです。変化し続けているのが自然ですからね。
「毎回同じ話で新しい気付きがない」と思っているなら、どこか頑固に守っているような不自然な状態といえます。
奥義の一端を担うスタート講座。「なるほど」と思えるまで繰り返し参加して欲しいと思います。
新入生が来ないと開催されませんので、現役生のためにも新入生は常に絶賛募集中です。
福島、茨城、埼玉、三重。また急激に物産展みたいになっている教室です。皆さんよくぞこんな小さな整体の学校を探してくれるものです。ありがたや。
整体施術の奥義をあっさり公開
『整体師の手』というものがあります。施術中はもちろん、施術よりも前、検査や触診の時から現れる整体師の手こそが奥義です。
見ず知らずの人に触るのはとてもデリケートな事です。最初に触る手ができていなければ、その後の施術に支障がでてきます。これ、目には見えないので整体師・セラピストを10年続けていても気付かない人は気付きません。特に『何をやるか』という『What』にばかりこだわっていると一生気づかないかもしれません。
(当たり前過ぎてキツイので余程愛情深い人でないと指摘もしてもらえません)
術者の身体に無駄な力が入っていると対象の身体にも力が入ります。力が入ったら緩まないのはもちろん、力の入った手で触られるのは不快でしかありません。そんな手ではどんな高等なテクニックを使ったところで豚に真珠、馬の耳に念仏、空回りするだけです。
触診をするのに力は要りません。軽擦をするのに押す必要はありません。対象の身体を動かすのに掴む・握る必要もありません。
自分がする事を良く考えて、必要最低限の力で行なうこと。出来る限り力を抜くこと。それが施術の奥義です。
「タイトルにつられて読んだけど、なんだそんな事か」と思ってるそこのアナタ、要注意ですよ!
診方の奥義は物理
療法によって様々な診方や検査が存在しますが、診方の基本は万物共通普遍の真理である物理にあります。
1Gという強力な重力がある地上で物体が静止したり動いたりするためには、絶対的なルールが存在しています。ここをないがしろにして、小難しい、しかも不確かな検査や診方に精を出しても、雲をつかむような感じになるのは明々白々です。
氣だ骨だリンパだホルモンだ何だかんだは、重心と支点、モーメント(梃子)など絶対的な物理で対象を診てからの話。そこに当たり前の生理を合わせて考えられるようになったら、大抵の療法のタネあかしは出来てしまうのです。
急がば回れ。
どんなスポーツでも走り込みでの下半身強化と持久力が必須です。音楽だって、ロングトーンとスケール練習がその後の全ての土台になる。数学の奥義は算数です。基礎がなければ行き詰まるのは当たり前。行き詰まった時新たなテクニックに走るのは只の“逃げ”。柱が傾いてるのに壁や屋根だけ修復したって無駄です。
探し回ったところで必殺技はありません。当たり前過ぎて見落としがちな基本中の基本を極めることこそが整体の奥義です。
どういうわけか、真実から目をそらして曖昧なものへ逃げ込む人が多いようですが、何をそんなに恐れているんでしょうね。身体も思考も、頑なに固める“頑固”をやめる。ノーガードで当たり前に向き合うと色々と良い事があります。
頑固をやめるのは「活きる」ために有効な奥義ですね。