小さな整体のスクール、手力整体塾を主宰しています。パンチ伊藤です。
今回はお腹の圧、【腹圧】についてつらつら書いてみたいと思います。あまり語られることがありませんが重要ですよ、コレ。
腹圧異常からわかる大切な事
さて今回はお腹。整体やマッサージといえば【うつ伏せ】だとお思いでしょうが、どっこい仰向けの施術はとても重要なのであります。経絡指圧の達人などは『腹証』を取ってから治療に入るほど、お腹からわかることは結構多いのです。
お腹を触らなければわからないこと
手力整体では施術の最初か最後(終盤)にお腹を触ります。
数分から数十分のうつ伏せで腰が痛くなってしまう人が少なからずいるのでそんなタイプの人だと気づいたら忘れずに最初に触る。楽にうつ伏せできる状態にしてから腹臥位(うつ伏せ)の施術を行ないます。
上のタイプ以外は必要性が少し下がりますが、施術の終盤にはやっぱりお腹に触ります。
お腹に触らなければわからない事があるからです。
腹圧異常
手力整体でお腹に触るの目的は2つ。
ひとつは腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)へのアプローチ。
もうひとつは、腹腔(お腹)が程よい弾性を保った理想的な状態にあるかどうか、腹圧が正常かどうかを確認するためです。
腹圧が高い
いわゆる太鼓腹状態。パンパンに張っていて硬い。腸にガスが溜まった腹部膨満とはちょっと違う。仰向けに寝てもお腹が出ている(凹まない)。上背部も合わせて硬い事が多い。息が吐けずに呼吸が浅い場合が多い。
腹圧が低い
水風船の様に柔らかい。ムクミが出やすい。便秘になりやすい。息が吸えずに呼吸が浅い場合が多い。
どちらにしてもクシャミや咳が腰に響きやすく、ぎっくり腰にもなりやすい状態です。
腹周りが硬すぎれば胸腰部の動きが阻害されますから、頸や上背などがオーバーワークを起こして痛みやすく、逆に柔らかすぎたら固定がしにくく、姿勢の維持で腰部に痛みが出やすくなります。
腹圧の異常が解消されないと、根本解決に至らないケースが多々あるのです。
腹圧の調整はどこでおこなわれるのか
さらっと解剖。
横隔膜を堺に胸側を胸腔、腹側を腹腔といいます。
真空状態の堺にある横隔膜が上下することで、胸腔の内圧が上がったり下がったりし、つられて肺が萎んだり膨らんだりして呼吸がおこなわれます。
横隔膜が上下すれば当然腹腔の内圧(腹圧)も上下します。横隔膜が短縮して下がれば腹圧は高く、緩んで上がれば腹圧は低いわけです。
もっとも大きく動いて、胸腔・腹腔の内圧を調整できるのが横隔膜ですが、肋間筋や斜角筋が胸腔の内圧に関与しますし、内外の腹斜筋、腹横筋、腸腰筋、骨盤底筋群など、腹腔を構成するすべての筋が腹圧関与します。ここに上げた筋のいずれか、もしくは全てが弛んでゆるゆるなら腹圧は低く、凝り固まっていたら高くなります。
低すぎる腹圧はちょっと問題
整体をはじめとするセラピストは緩めることを得意としていますから、腹圧が高い場合は施術でなんとか対応できます。
問題は低すぎる腹圧。割合としては少数派ですけれどとても具合の悪い場合が多いので何とか助太刀したいところなのですが、弛んでゆるゆるになっているものを締め直すのは、残念ながらほぼ100%ご本人の頑張りに頼るしかありません。
特に骨盤底筋群には手が出せませんし、ここがゆるゆるだと、痔、脱腸、膣脱、子宮脱を招く恐れもあるので頑張ってもらいたいところです。
- 腹横筋と骨盤底筋群をチカライッパイ収縮させて全部吐く(マックスドローイングで横隔膜を押し上げる)。
- 横隔膜をしっかり収縮させて(下げて)全部吸う。
ま、いわゆる腹式呼吸を気が向いた時におこなって、てきとうな腹圧を手に入れて欲しいと思います。
恒例と異例のバランス
もう30年ほど通っている日本三大薬師へ初詣。
中々タイミングが合わず随分遅くなりましたが、これで今年も皆様に無病息災パワーをお届けできます。
今年は好奇心に誘われるままハイキングコースへ突入。そしたらこれが止まらなくなって、結局小さな山の頂を制覇してきました(笑)。
その先はどうなっているのか。
直線でずっと先まで見通せてしまったら途中で引き返したと思います。先の事はわからないから面白い。人生もしかり。
全くの予定外でヒート○ック地獄を味わった自分が言えることではありませんが、標高数百メートルでも山は山。万全の装備をした方が良いと思います。滑落とかないとはいえませんしね。途中で会った方々(といっても4名)はちゃんとした装備でした。めんぼくない。
平で真っ直ぐな道は楽だけど面白くない。来年は薬師寺本堂の工事も終わるので興味のある方は是非。先の見えない凸凹道で五感を開きましょう。