8月最初の授業はスタート講座。通年新入生がやってくる春に新しい人が入らなかったので、随分と久しぶりな感じになりました。(それでも全員集まったら定員オーバーが続いてるので有り難いことです)
新しい人が入ってくると、古株さん達が俄然やる気になってくれるので、そういった意味でも程よいペースでの新入生は大変ありがたい。自分の成長度合いに気付くのも一気に習得率を高めるのも、新入生のタイミングは結構重要なのです。
教わるより教える、アクティブラーニングを経て知識は繋がっていきますからね!
そんなわけでスタート講座は今回も古株さんにほぼ丸投げ。講師役の塾生に意地悪な質問をしたり茶々を入れたりするのがワタクシの役目でございます。
肩はコル?ハル?
『肩が凝る』という言葉を使ったのは夏目漱石だと言われています。
それ以前ははたしてなんと言っていたのか?
現代よりは確実にジッとする時間が短く動き回ることが多かったでしょうから、肩コリ率は低かったことと思いますが、四足だったわけでもなければ地球の重力が変化したわけでもありませんから、同じ症状は存在していたはずです。
漱石よりも前に樋口一葉さんは『肩が張る』という表現を用いていたそうです。
凝るはギュッと短縮して凝り固まったイメージ。張るはピンと伸ばされて突っ張ったイメージ。凝ると張るとじゃ全く逆だと思いませんか?
背中は張る?凝る?
背中に関してはほとんど『張る』で統一されていて『凝る』という人はまず居ません。肩(首の付根)にしても実際短縮して凝り固まっていることは稀なので、一葉さんが言ったように『張る』で統一されていたのではないかと思います。昔は。
そもそも、短縮した筋に痛みを感じるのは痙攣(ツル)した時くらいしかありませんから、症状として感じる部位の殆どは『張り』である場合が多いのです。
コリもハリも触ればどちらも固いけれど、伸ばされて突っ張った固いところをほぐしてしまったら上手くないのは誰でも想像に容易いでしょう。
先入観を捨てて感じてみましょう。あなたの肩は凝ってますか?張ってますか?
細かなニュアンスまで伝える語彙の多さが日本語の素敵なところですけれど、使い所を間違えるとイメージが大きく変わってしまう脆さも併せ持っています。
他にも、短縮とか収縮とか似て非なる言葉が色々あります。適切な使いわけが後々の考察をスムーズにしてくれます。
だから言葉を正確にするこだわりはスタート講座からはじまるのです。アクティブラーニングで教える立場になったら尚の事、些細な言い間違えが思わぬ波紋に及びますからね。『何人繋いでもちゃんと伝わる伝言ゲーム』をよろしくお願いします!
今回の新入生は既にサロンで働くママさんと遥々徳島からの看護師さん。最初のハードルになる難解な言葉や読めない漢字はもう沢山知っていらっしゃるので、今後の加速振りが楽しみです!
(早速塾生レポも投稿いただきました!)